2004年11月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
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内部監査を実施
- ISO9001
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品質勉強会を実施
- ISO10002
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勉強会の実施
- BS7799
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社内ネットワークシステム変更の着手
- JIS Q 15001
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JIS Q 15001文書の見直し
- ECS2000
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緊急事態対応訓練を実施
- OHSAS18001
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フロア危険箇所チェックを実施
ISO14001(環境マネジメントシステム)
11月におこなった大きいイベントとして、内部監査の実施が挙げられます。4月に立てた年間計画の中で、本年度は2回の監査を実施することになっています。前回は2004年7月に行いましたが、今回は本年度最後の監査になります。
今回の内部監査では、主に下記の4点を重点的にチェックしています。
- 前回の監査での指摘内容が効果的に是正をされ、クローズアウトされているか。
- 前回の監査以降のマネジメントシステムの変更点が、各フロアでどの程度浸透をしているか。
- 規格の要求事項だけにとらわれず、組織独自の取り決めや手順がどの程度現場に取り入れられ、効果的に機能しているか。
- 経営層による見直しからのアウトプットがどの程度システムに反映されているか。
監査結果のまとめは12月になりそうですが、内部監査からのアウトプットはシステムの改善のきっかけとして非常に大きい要素ですので、12月は監査結果に対して精力的に取り組みたいと思っています。
また、11月15日にISO14001の2004年版が改訂・発行されました。日本語訳であるJIS版は12月27日発行になるようです。改訂の趣旨としては以下の2点になります。
- 要求事項の意図がより明瞭になった。
- ISO9001:2000との両立性が向上した。
現在、ISO14001の取得企業は1996年版で認証を取得していますが、今後、認証を維持するためには2004年度版での移行審査を受けることが必要になります。これに合わせ、弊社も移行準備を徐々に進めていく予定です。
12月の予定
- 内部監査結果への対応
ISO9001(品質マネジメントシステム)
11月は統合マネジメントシステムへの移行と現場への教育をおこない、既存のルール確認と新しい取り組みの紹介をおこないました。
まず、既存のルール確認では、素材管理の手順を周知しました。私が品質管理責任者になってから、素材トラブルは何度も経験し、そのたびに素材管理プロセスの微調整をおこなってきましたが、プロセスを変更するのにも限界があると悩んでいました。11月に、社内のある会議で私が素材管理プロセスの改善について提案したところ、「現在の素材フローを現場は十分理解しているのか」という質問を受けました。ISO9001の活動を振り返ってみても、手を尽くして現場に説明したとはとてもいえない状態でした。これがきっかけとなり、12月に考えていた勉強会を11月に前倒しし、現在説明が不十分な活動を周知させるところから始めることにしました。
新しい取り組みとしては、5S活動があります。5S活動とは「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(習慣化)」の5つの言葉の頭文字の「S」を取ったものです。使用したい物品がすぐに出せる、清潔に保たれている、組織としてこれらの活動が定着している、などの状態は、組織が提供する製品やサービスの品質を間接的に向上させることから、主に工場の環境改善のために使用される手法です。弊社では2年前にも5S活動にチャレンジしたことがあります。前回は活動を開始したものの、誰が何をおこなうべきなのかなどを明確にしなかったために失敗に終わりました。その点を見直し、整理・整頓・清掃などの具体的な実施のタイミング、実施責任者、実施確認の方法を定義しました。
12月の予定
- 文書の定期的な見直し
- 1月に実施される維持審査の対応準備
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
