2005年10月〜12月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
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裏紙の使用基準とグリーン購入・調達基準を改定
- ISO9001
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教育・訓練の強化とソースコードの標準化
- ISO10002
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外部講師を招き、苦情対応研修を実施
- BS7799
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社内PCの一括制御によりヒューマンエラーを排除
- JIS Q 15001
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コンプライアンスプログラムの定期勉強会を実施
- ECS2000
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社内向けに「ECS2000ニュース」の配信をスタート
- OHSAS18001
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風邪予防対策による効果 ミニパーティ開催
ISO14001(環境マネジメントシステム)
11月に裏紙の使用方法についての見直しを図りました。
きっかけは前回の維持審査時に審査員からいただいたオブザベーション指摘です。今までは極力紙の使用量を減らすという目的のため、社内資料は裏紙で出力するというルールで運用をしてきましたが、セキュリティという側面からは機密情報の漏洩リスクが少なからず残っていました。事業活動へのインパクトを総合的に判断した場合、機密漏洩リスクを削減したほうが経営的な効果が高いという結論にいたり、プリンターでは裏紙を使わないというルールに改定しました。とはいえ、紙の使用量削減も重要な活動ですので、今後新しいプリンターを購入する場合には再生紙の両面印刷が可能なモデルを導入していく計画です。
12月にグリーン購入の基準を見直しました。今までグリーン購入の割合を算出する場合、購入したすべての物品の費用を対象にしていましたが、物品のなかにはグリーン製品の選択肢がないものが6割以上ありました。そのため、購買担当者の地道な商品選定の努力が目標達成結果に現れにくくなってしまい担当者のやりがいに結びつきませんでした。そこで、グリーン製品の選択肢があるものだけを評価の対象に変更し、定期的にグリーン製品の対象を見直すことにしました。その結果、グリーン購入の割合は9割を超えるまでになり、目標値の再設定を行っています。
1月〜3月の予定
- 維持審査
- 勉強会
- 内部監査
- 経営層による見直し
ISO9001(品質マネジメントシステム)
弊社の制作物の品質を維持、向上するためには人材の育成がカギを握っています。そこで、昨年9月に「週間テックセミナー」という社内セミナーをスタートしました。Web制作やマーケティング、ユーザビリティなどテーマは多岐にわたり、毎週1回、1時間程度のセミナーを開いています。講師はテーマによって社内のスペシャリストが担当することもあれば、社外からお招きすることもあります。毎回20人〜30人の参加者を集め、OJTでは得がたい知識が得られるとスタッフからは好評です。
次に、制作担当者が(X)HTMLを制作する際に、文法の適切性を自己検品できるツールを導入しました。最終的にはソースコードの品質を標準化された段階まで引き上げることが目標ですが、まずは自己チェックツールを導入し各自に自分の(X)HTML記述スキルの癖、正しい記述とのギャップに気づいてもらい、主体的に改善を進めてもらうことから進めています。
1月〜3月の予定
- 内部監査の実施
- 勉強会
- 継続審査
- 経営層による見直し
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
2005年8月に実施した第三者監査では「苦情対応活動の継続的な効果維持のためにはスタッフの意識向上、運営する側の啓発活動が不可欠」であるというご意見を監査指摘とは別にいただき、より効果的な運営を目指し、年間教育計画の中に外部講師を招いての研修を盛り込みました。昨年の苦情対応に関する研修は主に「決められた手順」の遵守がされているかどうかということについて実施いたしました。意識向上を目的とした自覚教育(外部講師)はマネジメントシステム導入時以降実施していないこと、またその間に新たなスタッフが増えていることにより、改めて教育の場を持つことが必要だと判断いたしました。
講師には経済産業省ISO10002規格原案作成委員会の主要メンバーとして活動され、また弊社でコンサルティングを担当していただいている東京海上日動リスクコンサルティング株式会社の下島氏をお招きし下記の4点を主な内容として実施しました。
- 苦情とは何か?
