2008年3月7日 品質について考える

ミツエーコミュニケーション ディレクター
田口 公章
(ITコーディネータ資格保有者)

スキルアップセミナーの取り組み

当社には、従業員が自発的に学べる場として「スキルアップセミナー」という取り組みがあります。有志が集まって自由にテーマを選び、セミナールーム等の社内設備を使って自己研鑽に励む場です。2008年2月、この「スキルアップセミナー」の枠を利用して、「ディレクターのためのプロジェクトマネジメント講座」という勉強会を実施しました。毎週金曜日の連続5回シリーズで、講師は私です。近年、Webを使ったビジネスが拡大し、お客様の当社に対する期待が大きくなっている状況があります。この状況の中、私たちがお客様によりよい品質を提供し続けるために、あらためてプロジェクトマネジメント分野の強化・底上げをする必要があると感じ、このテーマを選びました。セミナーには30名近くの意欲的なスタッフが集まり、手応えのある有意義な勉強会になりました。

私たちの提供する「品質」とは何か

このセミナーの中で「品質」について考える機会がありました。私たちがお客様へ提供する「品質」とは、一体何を指すのでしょうか。Web標準に準拠し、ユーザビリティ、アクセシビリティを高いレベルで実現し、感動的なビジュアルデザインを実装したWebサイト、でしょうか。私たちの作り上げる納品物がこうした要求を満たしているのは当然のことです。しかし私は、お客様に提供できる「品質」はそれだけではないと考えています。Webサイトそのものは「デザイナー」「マークアップエンジニア」「品質保証チーム」といったクリエイティブスタッフの力によるところが大きいのですが、私たちディレクター(あるいは営業担当)が作り出す品質、というものも見逃すことができません。それは、お客様との「コミュニケーションそのもの」です。コミュニケーション品質の大切さは、高級ホテルや旅館、高級車ディーラーの接客という例を引くまでもなく賛同を得られるところでしょう。納品物そのものの品質と、それを作り上げる過程のコミュニケーション品質、このどちらが欠けても、顧客満足を最大化することは難しいでしょう。

ディレクターの作り出す品質

私たちWebディレクターの役割は、「戦略的なWeb活用」を具体的な形にすることです。お客様からの与件、現状に対する課題認識、競合も含めた市場動向……。
こうした点と点を繋いで一本の線にする力が、Webディレクターに求められています。お客様の期待以上の価値を具体的な形にして提供するには、初期ヒアリングからプロジェクト定義、設計、原稿制作、作り込みから納品に至るまでの密なコミュニケーションが欠かせません。このコミュニケーションこそが、ディレクターの提供すべき品質なのです。高品質なコミュニケーションは、自然発生的に生まれるものではありません。計画が必要ですし、普段からの訓練の上にこそ成り立つ「スキル」だといえるでしょう。コミュニケーションを設計する行為は、プロジェクトマネジメントそのものです。ディレクターが提供する品質とはコミュニケーションそのものであり、それを支えるのは「プロジェクト・デザイン」のスキルです。だからこそ、冒頭の「スキルアップセミナー」のような取り組みが重要になってくるのです。「スキル」は「才能」とは違い、訓練すればするほど上達するものですから。

コミュニケーションの品質

コミュニケーションの品質といっても、特別なことではありません。それは例えば「約束を守ること」だったり、「もてなしの心」だったりします。このごく当たり前のことを当たり前に提供すること。これが私たちの目指すべきひとつの到達点でしょう。ただしコミュニケーションは一方通行ではうまくゆきません。たとえば茶の湯の作法を見ると、もてなす側ともてなされる側、双方にやるべきことがあります。一方通行ではなく双方向のコミュニケーションを実現するためには、お互いを尊重しあえる関係を築き上げる必要があります。こうして突き詰めてゆくと、「プロジェクト・デザイン」スキルの向上は、「人間力」の向上につながってゆくような気がします。顧客満足を得るための「人間力」。それが、ミツエーリンクスの目指す品質なのかもしれません。

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