2005年7月〜9月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
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本社移転に伴い手順書やマネジメントプログラムの見直しを実施
- ISO9001
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維持審査終了 教育の記録の維持についての指摘を受領
- ISO10002
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第三者意見書の発行と教育機会の増強、新スタッフの割り当てについて
- BS7799
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移転により物理的なセキュリティ対策が大幅に向上
- JIS Q 15001
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2年ぶりの更新審査で審査基準がより厳格になっていることを痛感
- ECS2000
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次回アンケート調査に向けての準備を実施
- OHSAS18001
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心理的ストレスについてのネガティブ回答が過去6ヵ月で約20%減少
ISO14001(環境マネジメントシステム)
8月1日に本社が新井薬師から西新宿に移りました。念願のワンフロア体制になり大幅に管理コストを削減できました。
今まではフロア単位でゴミの分別や帰宅時の照明や空調、紙の支給などを管理しなければなりませんでした。しかし、新拠点では事務局による集中管理が可能となり、環境保全の取り組みに必要な人員が1/3に減りました。
また、環境保全活動自体も簡素化されました。
例えばゴミの分別では、ビルの管理会社との連携によりゴミを小分けに出すことができるようになり、資源ゴミを一定量まで保管したり紐で縛ったりする必要がなくなりました。
空調もフロア単位で自動化され、消し忘れなど無駄な電力の消費がなくなりました。
このような移転に伴う手順や関連法規の変更から一連のマネジメントシステムを見直すという作業を8月中に行いました。
8月末にはISO14001:2004への移行審査を兼ねた維持審査がありました。マイナー指摘が1件。観察事項が3件という結果でした。マイナー指摘は「マネジメントレビューへのインプット項目の欠落」という指摘で、2004年度版の規格要求事項の変更に対応できていなかったというものでした。規格要求事項の変更をあまり熱心に勉強していなかったことが悔やまれます。その他観察事項も含め、改善につなげていきたいと考えています。
10月〜12月の予定
- 維持審査指摘事項の対応
- 勉強会
- 内部監査
ISO9001(品質マネジメントシステム)
今年度の目標である業務の効率化、人材育成のスピードアップ、納品物の品質向上についてはいくつかのプロジェクトが動き出しました。まだ仕込みの段階でめざましい効果を生んでいるわけではありませんが、これから徐々に効果が目に見えてくると思います。
8月の終わりにISO9001の維持審査がありました。マイナー指摘が1件、観察事項が4件という結果でした。マイナー指摘は「教育の記録の維持が手順どおりに行われていなかった」ということでした。単純に考えれば記録の維持方法を浸透するなり、方法を変えるという対応でよいかもしれませんが、「なぜ」を繰り返して根本的な原因を追究していくと問題はそう単純ではないことがわかりました。この問題は中長期的に改善していこうと考えています。
10月〜12月の予定
- 内部監査指摘事項の対応
- 維持審査指摘事項の対応
- 勉強会
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
苦情対応に関する国際規格としてISO10002:2004が発行されて1年が過ぎました。
8月には私たちの取り組みが規格に準拠しているか否か東京海上日動リスクコンサルティング様に検証いただき、その内容について第三者の立場から見解を表明していただきました。マネジメントシステムに取り組んでからさすがに4年の年月が経っていますので、規格要求事項に不足する点はなかったものの、やはり継続的に効果を維持し続けるためには「何よりスタッフの意識向上に努め、教育、啓発活動が不可欠である」というご意見をいただきました。教育の重要性については、苦情対応の視点だけではなく、全社的に取り組むべき重要項目となっており、2005年度からは毎週水曜日が全社セミナーの実施日となり、積極的に教育の機会が設けられました。製品に関するスキル、技術向上のきっかけとしてトラブルやクレームが存在することもあるので、情報の提供など連携をとっていきたいと思います。
