海外Webトレンド「BC Thinking」日本語版

英国企業サイトのコンサル会社Bowen Craggs & Co.の許諾を得て、同社Webサイトの「Our Thinking」から抜粋し、グローバルWebサイト事例に関する記事を翻訳してお届けします。

ミツエーリンクスではBowen Craggs社と提携し「グローバルWebサイトベストプラクティス調査」サービスもご提供しています。

Daimler : SNSで新しい取締役を知ってもらう

ドイツの大手自動車メーカーDaimlerは、新しい取締役を紹介する際に、端的な質疑応答の動画をTwitterやYouTubeで公開しています。

(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our thinking」において2021年11月5日に公開された記事「Daimler: Getting to know a new board member on social media」の日本語訳です)

Screen capture of Daimler Truck AG's Twitter Account

The Feature(特筆すべきこと)

Mercedes Benzなどの乗用車に加えて商用車も手がけるDaimlerは、2021年9月に人事担当の新しい取締役、Sabine Kohleisen氏を、公式およびブランドのTwitterチャンネルで紹介しました。

短い動画の中でKohleisen氏は、次のような質問に答えています。「20年後もまだ、ドライブはかっこいいですか?」「新しい仕事に臨む心境は?」「ToDoリストの最優先事項は?」。

Daimler Truck AGのTwitterアカウントに投稿され、同社のMercedes BenzのTwitterアカウントでリツイートされたこの動画は、YouTubeで公開した4分間の動画を短く編集したものです。

この動画は、Daimlerの役員や、F1ドライバーのLewis Hamilton氏などの著名なゲストが登場する「Speed Date」シリーズの1つです。このインタビュー動画は、英語とドイツ語で閲覧できます。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Daimlerの短い動画は、リーダーの人間的な側面を効果的に紹介しています。

これは、一般社員へのインタビュー動画でよく見られる方法ですが、新しい役員をステークホルダーに紹介したい他の企業でも応用できるでしょう。

このDaimlerの取り組みは、マーケティングとコミュニケーションを横断するフォーマットであり、スポーツ界の著名人や企業の役員へインタビューする際に活躍するはずです。

Twitterでは短く編集した動画を、YouTubeではフルバージョンの動画を公開していることから、一貫したコンテンツ戦略の指標として、各チャンネルで最適なフォーマットを検討していることがわかります。

しかし、この動画コンテンツには弱点があります。あえてカジュアルな雰囲気にしているのに、ロボットのような質問者の声によって、回答が堅苦しくなっています。

Daimlerをはじめ、長い歴史がある自動車メーカーは、動きが速く革新的なイメージがあるTesla社のような、新しい競合他社の脅威に直面しています。そのため、デジタル・コミュニケーションの中で、クリエイティブでダイナミックな企業であることをアピールすることは、とても重要です。

https://twitter.com/DaimlerTruck/status/1439872607260659713

Accenture : 求職者への豊富なアドバイス

総合コンサルティング会社Accentureは、就職活動に役立つ情報を雑誌のような形式で発信し、潜在的な従業員を引きつけています。

(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our thinking」において2021年10月19日に公開された記事「Accenture : Rich advice for jobseekers」の日本語訳です)

Screen capture of Accenture's Career Blog

The Feature(特筆すべきこと)

世界中で総合的なコンサルティング・ITサービスを提供しているAccentureは、グローバルサイト内の「Career Blog」で、採用関連の情報を発信しています。そして、その中で「Career Advice」というコンテンツを掲載しています。

具体的には「面接スキルをアップさせる4つの方法」や「キャリアを始める新卒者へ、5つのヒント」など、幅広いテーマの記事を雑誌のような形式で掲載しています。中には、Accentureへの応募準備に特化した記事もあります。

採用カテゴリーにある「採用プロセス」のページや、「Career Blog」のトップページにも、これらの記事へのリンクを設置しています。また、「5 tips for turning a career break into a future career(休職期間を将来のキャリアにつなげる5つのヒント)」のように、一般的なキャリアアップに関する記事も掲載しています。

記事には、本文から抜粋したキーフレーズを強調する手法や画像など、オンラインマガジンでよく見られる編集スタイルを盛り込んでいます。

The Takeaway(ここから得られる知識)

企業サイトの採用カテゴリーでは、応募方法に関するアドバイスを提供することが一般的で、多くの求職者もそれを歓迎しています。

しかし、Accentureほど魅力的な情報を提供している会社は、ほとんどありません。このような取り組みには、3つのメリットが考えられます。

第1に、コンテンツの魅力が高まり、結果として閲覧され理解される可能性が高くなります。

第2に、Accentureは思いやりのある雇用主であり、キャリアのスタート時だけではなくその後も、従業員のサポートに尽力しているというメッセージを、求職者やその他の人々に伝えることができます。

