リデザインされたARIA Authoring Practices Guideについて

アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)

先月の話になりますが、毎年5月の第3木曜日に行われる(今年は5月19日に行われた)Global Accessibility Awareness Day (GAAD)にあわせて、WAI-ARIA Authroing PracticesがリデザインされたARIA Authoring Practices Guideが公開されました(ARIA Authoring Practices Guide (APG) - New User Interface)。

GAADがどういったイベントなのかについては、GAAD公式の説明を見ていただくとして、ARIA Authoring Practices Guide(以下ARIA APGとします)の話を進めます。

冒頭に記載したとおり、ARIA APGはWAI-ARIA Authroing Practicesの後続となる文書です。以前は、WAI-ARIA Authoring Practices 1.1WAI-ARIA Authoring Practices 1.2のいずれも、ARIA APGへのリンクが張られていた状態でした。執筆現在では、WAI-ARIA Authroing Practicesの以下のURLはすべて、ARIA APGへリダイレクトされます。

WAI-ARIA Authroing Practicesで最後のWorking Group Noteとなった2021年11月29日付けのWAI-ARIA Authoring Practices 1.2とARIA APGを比較しますと、

  • 1. Introduction、B. Change History~D. ReferencesがARIA APGではAboutのページに集約
  • 2. Read Me First、4. Landmark Regions~11. Structural RolesがARIA APGではPracticesからの個別ページへのリンクに
  • コアとなる3. Design Patterns and WidgetsはPatternsからの個別ページへのリンクに
  • A. IndexesはIndexのページに付け替え

以上のように再編成されています。複数のページに分割されたリデザインということもあり、取り付きやすさは向上したといえるでしょう。個人的には、目当てのroleがわかっている状態でIndexのページから、ページ内検索でたどっていくという状況が増えたように思います。

また、WAI-ARIA Authroing Practicesの1.1を見ればよいのか、1.2を見ればよいのかという問題も、URLが一本化されたことで気にする必要がなくなりました。個人的には、あるroleがWAI-ARIA 1.1で既に定義されているのか、WAI-ARIA 1.2で導入されたものなのか...と確認することがありました。しかし、この一本化により、Authroingの観点からはバージョンについて、そこまで深く考える必要がないのかもしれないと捉えているところです。