また、苦情対応マネジメントシステムを効率よくかつ効果的に運用するにあたり、「誰が、誰を、何を、いつまでに、どこまで、するのか」という指示系統について大幅に見直し、新たなスタッフをメンバーとして迎えました。このメンバーは各グループを取りまとめる重要な役割を担うので、人選は慎重に行われました。
足元を強固に固めながらも一方では新たな意見を取り入れる柔軟性をもって効果的な運用を目指します。
10月〜12月の予定
- ISO10002:2004マネジメントシステム勉強会
- 内部監査指摘事項への対応
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
8月1日付で西新宿のオフィスに移転をしました。今まではビルの構造上、物理的な安全対策面でセキュリティ上解決しがたい問題がありました。しかし、今回移転したことにより、物理的なセキュリティ面では大幅にセキュアな環境になりました。この結果は、移転直後に実施したリスクの評価でも、物理的なセキュリティ強化の結果が数字でも現れていました。
また、8月中旬にはBS7799-2の維持審査が実施されました。結果としては、
- 是正処置要求(メジャー)
-
0件
- 是正処置要求(マイナー)
-
0件
- 観察事項
-
2件
という結果でした。
結果の内訳としては、「裏紙の再利用について、どのようなものが再利用可能か、リスクアセスメントを行い検討することが望ましい。」などのご指摘をいただきました。今後これらの指摘を踏まえ、社内の改善に役立てていきたいと思います。
10月〜12月の予定
- 内部監査の実施
- 定期勉強会の実施
- ネットワークインフラの改善
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
7月にプライバシーマークの更新審査があり、6件の指摘をいただきました。
その内訳は、「社外で発生した事故などを教訓に新聞報道等に対応してシステムの見直しを実施しているが、マニュアルへ反映されていない。」や「コンプライアンスプログラム(以下、CP)と規格の要求事項との合致の監査が実施されていない」などのご指摘をいただきました。現在これらの指摘に関して、CPと規格の要求事項の合致監査を実施するなど改善を進めております。
また、本社移転の結果、個人情報を多く扱う部署は個室での作業領域を確保するなど今までの拠点では実施できなかったセキュリティ施策を施すことが可能になりました。今後これらの施設を有効に利用し、より個人情報の保護へ努めていきたいと思います。
10月〜12月の予定
- 定期勉強会の実施
- ネットワークインフラの改善
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
ECS2000では従業員意識調査アンケート手順書に従い、「ECS2000アンケート集計」「ECS2000意識調査アンケート集計」を整備し、次回のアンケート調査実施に向けての準備を行いました。
また、ミツエーリンクス内でECS2000相談窓口番号を設けていますが、この窓口を社員にこれまでよりもさらに積極的に活用してもらうため、番号案内を全社員のデスクに設置し、利便性を向上させました。
今後は、スタッフへの勉強会実施、社内啓蒙活動を行いながら、さらにECS2000の浸透に力を入れていきたいと思っています。
10月〜12月の予定
- 定期勉強会の実施
- 社内啓蒙活動の実施
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
OHSAS18001の重要な活動として、心の健康アンケートの継続実施があります。データを収集して約1年が経ちますが、いくつかの点でミツエーリンクスの労働環境の特徴が顕著に現れてきました。例えば「やりがいがある仕事」「今の仕事は自分にあっている」などの現在の仕事に対する考え方については、約9割のスタッフがポジティブな回答をしており、それは毎月行うアンケートでも大きな変動はありません。
また心理的なストレスに関する項目についても非常にポジティブな回答が得られており、いくつか設問がある中で一定以上ネガティブな回答をしたスタッフの割合が過去6ヵ月で約20%減少しています。
反対に仕事の忙しさの点では全体の30〜40%前後のスタッフが何らかの負担を感じている、というアンケート結果となりました。労働安全衛生の活動の目的のひとつとして、スタッフの残業時間を減少させるという項目がありますので、今後も活動を通して目標を達成できるように努力していきたいと思っています。
同時に各部門のプログラム計測も進んでいます。各部門で心の健康と身体の健康に関する目標を設定し、達成できるようスタッフ全員で取り組んでいます。部門、目標によってはなかなか達成できていないものもあるので、今後は是正処置も行いつつ計測活動を進めていきます。またリスクアセスメントを9月に実施する予定でしたが、現在遅れております。早急に実行したいと考えています。
10月〜12月の予定
- 心の健康アンケートの継続
- 心の健康アンケートの集計結果全社報告
- 各部門プログラム計測
- リスクアセスメントの実施