Firefox 76.0がリリース

エグゼクティブ・フェロー 木達

デスクトップ版Firefoxのバージョン76.0がリリースされました(リリースノート:Firefox 76.0, See All New Features, Updates and Fixes)。

エンドユーザー向けには、ログインとパスワードの保護が強化された点が本バージョンの特長です。ユニークかつ安全なパスワードを自動で生成できたり、攻撃を受けたサイトで使っていたのと同じパスワードを別のサイトで使い回していた際に更新が促されるようになったのは、その例です。

個人的に注目したのは、遅延スクリプトがスタイルシートの読み込み後に実行されるよう変更された点です。

WHATWG コミュニティにおいて <script defer> の一貫性のない挙動について 議論 が行われ、仕様によればスタイルシートの読み込みを待つべきのところ、旧バージョンの Microsoft Edge 以外のブラウザーはそれに従っていないという状況が指摘されました。この問題は特に Firefox では様々なウェブサイトで スタイル未指定コンテンツのちらつき(FOUC)を引き起こしていました。

本バージョンでは、FOUCの回避によりエンドユーザーにとってのUX改善が期待されるのみならず、レンダリングにおける一貫性向上に向け一歩前進したことになります。過去の一時期と比べ、レンダリングエンジンのバリエーションは減っているとはいえ、こうしたWeb標準準拠の取り組み一つ一つが、Webの相互運用性を高めると思います。

次のメジャーバージョンアップ、Firefox 77のリリースは、Firefox Release Calendar - MozillaWikiによると2020年6月2日の予定のようです。