schema.org v1.92で追加されたBreadcrumbList

構造化データに用いられる語彙としてGoogle、Microsoft、Yahoo!の3社が共同開発しているschema.orgが、1.92へとバージョンアップしました。前のバージョンからの更新内容については、リリースノートに詳細が掲載されていますが、個人的に注目したのがBreadcrumbListの追加です。BreadcrumbListはItemListの亜種として定義されたもので、俗に「パンくずリスト」と呼ばれるナビゲーションのマークアップにおける使用が意図されています。

BreadcrumbListに関して日本語でお読みいただけるリソースとしては、海外SEO情報ブログの「schema.orgがv1.92へ更新、パンくずリストのサポートは近いか？」という記事があります。同ブログでは、以前からパンくずリストに対する構造化データの組み込みを取り上げており、

• schema.orgを使ったパンくずリストのマークアップ設定方法
• schema.orgのパンくずリストがリッチスニペットとしてGoogle検索に表示されない理由

をお読みいただければ、今回のバージョンアップによって、長らく決着していなかった論点（ISSUE-10: Schema.org breadcrumb examples - properties should be per-link）に決着が期待されているのがお分かりいただけると思います。

ところで、schema.orgのBreadcrumbListのページに掲載されている例では、ol要素でもってパンくずリストがマークアップされています。しかし、パンくずリストのマークアップパターンはそれが唯一無二というわけではありませんし、実際、当サイトではパンくずリストをdiv要素でマークアップしています（本稿執筆時点では）。

BreadcrumbListという名前からは、あたかもそれがHTMLのul要素やol要素に対してのみ指定できるかの印象を受けるかもしれませんが、そのような制約ないし依存関係はありません。実際、div要素を用いたパンくずリストのマークアップ例を掲載していたSEO Skepticの記事「schema.org Gets Its Game on with v1.92」で著者の方に確認してみたのですけど、ItemListやBreadcrumbList、ListItemとそのプロパティはHTMLのリスト要素にしか指定できないわけではない、というお返事でした。