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「Webディレクション標準ガイド」発刊にあたって

2005年3月25日

ディレクショングループ 取締役 プロデューサー
岡田 貴彦

今回は「Webディレクション標準ガイド」の発刊についてのお知らせをさせていただきたいと思います。

このたび弊社では、Webサイト構築にあたってのディレクション業務を学習される方向けカリキュラム策定の主旨に協賛し、「Webディレクション標準ガイド」という書籍の刊行をお手伝いさせていただきました。当初はスマートイメージ社との共著という形で進んでいたプロジェクトでしたが、昨今のディレクター/プロデューサー需要の増大に対して供給が追いつかないという背景から、標準カリキュラム化策定のためのプロジェクトへとその趣を変えた結果でした。

実際の制作現場において必要な心構えやスキルに加え、近年クライアント様から求められるさまざまな要件に関する傾向も踏まえた、リアルな内容になっています。内容的には極めてベーシックであり、ディレクション業務に関する理解を得るには有効な内容になっていると思います。

章立てを見ると、いわゆる制作ディレクションに関する章は1章にまとまっており、その前段に関する章が多いことに気付かれると思います。

「Webディレクション標準ガイド」章立て

  1. 第1章 Webプロジェクト始動の前に
  2. 第2章 サイト要件定義とコンセプト作り
  3. 第3章 企画・設計とプレゼンテーション
  4. 第4章 注意すべきセキュリティ、法規制
  5. 第5章 制作ディレクション
  6. 第6章 公開・運用
  7. 第7章 関連用語集

これは、近年の傾向を踏まえた結果であり、本書が「Webサイト発注企業の内外における」Webディレクターを対象としていることが影響しています。つまり、要件をまとめ、実作業者に指示を出すという翻訳者的な役割を前提としているためです。

Adaptive Path社のJesse James Garrett氏によれば、成功するWebTeamには「ユーザーリサーチ、サイト戦略、技術的戦略、コンテンツ戦略、抽象的デザイン、技術実装、コンテンツ制作、視覚デザイン、プロジェクトマネジメント」の9つの「柱」が必要だとされていますが、Webディレクターはこれらの「柱」の中のいくつかを担うことになります。

経験上、Webディレクターには人・物・金・情報に関する「管理(要件・予算・プロジェクト・モチベーション・素材)」が求められ、「マーケティング」「システム(インフラ・プログラム・業務改善)」「クリエイティブ(コピー・ビジュアル)」に関する知識や提案が期待されます。さらに、近年のWeb標準やアクセシビリティなどの技術的な要求も増え、人材を育てていくことは一朝一夕には出来ない状況になってきているのかもしれません。

本書では、SEO・ユーザビリティ・IA・Web標準・アクセシビリティなどにもページを割き、基本的な内容に関して網羅しています。細かな部分は専門書にお任せするとして、コミュニケーション上必要な内容を掲載しています。それは、Webサイトの構築・リニューアルのプロジェクトは専門家を交えた協同作業の場となってきているということに起因します。

しかし、プロジェクトの中で、ディレクターに求められるのは今も昔も変わりなく、「どうしましょう?」ではなく「こうしましょう!」とさまざまな視点から判断し、イニシアチブを取れる人材であることは間違いありません。インターネットというオープンな技術の中で、適切な組み合わせを判断すること、それこそがWebディレクターに求められることです。

ディレクター/プロデューサー不足の中、今後、企業では「派遣」ではない、新しい形でのサポートが求められていくと考えています。オンサイト型でありながら、組織のサポートを受けられる形。そういったソリューションの形を現在、弊社では模索し始めています。

本書は、先ほども記述したとおり、「Webサイト発注企業の内外における」Webディレクターを対象としており、いわゆる制作会社のWebディレクターだけではなく、企業内のWeb担当者も対象としたものになっておりますので、ご興味のある方は是非ご購入いただき、役立てていただければ幸いです。

最後になりましたが、忍耐強くお付き合いいただいたスマートイメージ永田様にお礼を申し上げたいと思います。