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Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供します。

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企業研究会 第15期Webマネジメントフォーラム 5月例会に参加


取締役 木達
分科会の前半の時間でスライドを用い講演中の筆者

企業研究会の第15期Webマネジメントフォーラム様よりお声がけをいただき、アクセシビリティが分科会のテーマということで、5月17日開催の例会に参加をさせていただきました。前半では「Webアクセシビリティ品質への企業の対応について」と題した講演をさせていただき、後半では参加者の皆さまからいただいた質問にその場でお答えしました。

講演ではまず、Webアクセシビリティとは何か、といった基本的かつその後の内容の前提となる知識を共有させていただきました。そして、Web担当者の皆様が特に気にされたり、お悩みになっているであろうポイントとして「捉え方」「法制化」「米国での訴訟の増加」「社内教育」「仕組み化」の5つのトピックにつき、最新情報や当社サービスの紹介を挟ませていただきつつ、お話をしました。

後半の質疑では、画像の代替テキストの考え方といったベーシックなものから、マニアックなHTML要素の使い分けに至るまで、さまざまなご質問をいただきました。非常に活発な質疑で、個人的には大変楽しくお答えさせていただきました。Webマネジメントフォーラムの皆様、ありがとうございました。

DequeのAxeルールライブラリーが10,000,000ダウンロードを達成しました!


アクセシビリティ・エンジニア 畠山

(この記事は、2019年3月12日に公開された記事「Deque's Axe Rule Library hits 10,000,000 downloads!」の日本語訳です。Deque Systems社の許諾を得て、お届けしています。翻訳の正確性は保証いたしかねますので、必要に応じ原文を参照ください。)

訳注:外部リンクのほとんどは英語のページにリンクしています。

axe HTMLアクセシビリティルールエンジンが100万ダウンロードを達成したのはまるで昨日のことのようです。1年半ちょっと経った今、NPMダウンロード数の合計は1000万をちょうど超えました!

axe HTMLアクセシビリティルールエンジンのダウンロード数の合計はNPMのパッケージインストール数のものです。axeブラウザーエクステンションGitHubリポジトリ、そしてWorldSpace Attest(Dequeの自動化アクセシビリティ検証ツールキット)からもユーザーはaxeのパワーに触れることができます。

訳注1:100万ダウンロードについての記事はDequeのアクセシビリティライブラリー、axe-coreが100万ダウンロードを達成で掲載しています。
訳注2:axeブラウザーエクステンションについてはaxeのブラウザー拡張機能を日本語で利用できるようになりましたでも取り上げています。

2015年から2019年までの飛躍的な成長を見せるaxe-core累計ダウンロード数のグラフ2017年10月から2018年10月の間で、854.49%上昇(470,150ダウンロードから4,487,532へ) ソース:https://www.npmjs.com/package/axe-core

私たちのaxeルールライブラリーはオープンソースのアクセシビリティルールエンジンの中でもっとも広く展開されています。GoogleやMicrosoftもaxeを彼らのアクセシビリティの基準として使用していますし、米国司法省も同様です。3月にMicrosoftはaxeアクセシビリティルールエンジンにWindowsのサポートを追加し、開発者が自分のコードをWeb、Windows、Android、そしてiOSといったプラットフォーム間で統一された基準を用いてテストできるようになりました。

Deque SystemsのCEOで創設者であるPreety Kumarは次のように述べています。「2015年にaxeルールライブラリーをオープンソースとしてリリースしたとき、私たちの願いは開発者のコミュニティによるデジタルアクセシビリティの実現でした。そのビジョンは、現在劇的にスピードアップし、デジタルアクセシビリティがソフトウェアの機能要件になりつつあることを伝えています。」

昨年は7つの新しいaxeルールが追加され、現在はさらに5つの新しいルールが進行中です。Axeは現在、W3Cのもっとも新しいアクセシビリティ基準であるWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.1の自動的に検証できるすべてをテストし、最新のアクセシビリティガイドラインに対応しています。

axeエクステション、GitHubリポジトリ、Chrome開発者ツール、Accessibility Insights、PA11y、Sonarwhal、あるいはWorldSpace Attestを使用しているすべてのユーザーと貢献者に大変感謝しています。この1000万ダウンロードは何かをアクセシブルにしようとした人たちを表しており、そのみなさんに拍手を送ります。アクセシビリティの支持者でいてくださり、ありがとうございます。

Axe-Pro Betaに参加してください!

