Google Chrome 112が安定版に

エグゼクティブ・フェロー 木達

検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。

Google Chrome 112が安定版になり、デスクトップ版ChromeでWindows向けには112.0.5615.49/50、macOSとLinux向けには112.0.5615.49がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。

New in Chrome 112: CSS nesting rules, no-op fetch handlers skipped, and more!

本バージョンでは、CSSのネストがサポートされました。スタイルルールを入れ子に記述できるため、重複した記述を避けつつ効率的にスタイルルールを管理することが可能になります。従来、Sassのようなメタ言語を使わなければ同様の管理は難しかっただけに、ブラウザネイティブにサポートされる意義は極めて大きいでしょう。解説についてはCSS Nesting - Chrome Developersを、仕様についてはCSS Nesting Moduleをご覧ください。

また、同梱されるLighthouseのバージョンが10.0.1となりました。これに伴い、パフォーマンススコアの配点が変更されています。Time To Interactive(TTI)が使われなくなったことで、TTIに割り当てられていた点数がCumulative Layout Shift(CLS)に加えられました。What's new in Lighthouse 10 - Chrome Developersによると、多くのWebページではTTIよりもCLSがスコアが高い傾向にあり、今回の変更でパフォーマンススコアが悪化するケースは多くなさそうです。

このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については16件)と改良が含まれています。開発者向けにはNew in Chrome 112 - Chrome Developersがわかりやすいでしょう。また、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New in DevTools (Chrome 112) - Chrome Developersにまとめられています。

次のメジャーバージョン、Chrome 113のリリースは、Chromium Dashによると2023年5月2日の予定のようです。