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アクセシビリティBlog

Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。

当Blogの更新情報は、Twitter経由でも配信しています。興味のある方はぜひ、@mlca11yをフォローしてください。当Blogへのご意見・ご質問は、Twitter経由でも受け付けております。

WCAG 2.1草案へのコメント

アクセシビリティ・エンジニア 畠山

先日の記事「WCAG 2.1の今後」の通り、WCAG 2.1草案へのレビューコメントを必要としているという報告を受け、WCAG 2.1草案へのコメントを検討しました。当社からは下記4つの達成基準に対してコメントしています。

※上記はWCAG 2.1草案は2017年9月12日時点のものです。
※達成基準の番号は今後変更される可能性があります。
※Success Criterionは以下よりSCといたします。

当社のコメント一覧はこちらからご確認いただけます。詳細については各コメントをご参照ください。

SC 2.2.6 Accessible Authenticationについては、現状Webサイトがこの達成基準を満たすことは難しいと考えられるため、草案では適合レベルAだったものをレベルAAあるいはAAAにあげてほしいというコメントをしています。

SC 2.4.12 Accessible Nameの内容からは達成基準1.1.1 非テキストコンテンツに適合しているテキストではないラベル(例:画像ラベルなど)がこの達成基準に適合できるかどうかが明確ではない点についてコメントしています。こちらについてはAccessibility Guidelines Working GroupのメンバーであるDavid MacDonaldさんから達成基準の内容に対する補足のコメントをいただいており、他のissueでも本達成基準に対する議論がなされているようです。

SC 2.5.1 Pointer Gesturesに対するコメントでは"pointer gesture"という言葉の定義が読み手によって異なることが想定されるため、WCAG 2.1草案で新たに提案されたSC 3.2.6 Accidental Activationで用いられているsingle-pointer activationという用語を使用することを提案しています。

SC 3.2.7 Change of Contentの達成基準では"control"という文言を用いていますが、コンテンツの変化はページ上のコントロール以外にもデバイスを傾けるなどの動作でも起こり得るため、異なる文言の使用を提案するコメントを登録しました。こちらについてはDavid MacDonaldさんから"triggering mechanism"という文言を用いる案を提示いただいています。

今後WCAG 2.1草案がどのように変わっていくのか、引き続き見守っていきたいと思います。

GoogleがChromeのデベロッパーツールにDequeのaXeを採用

取締役 木達

(この記事は、2017年9月28日に公開された記事「Google Selects Deque's aXe for Chrome DevTools」の日本語訳です。Deque Systems社の許諾を得て、お届けしています。翻訳の正確性は保証いたしかねますので、必要に応じ原文を参照ください。)

GoogleのLighthouseが、aXe-coreを搭載しました!

Chromeのデベロッパーツールが最近変化したことに気づきましたか?

監査パネルがLighthouseで動くようになり、そしてアクセシビリティの監査はなんと......(ドラムロールの音)Dequeの開発したaXe-coreルールエンジンが担うようになったのです!

Googleが、アクセシビリティの自動テストに用いるエンジンをaXeに置き換える検討をしていると知ったのは、今年サンディエゴで開催されたCSUN支援技術カンファレンスでのことでした。より具体的には、Chromeのデベロッパーツールにある監査パネルが新しくなり、それに搭載されるオープンソースの監査ツール「Lighthouse」で、アクセシビリティ監査を実行するエンジンに採用されるというお話でした。

aXeがそのように認知され、またすべてのChromeユーザーが即座に利用することのできる監査ツールとして統合されるのは、とても刺激的なことです。アクセシビリティに加えて、監査パネルはWebサイトのパフォーマンスやベストプラクティスの採用、Progressive Web Apps(PWA)としての品質についてデータやヒントを提供します。それらは、より良いWeb開発を手助けするという、Googleが目指すゴールの一部です。またそれらは、検索結果においてそのページが何位にランク付けするかをGoogleが決めるために役立てることができるものでもあります。パフォーマンスがまさにそうですが、一部は確実に検索順位に影響します。

aXeのロゴ

アクセシビリティにとっての意味とは?