私たちは新しいaxe-proアクセシビリティツールをテストするため、特別なベータプログラムに参加してくださるフロントエンド開発者を探しています。Axe-proは特別な知見がなくてもサイトのアクセシビリティに与える影響を活かせるよう、自動的な検証とガイド付きの目視検証を組み合わせるというアクセシビリティ検証の新しいアプローチを取り入れています。

もっとも効果的でユーザーフレンドリーな検証体験を提供できるよう、あなたの助けが必要です。axe-proの詳細はdeque.comで確認いただけます

社内向け CSUN 2019 報告セミナー


取締役 木達

去る4月16日、今年のCSUNカンファレンスに参加した当社アクセシビリティ・エンジニアの畠山が、社内で「CSUN 2019 報告セミナー」を開催しました。当日は参加した数々のセッションの中から、選りすぐりの8つのセッションについて、要点をテンポよく共有してくれました。個々についてごく簡単に、感想を書き記したいと思います。

CSUNカンファレンスにおける、とあるセッションの模様

2019 Digital Accessibility Legal Update 2019

超人気のセッションだったそうで、床に座っている参加者もいたとのこと......過去に私がCSUNに参加した記憶の限り、立ち見を含め椅子に座らずに参加することは禁止されていたので、意外でした(それが正式に認められたスタイルだったかどうかは不明とのこと)。アクセシビリティの享受は基本的人権との認識が、アメリカでは法律(Americans with Disabilities Act、ADA)を背景に浸透しているとのお話が印象的でした。

「社内向け CSUN 2019 報告セミナー」の全文を読む

Axe for Android がリリースされました


アクセシビリティ・エンジニア 畠山

とうとうAndroid向けのaxeがリリースされました。先日アメリカ・アナハイムで行われたCSUN Assistive Technology Conferenceの期間中、Axe for Androidのリリースを予定しているという話を何度か聞いていて、期待していたアプリです。まだリリースされたばかりですが、どういった形で問題を報告するのか見てみました。

axeやaxe-coreについては以下のブログ記事にてとりあげています。

CSUNについてのレポートも以下にて公開しています。

Axe for Androidを使ってみる

アプリをインストールし、起動するとまずは「Welcome to axe android」と書かれた画面が表示されます。使用するにはアクセシビリティ設定画面でaxeを有効にし、検証するためのコンテンツにアクセスする権利などを承認する必要がありますので、まずは「Turn on axe」をタップします。

「Axe for Android がリリースされました」の全文を読む

アクセシビリティキャンプ東京 2019参加レポート


アクセシビリティ・エンジニア 小出

2019年4月8日に開催されたイベント、アクセシビリティキャンプ東京 2019 - GAAD発起人と振り返る 「CSUN 2019」に参加してきました。
イベントはセッション1「GAAD発起人インタビュー」、セッション2「CSUN参加者座談会」、セッション3「Q&Aタイム」の3セッション構成となっており、座談会には、当社アクセシビリティ・エンジニアの畠山帆香も登壇し、カンファレンスの様子を切れ味よく伝えていました。
イベント概況は公式スライド資料やTwitterのハッシュタグ#a11ytokyoなどに譲り、Joeさんのインタビューから個人的に注目した内容3点についてまとめます。