第3に、求職者が早い段階から適切に準備できるよう、企業側が努力することにより、求職者と採用担当の双方にとって、採用プロセスの無駄を省くことができます。

https://www.accenture.com/us-en/blogs/blogs-careers/career-advice-index

Henkel : 気候変動への取り組みを簡潔明瞭に紹介

ドイツの化学品・日用品メーカーHenkelは、さまざまなフォーマットや既存の素材を用いて、複雑な気象変動問題への取り組みを、分かりやすくまとめています。

(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our thinking」において2021年10月5日に公開された記事「Henkel : Confronting climate change」の日本語訳です)

Screenshot of Henkl's online magazine

The Feature(特筆すべきこと)

洗剤やシャンプーなどの日用品、接着剤やのりなどの化学品を世界中に展開しているHenkelは、オンライン広報誌Spotlightの中で「Climate Action(気候変動への対策)」という特集を組んでいます。

この記事を書いている時点では、Webサイトのトップページでもこの特集を取り上げています。この特集は、気候変動に対するHenkelの取り組みや、顧客にもできることなどを詳しく紹介しています。

さらに、気象変動に関する動画・記事・FAQに加えて、HenkelのSNSから集めた関連記事を掲載しています。また、Henkelが掲げる気候変動対策の活動目標を、カルーセルで紹介しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

昨年当社が発表したThe Bowen Craggs Index report(企業Webサイトランキング)でも紹介した通り、今や多くの企業が大きく複雑な問題に立ち向かっています。気候変動に対する取り組みを行っているのも、Henkelだけではありません。

しかし、Henkelの「Climate Action」は、企業がさまざまなフォーマットや既存の資料を活用して、分かりやすくて説得力のある特集を作成した好例といえるでしょう。

そして、当然ながらHenkelは、この取り組みを推進したいと考えています。

特集内に、Henkelのサステナビリティ協議会議長の引用文とプロフィール写真を掲載することで、同社の取り組みにおける責任の所在を示しています。

ただ、気候変動対策の活動目標ページを含む、Webサイト内にあるサステナビリティカテゴリーの各ページへのリンクは、もう少し明確にしたほうが良いでしょう。

https://www.henkel.com/spotlight/features/climate-action

Vinci : 役員の経歴紹介ページにWikipediaへのリンク

フランスの大手建設会社Vinciは、Webサイトにある経営陣の経歴紹介ページに、TwitterやLinkedInのアカウントと一緒に、世界的なオンライン百科事典Wikipediaへのリンクを掲載しています。

(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our thinking」において2021年9月22日に公開された記事「Vinci: Wikipedia links in executive biographies」の日本語訳です)

Screen capture from Vinci's Management Team page

The Feature(特筆すべきこと)

世界120カ国で事業展開しているVinciのWebサイトには、取締役と上級管理職の経歴ページがあります。そして、経営陣の顔写真の下に、Twitter、LinkedIn、Wikipediaの3つのアイコンを掲載しています。

Wikipediaにその人のページ登録がある場合は、該当するアイコンを黒く表示し、登録がない場合は、アイコンをグレーアウトしています。

同様に、その人がTwitterやLinkedInのアカウントを持っている場合は、アイコンを本来の色で表示し、アカウントを持っていない場合は、アイコンをグレーアウトしています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

会社役員の経歴ページにWikipediaへのリンクを掲載することは、企業サイトでは珍しいといえます。このアプローチには、3つの利点があります。

第1に、オープンで透明性が高く、好印象を与えます。

第2に、SEO対策になります。Googleの検索アルゴリズムは、第三者が運営するWebサイトへの有効なリンクを持つWebページを、好意的に評価します。

第3に、Vinciの役員は、世界的に有名な百科事典への登録に値するほど、社会に貢献しているというメッセージを訴求できます。

しかし、Wikipediaの掲載内容によっては、リンク設置がリスクになる恐れもあります。企業がこのアプローチを参照する際は、役員のWikipediaに登録されている内容は自分たちで編集できないことを理解し、有利になる情報を追記したくなる衝動を抑える必要があります。

https://www.vinci.com/vinci.nsf/en/management-team/pages/xavier_huillard.htm

Home Depot : 求職者に職場での新型コロナウイルス予防策を開示

アメリカのホームセンター大手Home Depotは、採用情報と一緒に、アイコンを使った「新型コロナウイルスの予防策」を公開し、求職者に安心感を与えています。

(この記事は、2021年9月15日に公開された記事「Home Depot: Making a statement on Covid precautions」の日本語訳です)

Screen capture of Home Depot's job information

The Feature(特筆すべきこと)

北米で2300以上の店舗を運営しているHome Depotは、Webサイトの採用情報ページに、それぞれの職場が取り組んでいる「新型コロナウイルスの予防策」を明示したアイコンパネルを追加しました。

この予防策のパネルは、福利厚生情報の下に配置しています。そして、どちらの情報もアイコンを活用して、わかりやすくまとめています。

当社が調べたところ、コーポレート業務・店舗スタッフ・流通など全ての職務で、このアイコンを活用していました。

The Takeaway(ここから得られる知識)