これは、Googleの検索順位にアクセシビリティが影響を及ぼすようになることを意味するのでしょうか?アクセシビリティとSEOには共通する部分が多くありますから、技術的な観点からは、既に影響していると言えます。

とにかく、アクセシビリティはパフォーマンスやベストプラクティスと等しく必須であるという点で、Googleのメッセージは明らかです。

アクセシビリティ監査はあまりに基本的であるがゆえに、ブラウザの一部となったのです。

Googleはまた、アクセシビリティ監査を可能な限り取り組みやすいものにしています。まだアクセシビリティに馴染み深くない多くの開発者にとって、これは重要なことです。デベロッパーツールは、機械的に実行できる監査に限って、アクセシビリティ監査を行います。

ルールエンジンとしてaXeを採用しているからには、あくまで機械的に検知できた問題点だけが報告されます。誤検知はありません。最もよくみられる、そして最も改善が容易なアクセシビリティ上の問題点を、明確にレポートします。

デベロッパーツールを用いたアクセシビリティ監査の短所は、それだけでは十分ではないということです。Lighthouseによるアクセシビリティ監査の結果が100点満点中94点だったとしても、それは機械的な監査の結果でしかありません。実際のところは、手動でのアクセシビリティ監査を行わなければ、わかりません。

デベロッパーツールにおいて、Googleがアクセシビリティに重きを置いているのは素晴らしいことであり、もしあなたがアクセシビリティに関してこれから取り組もうとしているのであれば、デベロッパーツールはうってつけです。あなたの担当しているWebサイトで、アクセシビリティ要件を満たすことが求められているなら(あるいは単に、より高いレベルを目指してアクセシビリティやインクルーシブデザインに取り組みたいと考えているなら)、ソースを確認していただきたいと思います。

aXeでアクセシビリティ監査を行う準備はできましたか?

aXeのChrome向け拡張機能か、Firefox向けアドオンをダウンロードしてください。aXe-coreのAPIは、GitHubで公開しています。もしあなたの勤務先でアクセシビリティ要件が定められており、まとまった分量を監査できるツールが必要ならば、WorldSpace製品群をチェックしてください。最後に、アクセシビリティについてもっと学び、専門知識を身に付けたいとお考えなら、Deque Universityにアクセスしてください。

WebAIMが7回目のスクリーン・リーダーに関する調査を開始

アクセシビリティ・エンジニア 辻

WebAIMはこのほど、7回目のスクリーン・リーダーに関する調査を開始しました。回答の期限は2017年11月1日で、調査結果は本年末に公開されるとのことです。

調査にはスクリーン・リーダーを日常的に使用している方だけでなく、評価やテストのために一時的に使用している方にもご参加いただけます。また、参加は任意であり、いつでも中止できるとのことです。

今回の調査の中で特に興味深かったのは、オンラインで手続きする場合にモバイルアプリケーションとWebサイトのどちらを選ぶかを尋ねている項目で、デスクトップ向けのスクリーン・リーダーだけでなく、モバイル向けのスクリーン・リーダーの利用者が増えてきた影響があるのではないかと感じました。

前回、6回目の調査にあった、就労状況やスクリーン・リーダーの入手先に関する質問がなくなった反面、第4回の調査(英語)にあった、Webサイトで不満や困難を感じる項目を尋ねる質問が復活していたことも印象的でした。

前回の調査から少し間が空いているので、今回はどのような調査結果が出てくるのかが楽しみです。調査結果が公表され次第、当Blogでご紹介したいと思います。

質問項目について

前回と同様に、以下に質問項目(全30問)の内容を意訳してご紹介します。調査に協力される方は、Screen Reader User Survey #7(英語)へ アクセスしてください。回答の際、個人情報は送信されないものの、お使いのオペレーティングシステムやブラウザのバージョン、JavaScriptが有効かどうかが送信されます。なお、当Blogは質問項目の翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じて原文を参照してください。

1. お住まいの地域を選んでください。

2. 障害を理由にスクリーン・リーダーを使用していますか?

3. あなたには以下の中のどの障害がありますか?(該当するものをすべて選択)

4. スクリーン・リーダーへの熟練度を教えてください。

5. インターネット利用の熟練度を教えてください。

6. 次の中で、あなたのスクリーンリーダーの使用状況を最も正確に表しているものはどれですか?

7. 普段、デスクトップまたはラップトップで以下のどのスクリーン・リーダーを主に使用していますか?

8. 昨年、あなたが主に使用しているスクリーン・リーダーは更新されましたか?

9. 主に使用しているスクリーン・リーダーと、同時に使うことの頻度が最も高いブラウザーはどれですか?

10. 以下の中でよく使用するデスクトップ用またはラップトップ用のスクリーン・リーダーはどれですか?(該当する物をすべて選択)

11. スクリーン・リーダーの点字出力を使用していますか?

