続・企業サイトの発信力を高める「ヘッドレスCMS」入門(2025年11月18日開催)
2025年11月18日、「続・企業サイトの発信力を高める『ヘッドレスCMS』入門」をオンラインで開催しました。
本セミナーは、2025年9月に開催した、CMSの導入・リプレイスやサイトリニューアルを検討するWeb担当者の方を対象とした「企業サイトの発信力を高める「ヘッドレスCMS」入門」の続編です。前回のセミナー内容を踏まえた「実践入門編」として、ヘッドレスCMSを取り巻く構成要素やそれらの有機的なつながり、運用の実際を掘り下げ、選定・導入判断に役立つ具体的な情報や事例を紹介しました。

榛葉と加藤の講演の様子
はじめに、前回のセミナーのおさらいとして、ヘッドレスCMSの基本を解説しました。
企業サイトには、以下3つの課題があります。
- セキュリティ
- ページ表示のパフォーマンス
- 限られた体制でも持続可能な運営
これらの課題を解決する手段として、コンテンツ管理と表示部分を分離したヘッドレスCMSが注目を集めています。コンテンツをデータベースで管理し、それをデザインテンプレートに流し込んでページを生成する仕組みのため、コンテンツとデザインを別々に扱える点が特徴です。こうした構造により、一つのコンテンツで複数のWebページを作成でき、保守や再利用も効率的になることを紹介しました。
次に、ヘッドレスCMSの配信の仕組みについて説明しました。
ヘッドレスCMSは単体ではページ生成や配信を行わず、以下のサービスを組み合わせて運用します。
- 静的ホスティング:高速で安定した配信
- 静的サイトジェネレーター:効率的なページ生成
- Gitホスティング:コード管理と自動更新
これらを連携することで、安全かつ効率的にWebサイトを公開できる仕組みです。セミナーでは、具体例として、コンテンツ管理に microCMS、高速で安定した配信には Cloudflare、ソースコード管理と自動更新には GitHub を活用する構成を紹介しました。
最後に、ヘッドレスCMSの運用では、コンテンツ作成、デザイン更新、ホスティングの3つの業務に加え、システム全体の監視が重要と強調しました。CMS単体で完結せず、microCMS、Cloudflare、GitHubといった複数のクラウドサービスを組み合わせるため、各サービスが正常に動作しているかを監視する必要があります。障害検知や通知の仕組み(例:New Relic)を導入し、見えにくい障害をいち早く発見することで、安定した顧客体験を維持することが重要だと主張しセミナーを締めくくりました。
X-tech推進本部 副本部長 加藤、テクノロジーアンバサダー 榛葉からのコメント
セミナーをご視聴いただき、誠にありがとうございました。今回の「ヘッドレスCMS入門セミナー 第2弾」では、ヘッドレスCMSのしくみと、それが前提とする企業サイト運営の業務モデルについて深掘りしました。特に、microCMS、Cloudflare、GitHub を組み合わせた実践的な構成例を紹介し、運用効率とセキュリティを両立する方法を解説しました。技術的な話題も多かったと思いますが、アンケートでは「わかりやすかった」との評価をいただき、安心しました。皆さまの理解促進や今後の取り組みの参考になれば幸いです。
当日お答えした質問以外に、アンケートで追加の質問をいただきました。この場を借りて回答します。
ご質問への回答
通常のCMSと比較して費用感(イニシャル、ランニング)はどうか?
初期構築から保守・運用コストを含めたライフサイクル全体では、WordPressのようなオープンソース製品をサーバー環境にインストールして利用する場合よりも、ヘッドレスCMSのほうが相対的にコストメリットが高いと考えています。たとえば「microCMS」はSaaS型クラウドサービスとして提供され、保守やセキュリティ対応はベンダーが担います。一方、WordPressのような従来型CMSでは、サーバー管理やCMSバージョンアップ、プラグイン更新、動作検証などが発生し、その分、運用負荷とコストが増えます。もちろん、実際はケースバイケースです。ROI試算に必要な情報があれば、お気軽にご相談ください。
デザイン性の高いコンテンツはヘッドレスでも実現できる?
はい、ブランドサイトなど高いデザイン性が求められるWebサイトでも、ヘッドレスCMSの活用は広がっています。ヘッドレスCMSはコンテンツ管理に特化し、デザイン表現には制約を設けません。フロントエンド技術を自由に選べるため、むしろ柔軟な表現が可能です。ぜひ以下の事例もご覧ください。
microCMSと、よく組み合わせて使われるWebフレームワークAstroの事例です。デザイン表現の幅をご確認いただけるかと思います。
今後も皆さまのWebサイト運営に役立つ情報をお届けしてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
アンケートにお寄せいただいたコメント(一部)
- リニューアルプロジェクトに際し、参考にしたい内容であった。