2013年9月13日 マルチスクリーン・デザインの標準提供開始について

取締役
木達 一仁

私が講師を担当しておりますマルチデバイス対応 解説セミナーは、ご好評をいただき本日までに2回を開催しました。3回目となる9月26日の回については、現在参加者を募集しています。初回を開催した9月6日、当社は「マルチスクリーン・デザインの標準提供開始について」というニュースをリリースしています。既にお読みくださった方もいらっしゃるかと思いますが、本コラムでは同リリースの背景や趣旨について、お話させていただこうと思います。

社内標準化と標準提供という二重螺旋

Webのデザインにおいては、表現に用いる技術やテクニックに多少の流行り廃りはあれど、その基礎・基盤にある考え方は、あまり変化していません。当社では、そうしたWebの根幹を成す部分につき積極的に社内標準化をし、また顧客に向け標準提供してきました。Web標準への準拠(テーブルレイアウトからCSSレイアウトへの移行)や、Webアクセシビリティの標準提供(ニュースリリース「ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン (WCAG) 2.0への標準対応の開始について」参照)は、その代表例です。

社内標準化と顧客への標準提供は相互補完の関係にあり、また視覚的に例えるならば、DNAの二重螺旋のように私は捉えています。一定のレベルで社内標準化が達成できて初めて顧客への標準提供が可能となり、またそれによって更なる研鑽を積むことで、標準化のレベルを一層引き上げることができます。標準化のレベルの引き上げとは、同じ品質の成果物であればより短納期・低価格でご提供できるようになることや、一定の品質を保ちながらもより複雑で高度なご要件にお応えできるようになる、といったことを意図します。

マルチスクリーン・デザインの標準提供

10月以降にお受けするWebサイトの新規構築やリニューアルにおいて、特別のご要件やご要望のない限り、当社が標準でご提案、ご提供するマルチスクリーン・デザインとは何でしょうか? その定義を、ニュースリリースより引用します:

Webサイトを表示可能なデバイスのスクリーンには、大きさのみならずタッチ操作の可否や精細度等において、さまざまなものがあります。それら全てに対し、完全ではなくともスクリーンの特性に対応した一定の見やすさと使いやすさを提供し得るデザインを、マルチスクリーン・デザインと本リリースでは定義します。レスポンシブWebデザインは、マルチスクリーン・デザインを実現する手法の一つです。

セミナーやコラムを通じお伝えしてきましたように、Webへのアクセスに用いられるデバイスは急速に多様化しています。表示スクリーンもまた同様であり、そのような環境変化に対応することは、目下あらゆるWebサイトにとって急務です。当社がこれまで取り組んできた、マルチスクリーン・デザインに関する社内標準化の成果をもって、そのご支援をさせていただきますとの宣言が、すなわち今回発行したニュースリリースになります。

マルチデバイス対応?レスポンシブWebデザイン?

標準提供を開始するのが、なぜ「マルチデバイス対応」ではなく「マルチスクリーン・デザイン」なのか?と不思議に思われた方がいらっしゃるかもしれません。本質的には、確かにスクリーンをもたないデバイスも含めたマルチデバイスへの対応が必要です。しかし特定のデバイス、特定の閲覧環境に依存しないという意味では、既に3年前から標準提供を開始しているところのWebアクセシビリティでもって、多くの部分をカバーできる認識でいます。

また、なぜ「レスポンシブWebデザイン」ではなく「マルチスクリーン・デザイン」なのか?との疑問もあるかもしれません。マルチスクリーン・デザインとレスポンシブWebデザインは包含関係にあり、先にニュースリリースから引用した定義にもありますように、レスポンシブWebデザインはマルチスクリーン・デザインの一部を成します。重要なのはレスポンシブWebデザインと呼ばれる手法を採用するかどうかではなく、さまざまなスクリーンに対応できるかどうかである、と考えた結果「マルチスクリーン・デザイン」という表現を選びました。

マルチスクリーン・デザインという新常識

普及は未知数ながらも、Webを表示可能なウェアラブルデバイスが市場に登場しつつあるいま、マルチスクリーン・デザインの採用はごく自然な選択であると思います。今や、テーブルレイアウトとCSSレイアウトのどちらを採用すべきかで選択の余地が無くなったのと同様、いずれマルチスクリーン・デザインは、Webデザインにおいて必須の要件、一種の常識となることでしょう。当社はこれからも、マルチスクリーン・デザインの意義を啓蒙し、また顧客の皆様にその価値を提供してまいりたいと思います。

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