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アクセシビリティBlog

Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。

当Blogの更新情報は、Twitter経由でも配信しています。興味のある方はぜひ、@mlca11yをフォローしてください。

Firefox Developer Editionでアクセシビリティインスペクターが利用可能に

取締役 木達

4月にお知らせしたFirefoxの開発者ツールにアクセシビリティインスペクターが追加される件の続報です。New in Firefox 61: Developer Edition - Mozilla Hacks - the Web developer blogという記事で、同機能がFirefox Developer Editionで利用できるようになったことを知りました。

Developer Editionは、その名の通り開発者向けに作られたFirefox。その61.0betaバージョンにおいて、アクセシビリティインスペクターが利用可能になっています。

Firefox Developer Editionの「Firefoxについて」画面

以下は、開発者ツールの設定画面です。「標準の開発ツール」に、Nightlyバージョンでは英語表記(「Accessibility」)だったのですが、「アクセシビリティ」という項目が加わりました。

開発者ツールの設定画面

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「CSUN 2018 参加報告セミナー」のフォローアップ 第二弾

取締役 木達

第一弾に引き続き、4月24日に開催しましたCSUN 2018 参加報告セミナーのフォローアップをお届けします。第二弾では、パネルディスカッションの内容をご紹介します(思いのほか長文の記事になりましたので、アンケートの集計結果のご紹介については記事を改めます)。

パネルディスカッション

パネルディスカッションは、あらかじめ用意したキーワードごとに登壇者全員でフリートークを行う方式で、私が進行役を務めました。

パネルディスカッションの様子(左から小林氏、秋山氏、スクリーンを挟んで植木氏、木達の各登壇者)
WCAG

前半の各セッション報告で触れられた、W3C/WAIの策定するガイドライン、Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)が最初のキーワードでした。WCAG 2.1の勧告に向け何か準備をしていますか? との問いかけから、ディスカッションをスタートしました。

また、2.xと並行して検討されているガイドライン「Silver」について、果たして将来勧告されるだろうか? との疑問を植木氏に投げかけたところ、2.1の勧告後には(Silverより前に)2.2を勧告することになるのでは、とコメント。また、2.1が勧告されたからといってJIS X 8341-3がそれに追随することにはならない、いたちごっこを避けるためにも慎重な判断が必要との見解を示しました。

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「CSUN 2018 参加報告セミナー」のフォローアップ 第一弾

取締役 木達

去る4月24日、当社セミナールームにてCSUN 2018 参加報告セミナーを開催しました。あらかじめ82名の方々からお申し込みをいただき、当日は72名の方々にご参加いただきました。参加された皆さま、ありがとうございました。また開催に多大なご協力とご支援をいただいた株式会社インフォアクシア、サイボウズ株式会社、株式会社コンセントの皆さまにも、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

本記事ではフォローアップの第一弾として、セミナーの前半部分である参加セッション報告につき私個人の感想を交えつつ、登壇者の皆さんが使用されたスライドをご紹介します。第二段では、パネルディスカッションで語られた内容や、アンケートの集計結果などをご紹介の予定です。

当社 木達の発表

発表中の木達

私からは、まず初めにCSUNとは、ということでカンファレンスの開催場所やスケジュール、会場内の様子などについて簡単に写真をご覧いただきながら紹介をしました。その後、聴講した中からSlideShareでスライドが公開されている以下の2つのセッションについて、内容を紹介しました。

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WCAG 2.1の勧告案が公開

取締役 木達

昨日、当社セミナールームで開催したCSUN 2018 参加報告セミナーの場でもたびたび話題に上がったWCAG 2.1についてですが、昨日付けで勧告案(PR:Proposed Recommendation)が公開されました。WCAGとはWeb Content Accessibility Guidelinesの略語であり、W3C/WAIの策定する、Webコンテンツのためのアクセシビリティガイドラインのことです。

現在、広く世界中で利用されているのは2008年に勧告されたWCAG 2.0ウェブアクセシビリティ基盤委員会の公開する日本語訳があります)ですが、新たにモバイル、弱視、認知障害という3つの領域に関するガイドラインを加え、10年ぶりにアップデートされようとしています。昨日公開されたPRは、言わば勧告の一歩手前という状態まで準備が進んでいることを意味し、以後も順調に進めばWCAG 2.1 timeline/Detailsにある通り、6月5日に正式に勧告されるかもしれません。

今年1月30日に公開された勧告候補(CR:Candidate Recommendation)からの変更点は、PRのA.1 Significant editorial changes since the Candidate Recommendationで確認することができます。主要な変更点として8項目が挙げられていますが、記載の場所や表現が変更されているものの、CRから達成基準の増減は無いようです。従い、WCAG 2.0に対し新たに2.1で加わる達成基準は、総計17(レベルA:5、レベルAA:7、レベルAAA:5)でおそらく確定でしょう。

PRの主たる目的は、W3Cの会員組織からのフィードバックを募ることです。フィードバックの期限は5月22日に設定されており、W3C会員は専用のフォームから、一般の方はpublic-agwg-comments@w3.orgメーリングリストにメール、もしくはW3C WCAG 2.1 GitHubリポジトリにイシューを登録することで、意見を送ることができます。

Firefoxの開発者ツールにアクセシビリティインスペクターが追加

取締役 木達

Mozillaでアクセシビリティの品質保証や普及啓発に携わっているMarco Zehe氏のBlog記事、Introducing the Accessibility Inspector in the Firefox Developer Toolsによると、Firefoxの開発者ツールにアクセシビリティのインスペクターが追加されるとのこと。この追加によってアクセシビリティオブジェクトを調査し、特定のオブジェクトがスクリーン・リーダーなどの支援技術からどう見えるかを、より簡単に知ることができます。

