Responsive Web Design 第二版

エグゼクティブ・フェロー 木達

A Book Apartより、書籍『Responsive Web Design』第二版が発売されたので、買ってみました(初版を買っていたので、2割引で手に入れることができました)。初版は3年前の2011年に発売され、世にレスポンシブWebデザインが広まる契機の一つとなりましたが、その後のトレンドを踏まえての改版のようです。

イントロダクションのなかで、著者のEthan Marcotte氏曰くフレキシブルなグリッド、表示サイズの流動的な画像、メディアクエリーの三つがレスポンシブWebデザインの主要な要素であることに変わりはなく、それゆえに本書の構成も変化していないながらも、全体を通じさまざまな更新(図版のアップデート、リンクの修正など)を加えているとのこと。PDF形式では150ページほどのボリュームで、章立ては以下の通り。

  • 第1章 Our Responsive Web
  • 第2章 The Flexible Grid
  • 第3章 Flexible Images
  • 第4章 Media Queries
  • 第5章 Becoming Responsive

そして第二版の発売を記念し、編集責任者のSara Wachter-Boettcher氏がMarcotte氏にインタビューした記事が、A List Apartに掲載されていました(The Only Constant is Change: A Q&A with Ethan Marcotte)。インタビューにおいて、「モバイル」「タブレット」「デスクトップ」といった言葉の持つ疑わしさに言及されていたのが印象的でありました。

初版を執筆した当時と比べ、レスポンシブWebデザインが「モバイル」向けのデザインとしての意義を失っているというのは、Marcotte氏の仰る通りだと思います。似たようなことは、私も過去にコラム『「モバイルファースト」終わりの始まり』で書いていますが......レスポンシブWebデザインが、アクセス手段の多様化した現代において受け入れられているのは、特定のデバイスに依存しないという理念ゆえなのでしょう。そしてその理念に対する必要性なり重要性の高まりが、第二版の発売に至った背景にあるように思われます。