2018年に開催される国際的UX系イベント ~UXPA2018~

UXエバンジェリスト 金山

2018年に開催されるUX系・デザイン系のイベントが「The Best UX & Design Conferences to Attend in 2018」で紹介されています。古くは歴史あるアカデミックなイベント、最近では、Enterprise UXのように特定分野でのUXイベントやUX Riga(ラトビア)などの地域名を冠したイベントも増え、対象領域や開催地域が多岐に亘ってきている印象です。

今回ご紹介するイベントは、UX専門家の国際団体であるUXPA(User Experience Professionals Association)が主催するUXPA 2018 International Conference(以降、UXPA2018)です。UXPA2018は、2018年6月26日から28日の3日間、米国自治領のプエルトリコで開催されます。ハリケーンの被害を受けたプエルトリコですが、徐々に復興が進んでいるようです。

UXPAの特徴は、ビジネス現場のUX実務者が多く集まっていることです。イベントは、初学者向けのチュートリアルから実践者がノウハウを共有し合うプレゼンテーションや新しいアイデアを紹介するポスター発表が中心です。イベント会場でエントリーできる飛入り発表枠も用意されています。展示ブースではUX実務者向けの製品・サービスを体感でき、書籍ブースでは最新のUX関連書籍が大量に陳列されるので目移りしてしまいます。時には著者が発表していたり、一参加者として質問したりしている場面にも出くわします。

掲示板には求人広告や個人のレジュメが掲載され、仕事やビジネスを探す場でもあります。休憩時間はたっぷり設けられ、コーヒーとスイーツを片手に参加者同士の交流が活発です。始めて参加した人には特別なリボンが配布されるので他の参加者と話し始めるきっかけになります。オープニングレセプションや見学ツアーが行われるなど、イベント全体を通してアットホームな雰囲気です。異国の地で参加者との親睦を深めながら、海外のUX実践状況を知り、UX実務家とのネットワークを広げるよいチャンスです。

UXPAイベントから見るUX業界のトレンド

UXPA2018の詳細は未公開なので、2015年から過去10年の開催テーマの変遷を追うことで、UX業界でのトレンドを振り返ってみたいと思います。

手法を取り上げた時期

  • 2006年 「Usability Through Storytelling」
  • 2007年 「Patterns: Blueprints for Usability」

多面性や生活などへの広がりをみせた時期

  • 2008年 「The Many Faces of User Experience」
  • 2009年 「Bringing Usability to Life」

文化の多様性や社会的つながりを意識した時期

  • 2010年 「Embracing Cultural Diversity」
  • 2011年 「Designing for Social Change」

UXよりももっと広く抽象的な概念をテーマに設定した時期

  • 2012年 「Leadership」
  • 2013年 「Collaboration」
  • 2014年 「Motivation」
  • 2015年 「Simplicity」

このようにテーマを振り返ってみると、UXの考え方や取り組みが世界的にも領域的にも広がってきており、人に関する本質的な概念に帰着していることがうかがい知れます。ここ2,3年、全体テーマが設定されていないのは、間口を狭めず最先端の話題を扱うための配慮なのかも知れません。

UXPA2018に関する最新情報を得るには

UXPA2018の発表者は既に募集を終了しており、プログラム編成中です。年明けには詳細スケジュールが公開され、イベントへの早期申し込みも始まります。ご興味を持たれた方は、UXPAFacebookページTwitterアカウントをフォローして最新情報を入手し、参加を検討されてはいかがでしょうか。