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品質チェック体制の改善

2009年7月31日

プロセス改善室 室長
谷生 雄介

先日ISO9001/14001の統合審査が実施され、無事に認証を維持することができました。また、ISO9001については、2008年度版への移行審査となりましたが、移行についても問題なかったことで、責任者としても安堵しています。

そこで今回は、昨年度よりISO9001運用の中で重点を置いていることについて、少し説明をさせていただきます。

ISO9001運用開始から10年

弊社がISO9001の運用を開始したのが、1999年でした。当時、Webのデザインを主とする企業が、ISO9001を取得する例は珍しかったのではないでしょうか。
私は2000年末頃に入社しましたが、入社後すぐにマネジメントシステム研修を受講したのを今でも鮮明に覚えています。この研修の中で、私が学んだことが2つあります。

1つ目は、「10%のプロセス、90%の自由」という言葉でした。ミツエーリンクスは当時、従業員の平均年齢が27歳程度と若い従業員が多かったため、組織運営のために一定のルールを定める必要がありました。ISO9001はその中心的な位置づけになっていたのです。そして、現在でもその位置づけは変わらずに残り続けています。

2つ目が、レビュー(検証)の重要性です。弊社には、「検証していない成果物は、お客様に見せない」という社内文化が根付いています。特にWeb制作においては、検証を専門に行う部門などもあり、1カ月で約500件、多数のページの検証を行なっています。この検証部門ができる前は、お客様からお叱りを受けることも少なくありませんでしたが、現在では1カ月に数件程度になっており、着実に改善されています。

レビューに重点を置いた活動

昨年度から引き続き、今年もレビュープロセスの見直しを行なっています。
ISO9001では、成果物の制作工程において、いくつかの重要なプロセスにおいてはレビューを行うことが求められています。例えば、次工程への引渡し前のチェックなどがあたります。
これらのレビューを各プロセスの段階で徹底することにより、社内の成果物に関する品質が確実に向上し始めています。

また、Webの検証部門の強化及び効率化のために、Auto Validatorの社内検証における使用を開始しました。このツールを使うことの効果として、

  • 検証結果をビジュアライズすることができるため、漏れを防止することができる。
  • 検証項目の一部を機械的に行うことで、正確性の確保と効率化を満たすことができる。

などが挙げられます。このツールを使うことで、Webの検証では1Pあたりの検証時間を大幅に削減することができるようになり、大型化するWeb案件の検証に確実に効果が出始めています。

今後の取り組み

ようやく効果が出始めた改善活動ですが、まだまだいくつも課題があります。
その一つが、今まで以上にお客様へ満足していただくためにはどうするべきか、という課題です。もちろん、検証により品質を高めることは、より直接的にお客様へ満足していただける手段でもあります。それと同じくらい重要だと考えていることがあります。それは、検証による社内技術水準の向上です。

検証の強化は、製品の品質向上のみならず、社内の技術水準の強化にも役立っています。その一端が、Web標準に対応したHTMLのコーディング手法です。弊社では、以前からW3Cが定めた仕様でのWeb実装を心がけています。そのため、検証部門が行なう検証の前に、各自がHTMLの文法チェックツール等でセルフチェックを行ない、問題がない場合に検証部門が検証を開始します。

このプロセスの導入当初は、実務経験の少ないスタッフは文法チェックの結果でエラーが多かったのですが、このプロセスを繰り返すことにより、文法チェックの結果でエラーが少ない実装手法を身につけることができるようになっています。

こういった地道な活動により得られる社内の技術水準の強化は、お客様の満足につながるものと確信しています。今後もISO9001の改善を行ないながら、組織の持続的成長を支援していきたいと思います。