WCAG 2.1の関連文書の更新について(2021年12月)

アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)

WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)から告知されているように、WCAG 2.1解説書と達成方法集がそれぞれ更新されています(WCAG 2.1 関連文書 更新のお知らせ)。

前回9月の更新(WCAG 2.1と解説書、達成方法集の更新について(2021年9月)も参照ください)からの更新内容について簡単に触れてみます。

WCAG 2.1 解説書については、前回の更新で積み残していた達成基準 1.4.11: 非テキストのコントラストを理解する達成基準 2.5.3: 名前 (name) のラベルを理解するの更新により、すべてのページが2020年12月版をもとにした翻訳となりました。これにより、表紙の日付も2020年12月版となっています。

なお、原文にあたるUnderstanding WCAG 2.1の執筆時点の日付については2021年7月版とあります。原文の日付と差異があることに注意が必要です。

WCAG 2.1 達成方法集については、未翻訳だったFailures(失敗例)、SCR(クライアントスクリプト)に関する達成方法集の全部が翻訳されています。General(一般的なもの)が未翻訳の達成方法として50ほど残っていますが、全体の半分以上は翻訳済みであり、翻訳物として実用に耐えうる水準に近づいたといえるのではないでしょうか。引き続き未翻訳のページについて翻訳が進められていくでしょう。

最後に、WAICでは翻訳に誤りの報告や、翻訳の協力を募っています。詳細についてはWCAG 2.1 関連文書 更新のお知らせを参照してください。