12. 携帯電話、携帯端末、タブレット向けのスクリーン・リーダーを使用していますか?

13. よく使用するスクリーン・リーダーはデスクトップ/ラップトップ向け、またはモバイル/タブレットデバイス向けのどちらですか?

14. 主に使用している携帯またはタブレットプラットフォームは以下のどれですか?

15. 主に使用しているモバイル向けのWebブラウザーは以下の中のどれですか?

16. 以下の携帯またはタブレット向けのスクリーン・リーダーの中で、よく使用しているものはどれですか?(該当する物をすべて選択)

17. モバイル向けのスクリーン・リーダーを使用しているとき、どのくらいの頻度で外付けキーボードを利用しますか?

18. バンキングやショッピングなどの一般的なタスクをオンラインで実行する場合、モバイルアプリとWebサイトではどちらを使用する可能性が高いですか?

19. 現在、より高価な商用スクリーンリーダーの代替手段として、無料または低価格のデスクトップ向けスクリーンリーダー(NVDAやVoiceOverなど)があることをご存じですか?

20. 以下の中で、この1年のWebコンテンツのアクセシビリティについてあなたの考えにもっとも近いのはどれですか?

21. ウェブアクセシビリティの改善に大きな影響を与えると思われるのは次のうちどれですか?

22. 一般的に、あなたにとってソーシャルメディアはアクセシブルですか?

23. 長いWebページで情報を検索しようとする時、まず最初に行うのは次のうちどれですか?

24. 次のページの見出し構造のどれがあなたにとって最もわかりやすいですか?

25. スクリーン・リーダーでどれぐらいの頻度でランドマークまたはリージョンによる操作をしていますか?

26. ページ上に"本文へスキップ"や"ナビゲーションをスキップ"リンクがある場合、どれくらいの頻度でそれを利用しますか?

27. すべての項目があなたがWebにアクセスしてそれを使用する時に影響を与えるとした場合、次の中で最も不満や困難を感じる項目はどれですか?

28. すべての項目があなたがWebにアクセスしてそれを使用する時に影響を与えるとした場合、次(2番目)に不満や困難を感じる項目はどれですか?

29. すべての項目があなたがWebにアクセスしてそれを使用する時に影響を与えるとした場合、次(3番目)に不満や困難を感じる項目はどれですか?

30. WebAIMのスタッフにコメントやご意見がありますか?

「アクセシビリティセミナー2017」のお知らせ

取締役 木達

2012年以来、毎年CEATECに合わせてウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)が企画・開催してきた「アクセシビリティセミナー」ですが、今年も予定されています。日にちは10月5日、会場は幕張メッセ 国際会議場1階 104会議室で、14時半からと16時開始の2つのセッションで構成されています。

最初のセッションは「わたしたち、こうして使っています ~障害当事者に聞く、使える・使いたいアプリ・サービス~」。WAIC 作業部会1 委員の伊原氏が、障害当事者の立場でWAICの活動に参加しているお二人、作業部会2 主査の伊敷氏と、作業部会2 委員の山田氏にお話を伺います。

2つ目のセッションは「わたしたち、こうしてつくっています ~アクセシブルなサービス提供に向けた取り組み~」。最初のセッションとは対照的に、サービスや製品を提供する側に立つ4名のWAIC 作業部会委員がスピーカーとして登壇、議論を行います。進行役は、最初のセッションに引き続き伊原氏が担当されます。

どちらか一方のセッションだけでも聴講可能ですが、両方を受講していただくことで、利用者側・提供者側双方の立場からアクセシビリティについて考える、良い機会になるのではないかと思います。参加は無料ですが、CEATEC JAPAN 2017のサイトよりあらかじめ聴講予約が必要です。

詳しくはアクセシビリティセミナー2017のページをご覧ください。

WCAG 2.1の今後

アクセシビリティ・エンジニア 中村

WCAG 2.1のEditorのひとりである、Michael Cooper氏より、w3c-wai-ig@w3.org宛のメールで今後の進め方が報告されました。

その内容によると、現時点(2017年8月16日付け)の草案はワーキンググループが追加を予定している新しい達成基準をすべて含んでおり、今後はWCAG 2.1の要求事項の構成を最適化する作業に進む、とのことです。
そのため、ワーキンググループではこの草案に対する幅広いレビューをできるだけ早く必要としている、としています。

コメントはGitHubのissueおよびメールで受け付けているとのことです。(詳細は前述のメールを参照)