新しい技術への好奇心、積極性

Joeさんがアクセシビリティに興味を持つきっかけは、ハンディキャップのある同僚の存在と、加えてその同僚がスクリーンリーダーを利用していたことをあげていました。新しい技術を積極的にキャッチアップしているタイプと自認していたのに、スクリーンリーダーという技術を知らなかった、その技術をひろめようとBlogを書き、その翌年にGAADの初回イベントを開催、というアクティブさとパワフルさを、あらためてご本人の口から聞くことができました。
近年の開発者にとっての新しい手法のひとつにアジャイルがありますが、その手法は多くの開発者の興味を惹くもので、おそらく開発者の8割はアジャイルを知っている状態だろう、それと同じくらいアクセシビリティの必要性と認知度が上がることを期待しているそうです。 要件定義の段階、つまりウェブサイトの根幹を決める段階での対応が必要であることにも触れておられ、同じ考えの当社としては心強く、また嬉しく聞いていました。

高まる訴訟問題への注目度

アクセシビリティ対応を導入する際の大きな障壁のひとつにあげられるのが、アクセシビリティ対応は利益を生むかどうかという命題です。 企業にとって損益は無視できない要素のひとつですが、金銭的にも企業イメージも大きく「損」なう「訴訟」が近年さらに着目されるようになっています。
特にアメリカでは2017年から2018年にかけて3倍近く訴訟件数が増加するなど、内外を問わずグローバル企業にとっては無視できない状況です。
訴訟はアクセシビリティが認知されるきっかけとしては喜ばしくはありませんが、災いならぬ「損」を転じて「益」となすこともできるのではないかとも感じました。訴訟を避けるためにアクセシビリティ対応を考慮する働きがアクセシビリティへの認識を深め、アクセシビリティそのものへのイメージの転換(障害者のみに必要な対応という誤解の払拭、「ごく一部の人間にしか利のない義務」のようなネガティブさが、どのような人にとっても便利さが向上し、情報へアクセスしやすくなる=より広い訴求効果をもたらすなどポジティブなものへ)とつながる可能性があるのではと思うからです。それはイメージではなく事実であることが早く理解されてほしいと思います。

繰り返し情報発信を続ける重要性

訴訟問題にからめて、structured negotiationというキーワードと、その実例としての動画(capitol crowl)を紹介された際、会場の参加者の多くがかなり注目していた様子でした。実は概念そのものはそう新しくはない(...古くもない)のですが、まだまだ周知が十分ではない状態なのだと実感しました。
その世界にいる人間にとっては目新しさのない普通の内容かもしれないが、その世界以外にとっては当たり前ではないということを、やはり忘れがちになっているな、とも自戒しました。
常に新しい層への働きかけを続けることが周知の手堅く、また基本の手段であること、重要な内容は繰り返し発信していく必要があることをあらためて胆に銘じました。
これからも、当社はミツエーリンクスらしい切り口で情報発信を続けていきますのでご期待ください!

参考リンク

アクセシビリティキャンプ東京 2019 - GAAD発起人と振り返る 「CSUN 2019」に当社スタッフが登壇


取締役 木達

2019年4月8日に開催されるイベント、アクセシビリティキャンプ東京 2019 - GAAD発起人と振り返る 「CSUN 2019」で、当社アクセシビリティ・エンジニアの畠山 帆香が登壇します。

日時
2019年4月8日(月)14:00~16:30(13:40 入場受付開始)
会場
サイボウズ東京オフィス
東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー27階 Bar
参加費
【会場払い】500円
共催
株式会社インフォアクシア、株式会社コンセント、サイボウズ株式会社、株式会社ミツエーリンクス(50音順)

畠山は、セッション2「CSUN参加者座談会」に登壇します。その概要を以下に引用します:

今年のCSUNカンファレンスに日本から参加したメンバーが、それぞれにとっての「CSUN 2019」をふりかえる座談会形式のトークセッションです。

CSUNカンファレンスについては、開催期間中、畠山が現地よりレポート記事を日々掲載していましたので、是非ご覧ください。

イベントへのお申し込み、詳細についてはアクセシビリティキャンプ東京 2019 - GAAD発起人と振り返る 「CSUN 2019」 - connpassをご覧ください。