11月は苦情対応手順の変更点を重点項目としてバックオフィスが中心になり手順教育をおこないました。教育を実施する中でスタッフからの質問は、運営側とは違った視点や、「こちらの手順のほうが良いのではないか?」など積極的な提案がみられ大変有意義だったと感じています。寄せられた声は今後有効的に活用していきたいと思っています。
12月は内部監査が活動の中心になります。ISO10002:2004規格に対応後初めての監査となります。苦情対応プロセスの効果的、かつ効率的な運営のための大変重要な活動になりますので、どんな結果でも前向きに捉え、今後の改善に活用していきます。
12月の予定
- 内部監査指摘への対応
- 問い合わせフォームの構築
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
11月は、以前より計画していたセキュリティと利便性強化のための社内ネットワークシステムの変更に着手しました。
今月変更したシステムは、社内の基幹システムであるため、問題が発生するたびに作業を一次中断し、関係者間で協議をおこなうなど慎重に進めています。そのため、若干スケジュールに遅れも生じています。しかしながら、問題もある程度出つくした感もあり、12月の初めには変更が完了しそうです。
今回計画している社内ネットワークシステムの変更は、現在おこなっている変更だけではなく、社内全域の変更を予定しており、最終的には2月頃に完了する予定です。
12月の予定
- BS7799 Part 2 維持審査
- 社内ネットワークシステムの変更
- 事業継続計画の完成
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
11月は定期的な文書・記録の見直しの期間となっており、文書の見直しを実施しました。特に今回は来年4月1日より施行される個人情報保護法に対応するため、BS7799の文書類と連携をしながら改訂をすすめており、12月の第1週までに完了する見込みです。
また、今月は外部からの問い合わせもあり、その対応に追われました。社外のほとんどの企業でも個人情報保護法への対応が始まり、いよいよプライバシーマークを既に取得しているノウハウや強みなどを活かしていけると思うと、責任者としてもうれしい限りです。
12月の予定
- 文書の見直し
- 1月に実施予定の内部監査の準備
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
11月は緊急対応手順のテストを実施しました。「個人情報漏洩事故の発生」をテーマに弊社のJIS Q 15001の対応手順の妥当性をチェックしました。テストでは、倫理委員会メンバー、代表取締役、個人情報管理責任者、苦情対応責任者が会議室に集まり、事故発生から対応、解決までの手順を順番にレビューしていきました。当初は実際に作業現場で実施する計画でしたが、準備不足により事務局以外の従業員の参加は実現できませんでした。計画の変更はありましたが、ECS2000主導で実施した初のテストだったため、この流れを次につなげていきたいです。
テストの結果、事故発生時のフリーダイヤルの設置、緊急連絡先のマニュアルへの掲載など是正指示がいくつかでました。これについては個人情報管理責任者を中心に改善活動をおこなっています。次回テストのテーマは未定ですが、事務局以外の従業員も巻き込んでテストを行い、有意義な活動にしていきたいと考えています。
12月の予定
- 緊急事態対応訓練での是正指摘の進捗確認
- ECS2000を統合マネジメントシステムで運用開始
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
11月8日から11月11日にかけて、緊急事態の予防を実施しました。
今年度は、全フロアで危険箇所チェックをおこないました。初めての実施だったので、チェック項目をどうするのか、改善の要求はどのように出すのか、悩んだ部分も多くありました。けれど、労働安全衛生委員や各フロアのスタッフに協力してもらい、見過ごしていた危険箇所を見つけることができました。雨の日に滑りやすい箇所や階段の切れかけていた蛍光灯などが、その例です。改善箇所に対して、すでに対応を始めているものもあります。すべての改善を12月末までに終了する予定です。
その他、緊急事態対応手順書の修正を進めました。修正内容は2つあります。
1つは手順自体の見直しです。緊急事態テストにおいて、手順は妥当かを話し合い、改善案を作成しました。2つ目は手順の表現方法の改善です。10月の部門勉強会で出た「手順書がわかりづらい」という意見を反映して、文章ではなく図を使った内容に変更中です。12月中には修正を終え、全社に告知します。
弊社においてスタッフの健康に一番影響のある部分なので、11月は緊急事態の予防、手順改善にとことん取り組めてよかったと思います。12月は初めての内部監査が行われる予定です。どのような監査になるのか、今から不安であり、楽しみでもあります。
12月の予定
- 内部監査
- フロア危険箇所の改善完了
- 緊急事態手順書修正完了
- 心の健康のアンケート実施