「制作会社のためのCMS選定サミット」に明日登壇するので、そこで話したいかもしれない内容を
代表取締役(CTO) 藤田 拓明日8月28日(金)、Web Designing主催のこのイベントで、株式会社GIG 代表取締役の岩上貴洋氏とトークセッションに登壇します。テーマは「CMSを求められる現場で、本当のところ何を選べばいいのか」です。対談なのでどう進むかはわかりませんが、今日はそこで話したいかも、と思っている内容を少し書いていきたいと思います。
WordPressやDrupalといった従来型から、SaaS型、Headless CMSまで、選択肢は多々あります。ただ最近感じているのは、選択肢が増えたこと以上に、問いの立て方のほうが古びてきたのではないか、ということです。「どのCMSを選ぶべきか」だけで、本当に足りるのでしょうか。
今までの機能比較表は書き換えないといけないかもしれない
機能の有無、編集しやすさ、コスト、カスタマイズ性、サポート体制、どれも不要になったわけではありません。ただ、比較表に並ぶのはAI以前のCMSに求められていた機能や性質であって、その思考のバージョンを上げないままでいることのほうが今はリスクなのではないでしょうか。
わかりやすいのが、脆弱性への対応です。
かつては、深刻な脆弱性が公表されても、情報を確認し、検証環境で試し、次のメンテナンスウィンドウで適用する、という段取りが成り立っていました。今は、公表から実際にスキャンや攻撃が始まるまでの時間が明らかに短くなっています。公開されたパッチの差分から攻撃手順を組み立てる作業自体が自動化され、そこにAIの支援も加わりました。ゼロデイはもちろん、パッチが出たあとのゼロ・アワーの数時間がそのまま危険な時間帯になりえる状況です。
そうなると、「脆弱性が出たらすぐ当てる」という運用の速さだけでは追いつきません。効いてくるのは、当てるまでの間にどれだけ晒されているか、そもそも晒す必要があったのか、のほうです。管理画面をインターネットに置かず、公開側にアプリケーションの実行環境を残さない、そして、更新の責任をサービス提供者に持たせるといった攻撃面を減らす構成そのものが対策になります。
私自身、CMSの脆弱性が出るたびに複数のクライアントサイトへの対応を展開する側にいますが、その重さはここ1、2年で確実に増えました。
このように単純なCMS製品選定というより、そのWebサイトをどんなアーキテクチャで運用していくのか?という設計判断がより重要であると捉えています。
AIは、CMSを不要にするのか
ここまでは、増え続ける運用の重さを誰がどう引き受けるか、という話でした。ところが最近は、AIの登場でその前提の置き方そのものを考え直さないといけない状況になってきています。
制作と運用の両方にAIが入り込むことで、これから数年のうちにCMSが置かれる状況は大きく変わると私は考えています。
「この製品の導入事例を公開して、英語版も作って、公開前に表記ルールをチェックして」。そう指示すると、AI AgentがCMSや周辺システムを操作し、変更を確認した上でWebサイトへ反映する、つまり、管理画面を人が操作する世界から意図を伝える世界へと変貌します。
ただ、意図で動く相手ほど、動いてよい範囲が決まっていないと任せられません。どのフィールドを触ってよく、何が必須で、誰の承認を経て公開されるのか、といった構造とワークフローとして明示されたルールが必要となります。そして、それを制御しているのがCMSです。
AIに任せる範囲が広がるほど、ガバナンスの器としてのコンテンツ管理機能の価値が上がると思います。
読み手も、人間だけではなくなる
これからはAIやAI Agentも企業のWebサイトを訪れ、製品情報、FAQ、事例を読み取って利用します。これはSEOの延長線上にありつつも新たな側面がある話です。人間はレイアウトや前後の文脈で意味を補えますが、より短い時間で探索を行う機械は補わないことも多いです。そのため、より機械にフレンドリーな構造化されたデータと明示された関係性を読み取る傾向にあります。製品と仕様、事例と製品がデータとして結びついているか?を明示してあげることで、よりAIに引用されやすくなる可能性があります。
明日の対談
さて、CMSやAIのことを書き始めると終わりがないのですが、ここらで明日のイベントに戻りましょう。
当日は、CMS選定の実際、SaaS型、Headless CMS、セキュリティ、AI、公開後の運用まで、かなり率直に話す予定です。「結局、どのCMSを選べばいいのか」から始めて、最後は「そもそも、これからCMSは何のために存在するのか」まで行ければ、と思っています。皆様お忙しいとは思いますが、お時間のある方はぜひご参加ください。明日、銀座でお会いできるのを楽しみにしております。
開催概要
- イベント名:制作会社のためのCMS選定サミット
- 日時:2026年8月28日(金)16:00〜19:40(トークセッションは18:20〜/19:00より懇親会)
- 会場:マイナビPLACE(東京都中央区銀座・歌舞伎座タワー23F)
- 参加費:無料(事前申込制・先着100名)
- 主催:株式会社マイナビ出版 Web Designing
- 申込:イベント特設ページ