2007年7月13日 内部監査に求められるもの

経営監査室
野口 由美子

昨年9月、当社に内部監査部門が新設されました。内部監査人としてまだ試行錯誤の中ですが、自分で確認する意味も含め、内部監査に求められるものとは何か、考えてみたいと思います。

今年2月に企業会計審議会から出された「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」の中で内部統制の目的が4つ定義されています。それは、「会社」に求められるもの、ということもできるでしょうが、試しにそれを「内部監査」に置き換えてみました。

内部統制の目的=会社に求められるもの 内部監査に求められるもの
1.業務の有効性及び効率性 1.監査の有効性及び効率性
2.財務報告の信頼性 2.監査報告の信頼性
3.事業活動に関わる法令等の遵守 3.法令等の要求事項への対応
4.資産の保全 4.ノウハウの蓄積

1.監査の有効性及び効率性

(1) 監査の有効性

IIA(The Institute of Internal Auditors, Inc.)の「内部監査の専門職的実施の国際基準」によれば、監査活動はアシュアランス活動であり、コンサルティング活動であるとのことです。つまり評価だけではなく、不備・欠陥があった場合の是正確認はもちろんのこと、具体的提案により業務の改善を生みだす機能でなければなりません。

(2) 監査の効率性

リスク評価にもとづく絞り込みと重みづけが、効率的で妥当性が高いと考えます。

2.監査報告の信頼性

ひとつには監査基準、監査手法を標準化し、監査の品質を一定に保つ(長期的には継続的改善が必要でしょうが)ということが考えられます。そして、もうひとつはアカウンタビリティを確保することではないでしょうか。つまり報告内容について明確に根拠を提示できるということです。また、監査活動全体の信頼性についても、なぜその部門に実施するのか、なぜそのテーマなのか、なぜその時期なのかなど、決定プロセスの標準化とアカウンタビリティが重要だと考えます。

3.法令等の要求事項への対応

現在、当社では会社法と金融商品取引法に準拠した形での内部統制システムの構築を進めており、内部監査はそのモニタリング機能としての役割を果たさなければなりません。前出のとおり、内部統制の目的は「業務の有効性及び効率性」、「財務報告の信頼性」、「事業活動に関わる法令等の遵守」、「資産の保全」の4つであり、会社法でいう内部統制はこれらすべてが対象となりますが、金融商品取引法で要求するのはそのうち「財務報告の信頼性」が主となります。ただし、「財務報告の信頼性」についての金融商品取引法の要求事項は多岐にわたります。また、同じ「財務報告の信頼性」でも、金融商品取引法は極端に言えば粉飾決算防止が目的であり、会社法はそれに限らず、監査の着眼点や力点が異なってくると思われます。限られた監査資源の中でこれらをバランスよく効率的に網羅する必要があります。

4.ノウハウの蓄積

業種、規模、組織体制、ITの利用状況、社風などに応じて、その会社に合った内部監査の形は千差万別だと思います。外部の情報を利用しながらも、試行錯誤の中から会社独自のノウハウを蓄積し、ミツエーリンクスにとって最適な内部監査へと一歩ずつ近づいていければと思います。

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