AIサイト内検索:先行企業から学ぶ
AIがユーザーの検索体験を変革する中で、企業Webサイトにも新たな期待が寄せられています。それは、ChatGPTのようなツールに慣れてきたユーザーが、あらゆる検索の場面で、同じように速くて賢い体験ができることを、楽しみにし始めているからです。
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2025年7月16日に公開された記事「On-site AI search: lessons from the pioneers」の日本語訳です)
この変化により、企業のデジタル部門はサイト内検索の役割について、見直しを迫られています。もはや、サイト内検索は隅に置かれた単なる検索ボックスではなく、ユーザー体験の重要な要素となっているのです。
ここでは、AI検索を賢く、ユーザーを中心とした方法で活用している、4つの先進的な事例をご紹介します。使い慣れたテンプレートの活用から、透明性の高い情報源の確保まで――先行企業のアプローチから学んでいきましょう。
Nvidia:ChatGPTなどで使い慣れた感覚を再現する
アメリカの半導体大手NvidiaのオンサイトAIアシスタントは、ChatGPTやそれに似たツールを使ったことがあるユーザーなら、すぐに親しみを感じられる設計になっています。画面のインターフェースから対話のトーンまで、ユーザーがすでに知っているAIの利用体験を踏襲しているのが特長です。
ここで重要なのは、ユーザーは新しいツールの使い方を学びたいのではなく、すでに信頼しているAIツールと同じように役立ってくれることを望んでいる、ということです。
ここから得られる知識
AIアシスタントは、最初のクリックから直感的に使えるように設計しましょう。親しみやすいレイアウト、会話形式の応答、わかりやすいプロンプトは、ユーザーが使い始めるのを後押しします。
Siemens:AI検索と従来型検索の、どちらも表示する
ドイツの総合電機大手Siemensでは、AI検索と従来のサイト内検索を置き換えるのではなく、その上に重ねる形で実装しています。ユーザーは、AIが生成した回答と通常の検索結果を同時に確認できます。
これにより、AIのスピード感と従来の検索エンジンの操作性という、両方のメリットを享受できます。
ここから得られる知識
ユーザーに選択を迫らないことが重要です。技術的な製品を検索するときなど、高い正確性が求められる場合は、AI検索と従来型検索の両方があることで、ユーザーに柔軟性を提供できます。
Silicon Labs:回答の参照元を明示して信頼関係を築く
アメリカの低消費電力ワイヤレス接続のリーダー企業Silicon Labsは、AIがどこから得た情報をまとめて回答したのかを、わかりやすく示しています。回答にはそれぞれ、参照したサイト内のコンテンツへのリンクが含まれていて、ユーザーはさらに詳しく調べたり、情報を確認したりできます。
わかりやすい情報源の提示が信頼を築きます。どこから得た情報か、正確に確認できるようにすることで、ユーザーとの信頼関係を強固にします。
ここから得られる知識
AI検索の回答には、必ず情報源を表示しましょう。信頼性が向上するだけではなく、ユーザーをサイト内のより広範なコンテンツへと誘導するきっかけにもなります。
Eni:AIがガイド役となり、ユーザーのサイト回遊を勧める
イタリアのエネルギー大手EniのAIツール「energIA」は、質問に答えるほか、サイト探索も促します。特定の問い合わせへの回答に加えて、関連するリンクやトピック、最新のデータも併せて提示するのです。
「energIA」は、単独の検索エンジンとして機能するのに加えて、コンテンツの「ガイド役」として賢く振る舞います。さらなる情報を提示し、ユーザーがさらに回遊を続けるよう勧める存在です。
ここから得られる知識
回答することにとらわれず、その先を考えましょう。優れたAIツールは回答するだけではなく、ユーザーが自力で探せなかったかもしれない、タイムリーで関連性の高いコンテンツへと導きます。

Eniの新しいAIツール「EnergIA」