正式に追加されるのは、Firefox Release Calendarでは6月26日リリースの予定とされているバージョン61からですが、Nightly版では既に追加済みであり、実際に試すことができます。Beta版での試用を希望されるのであれば、5月7日に予定されているBeta版のリリースを待つ必要があります。

以下は、私のmacOS環境にインストールしたバージョン61.0a1での画面キャプチャです。アクセシビリティインスペクターを試すには、まず開発者ツールの設定を開きます。「標準の開発ツール」に「Accessibility」という項目がありますので、チェックボックスにチェックを入れます。すると、新たにAccessibilityパネルが現れます。

開発者ツールの設定画面

Accessibilityパネルに移動することでアクセシビリティインスペクターを操作できるわけですが、パフォーマンスへの影響を懸念し、他のパネルにあるツールを使う際には無効化するよう推奨されています(デフォルトで無効化されています)。パネル自体をいったん有効化すれば、インスペクターの有効化と無効化は簡単にボタン操作で行えます。

Accessibilityパネルのインスペクター

Chromeのデベロッパーツールでは、バージョン65から同様の機能が備わっていましたが(What's New In DevTools (Chrome 65) の「New accessibility tools」参照)、Firefoxでもいよいよ利用できるようになるのですね。個人的にはFirefoxをメインブラウザとして利用しているため、アクセシビリティインスペクターの追加は嬉しいニュースでした。

筑波技術大学で「情報システム学科卒業生の就労の現状と今後の学び」について講演しました

アクセシビリティ・エンジニア 辻

去る3月22日、私の母校でもある筑波技術大学で「情報システム学科卒業生の就労の現状と今後の学び」というテーマでお話しさせていただきました。

筑波技術大学は、聴覚障害者が学ぶ産業技術学部と、視覚障害者が学ぶ保健科学部から構成されており、私は20年ほど前に同学で情報処理について学びました。

当日は、社会福祉法人 日本盲人会連合の三宅隆様とともに、同学情報システム学科の先生や学生の皆様向けに講演と意見交換を行いました。

私の講演では、当社ミツエーリンクスでの私の仕事内容の紹介の他、Webアクセシビリティに関する仕事をする上でどのようなスキルが必要かについてお話ししました。

講演終了後の意見交換では、一度社会に出た人たちが、同学で仕事に必要なスキルを学び直すにはどのような方法があるか、視覚障害者がコンピューターや支援技術について学習するために同学がどのように貢献できるかと言ったテーマで活発な意見交換が行われました。

同学では、Webアクセシビリティに関する授業も行われているとのこと。 今後Webアクセシビリティに関する専門知識を持った後輩たちがたくさん活躍してくれることが楽しみだなと感じました。

講演中の筆者

CSUN 2018 現地参加レポート その3

取締役 木達
CSUNカンファレンス会場のManchester Grand Hyatt

アクセシビリティに関するカンファレンス、CSUN Assistive Technology Conference(通称「CSUN(シーサン)」)は、米国時間の3月23日、すべての日程を終了しました。3日間続いたセッションの最終日、私は以下の各セッションに参加しました:

現地参加レポート その1現地参加レポート その2と同様、この日に聴講した中から2つのセッションをピックアップして簡単にご紹介します。

From the Ground Up: Building in Accessibility at the Wireframe Stage

古くからWebアクセシビリティに携わるLevel Access社のDerek Featherstone氏が登壇。かれこれ10年以上前に遡りますが、私はFeatherstone氏にインタビューを行ったことがあり(FlashコンテンツですがMeet the Professionals ~ Derek Featherstone参照)、その頃のことを懐かしく思い出しながら拝聴しました。ちなみにLevel Access社が、Featherstone氏の立ち上げたSimply Accessible社を買収したのは、先月15日のこと

スター・ウォーズの大ファンでもあるFeatherstone氏は冒頭、同作品のストーリーボード、コンセプトアート、そして最終的な映像の3つの関係を引き合いにして、ワイヤーフレームの重要性を力説。セッション全体を通じて、ワイヤーフレームの段階、つまりプロジェクトの早期に発見できるアクセシビリティ上のリスクは多くあり、またその時点であればこそ修正コストは(プロジェクトがもっと進行してからよりも)抑えられる、と解説されていたのは、まさにその通りだなと思いました。

Rethinking Accessibility Related Best Practices for CSS in the Modern Age

インドのアクセシビリティ関連企業・BarrierBreak社に勤めながら、W3CでHTML5の仕様策定にも関わっている、Shwetank Dixit氏のセッション。HTMLやJavaScriptとアクセシビリティの関わりについてはリソースが豊富にある一方、CSSとアクセシビリティについてはあまり見受けられないこと、またそれに端を発してBarrierBreak社がChrome用にBarrierBreak CSS Accessibility Extensionを開発したことを背景として、CSUNに参加することにしたそうです。

色のコントラストやフォントサイズ、背景画像、ソースオーダーと視覚的な表示順の相関など、CSSがWebアクセシビリティの成否に直結する分野に限定しつつ内容を掘り下げて語っていたのは、確かに新鮮な印象を受けました。興味深かったのがUser Queriesにまつわるお話で、現状ではSafariしかサポートしていないようですが(Firefoxはサポートの動きがあります)、prefers-reduced-motionというメディアクエリーが紹介されていました(フロントエンドBlogの記事、Safari v10.1 の新機能と仕様参照)。

3回にわたり現地参加レポートをお届けしてきましたが、紹介した以外のセッションについてや全体的な感想などは、別途コラムCSUN 2018 参加報告セミナーの場で改めてお伝えしたいと思います。

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