- 問題のある苦情対応とは(ケーススタディ)
- ISO10002とは
- ミツエーリンクスの取り組み
実施後のアンケートでは、「ケーススタディが有意義だった」という回答が多かったため、今後はより実践的なクレーム対応研修を行い、意識向上と共に対応力アップにもつながるような教育機会の場を提供していけるよう努めてまいりたいと思います。
1月〜3月の予定
- パフォーマンス評価
- 経営層による見直し
- 2006年度計画の策定
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
10月〜12月にかけて、社内にあるすべてのPCを一括で制御できるように社内ネットワークシステムの改善を行いました。今回の改善により今まで手動での作業に頼っていた「パスワードの変更」や「パスワード付きのスクリーンセーバの設定」などの、「忘れていた」や「設定ミス」のようなヒューマンエラー対策がなくなり、社内全体のセキュリティが向上しました。他にも、拠点間の通信を見直し、よりセキュアな通信環境を構築しました。
12月には、BS7799の教育を実施しました。既に弊社がBS7799を取得し5年が経過したことにより、既に何度も教育を受けてきたスタッフへ同じ内容の教育を繰り返す無駄や、スタッフ数の大幅な増加に伴い今までの方法では無理がでてきました。そこで今回は、全スタッフを対象にBS7799を遵守することの意義や日常的な手順などをまとめたテストを実施し、不合格者には勉強会を実施する方法に変更しました。これにより効率的な教育を実施できるようになりました。
当サイト内にも掲載されましたが、「オフショア サービス」がリリースされました。このサービスがリリースされたことにより、今後社内ネットワークに顧客企業担当者様や協力会社スタッフがアクセスすることになります。既に物理的な対策などは検討が完了し、既に実施へ向けて動き始めております。しかし、ネットワーク的な部分では、セキュリティを優先させているため、業務への支障に関しての懸念がでております。今後サービスの運用とともに、セキュリティと業務のバランスを取りながら、いかにして強固なセキュアを確保できるかという部分が、今後の検討課題となっております。
1月〜3月の予定
- 内部監査の実施
- 維持審査
- ネットワークシステム運用面の見直し
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
12月にJIS Q 15001の定期勉強会を実施いたしました。今回の勉強会では、上半期で変更したフローなどが現場レベルで、浸透されているかの度合いを図る良い機会になりました。結果として、まだまだ浸透を図っていかなければならないと再認識しました。これは今までPマークの運用が個人情報の漏洩対策という部分に重点を置き運用してきた結果、社外への漏洩対策ばかりが強化され、運用面の改善が遅れがでてきてしまいました。もちろん漏洩対策は、最初に取り組まなくてはならない課題のひとつですが、それだけでは個人情報の管理はできません。今後は、「個人情報の保護」という面だけではなく、ISO9001と連動する形で「適切な利用」という面でも積極的な改善を行っていきたいと思います。
また、前回維持審査で指摘された「コンプライアンスプログラム(以下、CP)と規格の要求事項との合致の監査が実施されていない」の点に関して、見直しを実施しました。現在、見直しをした結果を踏まえて、内部監査を実施する準備を進めており、1月〜3月の間でこれらの内部監査を実施したいと思います。
1月〜3月の予定
- 内部監査の実施
- 手順の徹底・改善
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
社内啓蒙活動の一環として、社内向けに「ECS2000ニュース」の配信を開始いたしました。このニュースは、実際に社会で起きている事件や事例を引用し、ECS2000の規格について分かりやすく社内で共有していくことが目的です。一般スタッフにとって、規格そのものは身近なものではないかもしれませんが、事例に関連付けて説明することによって、自分の業務に当てはめて考えることができるなど、倫理法令遵守の考え方について効果的に社内浸透を図ることができると思います。今後は定期的にECS2000ニュースを配信し、社内啓蒙活動を進めていきたいと思います。
1月〜3月の予定
- 社内啓蒙活動の継続実施
- 2006年度目標の制定
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
ワンフロア体制になったことにより、業務効率化、管理コストの削減など多くのメリットがありました。しかし、大勢のスタッフが集まっていることから風邪が蔓延しやすいというデメリットがあります。
2004年は風邪予防のため、うがい薬の配布、加湿器の設置を始めました。加えて、2005年はさらに対策を強化し、紙マスクも配布しています。風邪をひいてしまったスタッフはもちろん、風邪を予防したいスタッフが気軽にマスクを利用できるため、好評を得ています。何より対策を行ってから、月間病欠者数が3割減少し、大きな効果を得られました。
11月は心の健康アンケート結果全社報告を行いました。この半期で大きく変化があった項目として、「職場の作業環境」があります。8月の移転に伴い、職場環境に不満を感じるスタッフが28%から16%に減少しました。ワンフロアになったことにより作業効率が上がったこと、フロアの美化等によりスタッフの満足度が上がったことが要因と考えられます。
また、10月に精神的ストレスが9%、身体的ストレスが7%急上昇しました。これは繁忙期による仕事の負荷増大ではなく、持続的な忙しさが原因と考えられます。その対策として、仕事以外のコミュニケーションや息抜きを提供する環境として、12月から毎週水曜日、定時後セミナールームでドリンクと軽食を用意して、ミニパーティを始めました。毎回20〜30人が参加しており、今後も多くのスタッフが参加し、息抜きや他部署との交流に利用してもらえればと思います。
1月〜3月の予定
- 経営層の見直し
- 心の健康アンケートの継続
- 各部門プログラム計測
- リスクアセスメントの実施