また、次の予定として、11月には前述の内容に加え、本草案とそれ以前の草案に対して受領したパブリックコメントへの対応を含んだ新しい草案を公開するとしています。
ワーキンググループは2018年半ばにWCAG 2.1をW3C勧告とすることを目指しており、そのためには今後の草案でのコメントへの対応は難しくなるため、この草案へのコメントが非常に重要であると書かれています。
2017年10月10日がコメントの締めきりですので、あと約1ヶ月弱ではありますが、みなさまも改めて新しい達成基準を確認し、気になる点はコメントすることを検討してみてはいかがでしょうか。

6月26日開催「アクセシビリティ法は社会をいかにして・どのように変えてきたか」参加レポート

アクセシビリティ・エンジニア 小出

ミツエーリンクス協賛のシンポジウム「アクセシビリティ法は社会をいかにして・どのように変えてきたか」に参加してきました。週末に確認した当日の天気予報は降水確率70%、天候を心配しつつ当日臨みましたが幸いにも晴れ、ご来場の皆様の足にも影響なくほっとしました。

当社ブースではディスプレイでアクセシビリティチェックツール(WorldSpace Comply)のデモンストレーション画面と、各種サービスのご案内資料をご用意しておりました。予想よりも多くの方に資料を手に取っていただいただけでなく、動画やPDFのアクセシビリティ対応サービスについておたずねいただくなど、参加者のみなさまの関心は基本的なWebサイトのアクセシビリティ対応だけでなく、さまざまな難点があり対応するにはハードルが高かった内容への取り組みへと向けられつつあることを実感しました。会場は盛況で何よりでしたが反面、ゆっくり立ち止まって画面をご覧いただけず、残念でした。

当日、開場前のブースのとても静かな様子
当日、講演開始前の会場内のとてもにぎやかな様子

サーストン氏、石川氏の講演では、米国とEUの現状が各種統計や調査と併せて紹介され、法整備では何歩も先を進んでいる国々の実態を知ることができました。法という盾を得る利点は予想通りでしたが、政策が与える影響の強さはこれからの日本に欠かせない矛だと感じました。また、メキシコやエクアドルなど、普段あまり知る機会がない国の取り組みについても短信ではありましたが紹介されたのもよかったことのひとつです。

一方、国内の現状についてもパネリスト各氏が限られた時間内で、当事者が直面し続けている困難や現状の問題点、改善に向けての働きかけを紹介され、多くの気づきを得ることができました。

パネリストの報告を受けたサーストン氏が、日本にはまだまだ課題が多いが、逆に好機(opportunity=偶発的なチャンスではなく、自らの力で引き寄せるチャンス)ととらえて積極的にと総括されていたことが印象に残りました。

当日の各氏の講演資料及び要約が下記にて公開されています。ぜひご覧ください。

シンポジウム「アクセシビリティ法は社会をいかにして・どのように変えてきたか―諸外国の事例を中心に」 | ICPF 情報通信政策フォーラム

6月26日開催「アクセシビリティ法は社会をいかにして・どのように変えてきたか」に協賛

アクセシビリティ・エンジニア 小出

2016年度はJIS X 8341-3の改正、障害者差別解消法施行と国内のアクセシビリティ事情で二つの大きな動きがあった年でした。
本年は、総務省が「国及び地方公共団体の公式ホームページを対象としたウェブアクセシビリティに関する調査」の実施を予定していることや海外での動きでは米国の政治情勢に伴う法律への影響について、関係者の方々が強く注視していることを感じています。また、EUの「アクセシビリティ法」制定への動きも本年度の大きなトピックとなることが予想されます。

6月26日に開催される「アクセシビリティ法は社会をいかにして・どのように変えてきたか」では、法制定では大きく先行する米国をはじめとする世界の動向の現状について、講演とパネル討論を通じて諸外国の事例と最新の動向を知る素晴らしい機会ですので、興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

当日は会場の当社ブースにて、アクセシビリティチェックツール(WorldSpace Comply)のデモンストレーションをご用意いたします。あわせてどうぞご覧ください。

イベント
アクセシビリティ法は社会をいかにして・どのように変えてきたか
日時
2017年6月26日(月)14:00〜16:30
会場
〒160-0004 新宿区四谷3-12丸正総本店ビル6階(スーパー丸正6階)
エムワイ貸会議室四谷三丁目 会議室A
参加費
無料
定員
100人
主催
情報通信政策フォーラム(ICPF)

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