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コンタクトポイント:ブランド価値を高めるWebサイトという顧客接点

2004年8月6日

プランニンググループ プランナー
棚橋 弘季

ブランディングの分野でいま、コンタクトポイントという考え方が取り沙汰されています。顧客のブランドに対する経験価値(エクスペリエンス)を重んじる考え方の中で、顧客がブランドに接するあらゆる瞬間に焦点を当て、各コンタクトポイントでブランドとして一貫性のある価値提供を行おうとする戦略です。コンタクトポイント戦略に関しては、ダイヤモンド社からも『ブランド価値を高めるコンタクト・ポイント戦略』(スコット M.デイビス、マイケル・ダン著)という本が出ています。今回はこのコンタクトポイントという考え方を紹介しながら、ブランディングにおけるWebサイトの果たす役割について考えてみたいと思います。

コンタクトポイントとは

コンタクトポイントとは、「ブランドが顧客などのステークホルダーと相互作用を行い、ステークホルダーに何らかの印象を残すすべてのケースが当てはまる」(前掲書)という定義において、スカンジナビア航空元CEOのヤン・カールソンが掲げた「真実の瞬間」を思い起こさせます。

ヤン・カールソンは、顧客と直接接する最前線の従業員が行う最初の15秒の接客態度が、その航空会社の印象を決めるとして、スカンジナビア航空に成功をもたらしました。コンタクトポイントはさらにそれを拡張して、従業員だけでなく、製品、広告、クチコミ、Webサイトなど、顧客がブランドに接するありとあらゆるものを含みます。この考え方の根底にあるのは、ブランド価値とは顧客とのコミュニケーション、リレーションシップによって生まれるものだということです。

4つのコンタクトポイント

スコット M.デイビス、マイケル・ダンは、前掲書で、コンタクトポイントを4つに分類しています。

  1. 購買前コンタクトポイント
  2. 購買時コンタクトポイント
  3. 購買後コンタクトポイント
  4. 影響コンタクトポイント

これを図にすると、以下のようなものになります。

4つのコンタクトポイントを評価する際には、それぞれ顧客の立場に立って考える必要があります。例えば、購買前コンタクトポイントについて考える際には、AIDMAの法則が役に立つでしょう。「検討対象となる各種のブランドを知る」→「ブランドの約束・特徴をよく知る」→「一部のブランドに重要な結びつきを感じる」→「少数のブランドに確信を持つ」といった具合で、顧客の購買前の行動、目標を最後のA(アクション)までのA→I→D→Mの順で理解し、必要なコンタクトポイントを整備することが必要になるでしょう。

Webサイトは、ブランドにとって重要なコンタクトポイント

購買前コンタクトポイントという点では、Webサイトは非常に有効な顧客接点です。Web戦略においては、SEO対策によってターゲットユーザーが求める情報にアクセスしてもらい、そこから、さらに適切な情報への誘導をはかることで、ユーザーを知らず知らずのうちにブランドの世界に誘い込む。ユーザーは自分が欲しい情報を探していただけなのに、いつの間にか、Webサイトによってブランドの世界を経験してしまう。そんな風にユーザーを自然とブランドの世界に触れさせ、ブランドの世界を経験してもらうWebサイトの構築をお考えの方には、ぜひ弊社のSEO対策とユーザビリティ設計を融合させた「マトリックスWeb構築サービス」をご利用いただければと思います。

コーポレートブランドの価値向上のためにはCSRコンテンツが必要に

Webサイトでのユーザー経験を通じて、ブランド価値を高めることを考える際には、単に製品・サービスまわりの情報や機能の充実をはかるだけでは十分とはいえません。特にWebサイトがコーポレートサイトの役割を担っている場合、コーポレートブランディングの視点では、これまで以上にCSR(企業の社会的責任)活動に関するコンテンツの重要度が増してくることが考えられます。

企業への信頼はいまや重要なブランド評価基準となっています。CSRという言葉の認知自体はまだまだそれほど高いとはいえませんが、企業のCSR活動に対する社会のニーズは確実に高まっています。今後はますます、社会の人々から社会的責任を果たしていないと思われる企業やその企業ブランドへの風当たりは強くなってくるでしょう。そうした意味で、ブランドの価値を生み出す基盤である企業が、Webコンテンツという公共に開かれた場で、社会に対する姿勢を表明することは、企業価値=コーポレートブランド価値を高める上で非常に有効な手段です。

また、同様に、前回のコラム(「知的資本とバランススコアカード」)でも紹介させていただいたような、自社の知的資本をWebコンテンツとして掲載することも、コーポレートブランドの価値を高める意味ではますます有効な手段となってくるでしょう。ユーザーはブランドに対し、製品やサービスという結果だけでなく、それが生み出される背景(知的資本)もそれがきちんと公開されていればブランドの価値として経験し、ますますブランドに夢を見るようになります。

いずれにせよ、ブランディングという視点、顧客経験価値を高めるコンタクトポイントという視点で考えると、Webサイトにはまだまだ可能性が秘められているはずです。ぜひ、皆さんもそうした視点で自社のWebサイトをあらためてご覧になってはいかがでしょうか。