これは、職場の新型コロナウイルス対策という、将来の従業員たちが特に知りたい情報を、企業が職務記述書の中で明確に示している好例です。

Home Depotの方針は、例えば新卒の応募者を心配するご両親など、求職者本人はもちろん、一緒に住むご家族や周囲の人たちにも、安心感を与えることができます。

そして、いくつもの予防策でスタッフを大切にしている事実は、Home Depotがお客様の健康を大切に考えている、というメッセージにもつながります。

他のステークホルダーも、この透明性を高く評価しているようです。

また、このアイコンはデザイン的にも非常に優れています。

なお、Home DepotのSNSアカウントに投稿されたコメントを見ますと、同社のマスク着用に関する方針を理由に、応募を取りやめた人もいるようです。この取り組みは、同社の方針と合わない求職者をあらかじめふるいにかける作業の、リソース節約にもつながっているようです。

https://careers.homedepot.com/job-search-results/

Morgan Stanley : 銀行内の専門家によるインタビュー

世界的な金融機関グループMorgan Stanleyは、社内の専門家がホストを務めた、説得力のあるリモート・インタビュー動画を連載しています。

(この記事は、2021年8月10日に公開された記事「Morgan Stanley: In-house interviewers」の日本語訳です)

The Site(特筆すべきこと)

ニューヨークに本拠を置くMorgan Stanleyは、Webサイトでインタビュー動画を連載しています。動画には、各業界の著名人と事情に精通したホスト役の社員が、リモートで対談している様子を収録しています。

最近では、次のようなインタビュー動画を公開しました。

  • 物流施設を所有・運営・開発する、世界有数の不動産会社PrologisのCEO、Hamid Moghadan氏へのインタビュー「物流の未来にあるもの」。ホストは、株式アナリストVikram Malhotra氏です。
  • 情報通信・メディア大手ComcastのCEO、Brian Robertsへのインタビュー「激化するメディア事情」。ホストはメディアリサーチ部門の責任者、Benjamin Swinburne氏です。
  • 家具量販大手IKEAのCEO、Jesper Brodin氏へのインタビュー「サステナビリティーの目的と利益」。ホストはサステナビリティー部門長、Audrey Choi氏です。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Morgan Stanleyが公開するインタビュー動画のシリーズは、世界的大企業の著名で説得力がある人物が出演しているため、魅力的な内容になっています。

さらに、Morgan Stanleyのリーダーや専門家がインタビュアーを務めることで、動画に会社の世界観を反映させています。

このインタビュー動画の目的は「Morgan Stanleyは、ソート・リーダーシップの発信源である」という評価を高めることです。さらに、ほぼ全てのコミュニケーション・ゴールに向けたアプローチとしても、効果をもたらしています。

このインタビュー動画は、別々の場所で撮影したにもかかわらず、編集によってあたかも対面インタビューのように感じられます。これは、高い費用をかけなくても、良いものが作れるという好例です。

https://www.morganstanley.com/ideas

Central Intelligence Agency : 機密性が高い組織のInstagram活用

アメリカの政府機関である中央情報局(CIA)は、採用活動や評判を高めるために、Instagramで独特な存在感を示しています。

(この記事は、2021年7月28日に公開された記事「Central Intelligence Agency : Instagram in a secret culture」の日本語訳です。)

Screen capture of the CIA's Instagram page

The Feature(特筆すべきこと)

アメリカの対外情報機関である中央情報局(CIA)は、Instagramのアカウントを持っています。同局のWebサイトでは、Facebook、Twitter、LinkedIn、YouTube、Flickrといった他のSNSとともに、リンクアイコンを並べて配置しています。

CIAは2019年にInstagramのアカウントを開設し、現在そのフォロワー数は39万人以上にものぼります。

「Pride 2021」「Interns with Impact」「CIA Scholarship Program」「Careers」「Resources」など、ページ上部に並ぶさまざまな「ストーリー」のタイトルから、このアカウントは採用に焦点を当てていることがわかります。

投稿頻度は安定していて、月に数回、動画や写真を投稿しています。

最近の投稿には、中途採用者の自己紹介、世界最大のLGBTQイベントを祝福する画像、CIAの宣誓を多言語で行う職員の動画などがあります。

The Takeaway(ここから得られる知識)

CIAはInstagramアカウントの存在意義を明確に示しています。それは、潜在的な若い求職者の間でCIAの評判を高めることであり、CIAのリーダーたちもアカウント開設時にこの点を強調しています。

おかげでアカウント管理者は、何を投稿し、何を投稿しないかを判断しやすくなっています。

画像は特徴的で、ほとんどの人物写真はカメラに背を向けていたり、横を向いたりしています。

文章のスタンスは、愛国的でありつつ極端なナショナリズムには陥らない論調で、CIA職員とそのストーリーに重点を置いています。

そして、同じく採用に注力している同局のWebサイトと、巧みに連携しています。

もし今後CIAがInstagramで、さらに深くまで組織内文化を発信できたならば、どんなに秘密主義的な大企業あっても、アカウント作成を検討できるはずです。

https://www.instagram.com/CIA/

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