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CSRマーケティング

2005年1月7日

代表取締役
髙橋 仁

皆様ご存知の通り、CSRとマーケティングの関連性についてちかごろ議論が活発化しています。CSRマーケティングに関して私なりの視点で触れてみたいと思います。

CSR(Corporate Social Responsibility)は、日本語では一般的に「企業の社会的責任」といわれます。企業活動にとって、安全で品質のよい製品を提供することは、立派な社会的責任活動といえるでしょう。しかし、なぜ今、CSRというキーワードが盛んに議論されはじめているのでしょう?

現在、「マルチ・ステークホルダー・エコノミー」と呼ばれる新しい時代が到来しています。企業は、自社の顧客に対し責任を負うだけでなく、より広い意味でのステークホルダー(顧客、株主、従業員、取引先、地域住民、求職者、投資家、金融機関、政府・・・等)に対し、実効性のある配慮行動をとることの重要性が増しているのです 。その背後には、企業の利益至上主義が、顧客のみならず地域社会や世界経済を巻き込んだマイナスインパクトを与えた例が増えていることが挙げられます。

「CSR(Corporate Social Responsibility)=企業の社会的責任」という言葉は、僕の知る限り2001年ISO(国際標準化機構)のCOPOLCO(消費者政策委員会)の会議議事録で目にしており、決してつい最近のキーワードというわけでありません。日本においても2年前ぐらいから経済産業省を筆頭に組織、個人を含めて多くの方が、どのように社会に浸透させていくべきかに関して試行錯誤してきたように記憶しています。

CSRは社会に浸透しにくいといわれ続けています。その理由として、主要企業目的である利益の追求とCSRの活動がいまひとつ結びつき難かったことが挙げられます。一見コストだけがかかりメリットをイメージすることができなかったと言い換えることができるかもしれません。しかしながらインターネットをはじめとする情報社会の進化は、企業が隠しておきたい「負の情報を隠し続けることができない」時代であることをまざまざと突きつけた格好になりました。度重なる個人情報漏えい事件は最もよい例でしょう。また、その処置を誤ると企業活動自体を窮地に追いやられるほど社会批判を浴びることになります。

昨今のCSRに対する注目度の高さは、「利益を上げる前に企業活動におけるすべての環境においてリスクを削減する手段を講じない限り、企業の持続可能性は非常に低いものになる」ということに気付きはじめたため、ということがいえるでしょう。

CSRマーケティング

社会背景の変化により、ようやく企業の意識改革が芽生えた段階が現状ではないかと推測しますが、いまだにCSRはマイナス要因の削減という意味合いが多く存在しています。「CSRマーケティング」という考え方からは、CSRがプラス要因を増大させる、というイメージと意思が伝わってくるものであり、非常に有意義なアプローチだと認識します。

CSRマーケティングの行き着くところは、英国BSIが推進するSIGMAプロジェクトにおける「価値の最大化」「機会の最大化」「信頼の増大」の3つのキーワードとなるのではと推測しています。企業におけるCSRの活動の延長には、 「価値の最大化」「機会の最大化」「信頼の増大」が存在すると思えば、多くの企業が喜んでCSR活動の一歩を踏み出すことができるでしょう。そうした意味で、CSRマーケティングという考え方に期待する次第です。

最後に。
CSRの社会浸透が進み実行段階に入ると、CSRの特性からいって「社会とのコミュニケーション」が不可欠であり、そうした意味でもWebの役割はますます増大するものと期待しています。