How Cats Took Over the Internet「猫はいかにインターネットを支配したか」

映像プロデューサー 田中

ボストンで開催されているInbound2015に参加した後、NY、クイーンズにある映像の博物館、Museum of the Moving Imageに行ってきました。有名な映画スタジオ、Kaufman Astoria Studiosのすぐそばにあります。マンハッタンからは電車で約10分ほどの距離ですが、ずいぶん郊外まで来たかのような静けさがあります。

この博物館では、スクリーンの向こう側はどうなっているのか、映像を巡る歴史や技術の発展を紹介しています。特殊メイクのコーナーや、撮影機材の展示、ポストプロダクションの紹介、映像のインスタレーションに至るまで、バラエティ豊かな内容です。
その中で、私自身が一番興味を惹かれたのは、期間限定の展示、How Cats Took Over the Internet「猫はいかにインターネットを支配したか」でした。

今やインターネット上には、猫の画像や動画があふれかえっています。それだけ猫の魅力に取り付かれた人が多くいるということです。他の動物よりも猫の人気が高いのです。この展示では、写真や、ビデオ、GIF画像を通して、1995年から現在に至る20年ものインターネット上における「猫コンテンツ」生成の歴史を辿っています。

初期のインターネットでは、オンライン上のコミュニティ(ソーシャルメディアの前形)で、さまざまなユーザーが猫に対する愛を、まるで我が子に対する愛を語るかのように語っていました。こういったコンテンツは、プロが作成したものもありますが、その多くは、一般のユーザーが投稿したものです。

広告でいうところの3Bの法則は、美人(Beauty)、赤ちゃん(Baby)、動物(Beast)を使うというものですが、猫はまさしくこのBeastにあたるわけです。猫の愛くるしい仕草に、「思わず」いいねと押す、映像においてもシェアされやすいコンテンツにするためには、その「思わず」に留意する必要があると思います。