Google Chrome 138が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 137が安定版になり、デスクトップ版ChromeでWindowsとmacOS向けには138.0.7204.49/50、Linux向けには138.0.7204.49がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
本バージョンで私が注目したのが、CSSでサイズを指定するのにstretch
というキーワードが使えるようになったことです。これは、親要素に相当する包含ブロックを隙間なく埋めたいときなどに活用しがいのある値でwidth
、height
、min-width
、min-height
、max-width
、max-height
の各プロパティで使用できます。
CSS Box Sizing Module Level 4の6.1. Stretch-fit Sizing: filling the containing blockで、策定中の仕様を確認することができます。以下のCan I useのリンク先にありますように、残念ながら現時点でサポートしているのはChromeのみ。しかし、ベンダー接頭辞付きで他のブラウザでも実装が進んでいるようですから、すべてのメジャーブラウザで早期に利用可能になることを期待したいです。
- CSS property: width: stretch | Can I use
- CSS property: height: stretch | Can I use
- CSS property: min-width: stretch | Can I use
- CSS property: min-height: stretch | Can I use
- CSS property: max-width: stretch | Can I use
- CSS property: max-height: stretch | Can I use
また、Viewport Segments Enumeration APIがサポートされています。これは、折りたたみ式のデバイスなどにおいて、分割されたビューポートそれぞれの情報をCSSやJavaScriptで利用できるようにするもので、詳細がViewport Segments API で折りたたみ式デバイスをサポートするで紹介されています。折りたたみスマホが徐々に市場で存在感を増し、さらには2026年にも折りたたみiPhoneの発売が噂されるなか、関連する仕様の検討や実装も着実に進んでいるのですね。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については11件)と改良が含まれています。開発者向けの情報はNew in Chrome 138にまとまっています。DevToolsの変更点については、Chrome 138 の DevTools の新機能の新機能をご覧ください。
次のメジャーバージョン、Chrome 139のリリースは、Chromium Dashによると2025年8月5日の予定のようです。