CSUN 2015聴講セッション紹介1

アクセシビリティ・エンジニア 黒澤

引き続き、サンディエゴで開催中のCSUN 2015に参加しています。

CSUN 2015では3月4日(現地時間)からセッション発表や製品・サービスの展示が行われています。この記事では3月4日に行われたセッションの中からAndroidのアクセシビリティ機能を紹介します。

Androidのアクセシビリティ機能を紹介するセッション(Learn More about Accessibility on the Android platform)では様々な機能が紹介されていましたが、特に印象的だったのはAndroid 5.0からサポートされたスイッチによる端末の操作です。 スイッチは1個から数個のボタンをもった入力デバイスで、運動機能に障害があるユーザーなどが使っています。セッションで紹介された、スイッチのボタン1つで端末を操作する方法は次のとおりです。

  1. ユーザーがボタンを押すと、キーボードフォーカスが画面上のUI部品を一定時間ごとに移動する
  2. 操作したいUI部品にキーボードフォーカスが移動した時に、ユーザーがさらにボタンを押すとそのUI部品のアクションが実行される

これによって、ユーザーはボタンの操作だけでAndroid端末を使うことができます。 ボタンが複数ある場合は、各ボタンに異なるアクションを割り当てることもできるとのことです。

なお、iOSでは7からスイッチによる操作に対応しています。スイッチによる操作は、実際の操作を見た方が分かりやすい人もいると思いますので、iOSの操作例ですが、動画を紹介したいと思います(もちろん、セッションで紹介された動画ではありません)。 動画では、フォーカスが一定時間ごとに移動し、スイッチのボタンを押すとアクションが実行される要素を確認することができます。

Androidなどのスマートデバイスではタッチ操作に目が行きがちですが、ユーザーは様々な方法でアクセスすることができます。デモを見た限りでは、Androidの標準的なUI部品(ボタンやチェックボックスなど)は特別な対応をせずにスイッチで操作できているようです。むしろ問題は標準的なUI部品の代わりにカスタムのUI部品を使う場合で、スイッチやキーボードのアクセシビリティを確保することがますます重要になると感じました。