CSUN 2019 最終日レポート


アクセシビリティ・エンジニア 畠山

最終日も聴講したセッションの中から、印象に残った点をレポートします。

Where Accessibility Lives: Incorporating A11y into your Process and Team

これまでアクセシブルなコンテンツを提供していると思っていたチームが、ユーザーから「操作できない」「欲しい色を選べない」といったフィードバックを得たときに、いったいどうすればアクセシブルなコンテンツを制作できるのか、ということを具体的なシナリオを交えて話すセッションでした。

これまでアクセシビリティの対応をしてきたつもりが、それとは反対のフィードバックをユーザーから得ると、誰でもとまどいます。どこから手を付ければ良いのかわからない、と思うこともあるでしょう。大切なのは、完璧を目指すのではなく、より良くすることを心がけることだとDerek Featherstoneさんは言っていました。

「完璧」という言葉には、完成された、もう修正が必要ない印象があります。また、完璧を目指そうとすると、あまりのハードルの高さに挫折してしまうこともあるでしょう。ですが、アクセシビリティは一度対応すればそれで終わりではありません。より良いものを提供することを目標にすることが重要ですし、デザイナーや開発者のモチベーションにもなります。

WCAGなどの基準に沿うことを求められると、すべての基準を満たすことを目標にしがちですが、それよりもより良いコンテンツを目指して少しずつ進めるようにすることが重要なのだとあらためて思いました。

Automating New and Improved United States Government Requirements

このセッションはとてもインタラクティブで、リハビリテーション法第508条(以下Section 508)のことや政府の動きなど、発表者と参加者みなさんの間でたくさんの意見や情報の共有がなされていました。

その中で特に今後に向けて注目すべきだと感じたのは、政府は今後、VPATに記載されている内容を確認するようになる、ということです。これまでは、VPATによっては、きちんとコンテンツを確認せずにすべての基準に「Supported」と記載していたものも存在していたそうですが、これからは政府による確認が入るため、VPATの内容そのものもさらに正確に記載していく必要があるでしょう。

VPATを作成する際には、Trusted Tester V5という、Section 508に適合していることを確認するテストを実施するためのドキュメントを用いることが可能だそうです。現時点ではまだドラフトですが、2019年の春に発表予定となっています。

Trusted Testerも含め、VPATやSection 508の動向には注目したいところです。

Update on the Accessible Canada Act Bill C-81, a Proposed Law

カナダでAccessible Canada Actが提案されています。提案の内容を作成したDavid MacDonaldさんのセッションを聞きました。

この法案は、連邦政府が管轄しているエリアをバリアフリーにすることを目的としています。法案の中には、Canadian Accessibility Standards Development Organization(CASDO)という、アクセシビリティ基準の検討や提案を担う組織を作ることなどが含まれています。また、組織がこの法律に従っておらず、身体的、心理的、あるいは金銭的被害を受けた場合は個人がそれを届け出ることもできるようになるとのことです。セッションでは参加者の方が、これまではこのような届けを出すことができなかったといったコメントをされていました。この法案が通過すれば、よりアクセシブルな世の中になることが期待できます。

この法案はまだ通過されておらず、2019年10月21日ごろに実施予定の連邦選挙の結果によっては状況が変わる可能性があります。そのため、連邦選挙よりも前にこの法案が通ることを期待しているとDavid MacDonaldさんは話していました。

現在提案されているAccessible Canada Act Bill C-81の内容は、Government Bill (House of Commons) C-81 (42-1) - First Reading - Accessible Canada Act - Parliament of Canadaから読むことができます。

最後に

初めて参加したCSUNでしたが、12日から15日まで、あっという間でした。さまざまなセッションを聞いたり、普段なかなかお会いできない方々と直接お話しする機会を得られたりと、とても充実した4日間でした。今回得た気づきや学びを今後に活かしていきたいと思います。

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