WCAG 2.2の勧告スケジュールと、次世代のガイドラインについて

アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)

WCAG 2.2を策定しているAccessibility Guidelines Working Group (AG WG)のProject Planのページが今月になって更新されていました。これによると、WCAG 2.2の勧告までのスケジュールは次のようになっています。

Candidate Recommendation(勧告候補)
2021年2月
Proposed Recommendation(勧告案)
2021年4月
Recommendation(勧告)
2021年6月

筆者の受ける印象としては、現実味のある地に足のついたスケジュールではないかと感じています。当社からのコメントを含めたGitHubに報告されたWCAG 2.2のコメント群について対応していくとなると、どう考えても3カ月はかかると見込まれますから、来年の2月に勧告候補を発行する予定というのはそれなりに妥当ではないかと思われます。

勧告候補まで到達すれば、後は粛々と勧告に向けて突き進んでいくでしょう。勧告候補から勧告までの日程は、WCAG 2.1のときと大きく変わらないものになると思われます(実際に、WCAG 2.1のときは、1月末に勧告候補となり、6月に勧告となりました)。

さて、この記事のタイトルには「次世代のガイドライン」と銘打ちましたが、これは長らくW3CでSilverと呼ばれて開発が進められている、文字通り次世代のガイドラインのことを指します。その名前だけは既にご存じであるという読者の方もおられるかもしれませんが、前述のProject Planでは、このSilverのFirst Public Working Draft(最初の公開草案)が、11月に公開予定であることが記されています。2023年に勧告とあることからもわかるように、まだまだ先の話ですから、この数字はあくまでもAG WGの願望込みのものであると捉えるのがよいでしょう。

そのSilverに関して、Editor's Draft(編集者草案)にざっと目を通したところ、確かに公開草案を発行してもそれほど不思議ではないところまでに形になっていることが見て取れます。内容については、これまでのWCAGとは様々な面で一線を画すものになっていると言えるでしょう。もっとも、去年の今頃はここまではっきりとした形にはなっていなかったと記憶していたため、ここまでに仕上がっていることに軽い驚きを覚えているところではあります。

筆者の雑感としては、WCAG 2.2の動向だけでなく、Silverについても本腰を入れて動向を見守る必要が出てきたことだけは確かだろうと思っているところです。