2006年6月2日 よりウェットな顧客関係性を目指して

執行役員
岩瀬 慎治郎

設立10年後に立ち上がった「営業グループ」

ミツエーリンクスの歴史を紐解くと、一般の企業とは違ったユニークなエピソードがあります。その中のひとつ、設立から約10年間「営業」という機能が存在しませんでした。Web制作会社という業態が世の中に出始めた頃、企業が「Webサイトを所有したい」となれば、企業側から制作会社へコンタクトを取らないと何も始まりませんでした。弊社もその流れの中、待っていればどんどん仕事が入ってくる状況が続いていました。従って、新規開拓や競合他社とのコンペティション=コンペと言った、こちらから攻める業務は社内でも皆無に近い状況だったのです。そんな中、外部環境の変化が押し寄せます。ITバブルが崩壊し、環境適応できない制作会社がバタバタと市場を去っていきました。そこで、弊社も2000年に設立10年目にして、営業グループが立ち上がりました。

苦戦続きの営業活動

立ち上げメンバーは、ディレクターから転向した人間、営業経験1年の若手、営業未経験の若手、そして私です。当初は、営業のコンサルティング会社を導入し、休日に営業研修を実施しました。各営業がコンサルタントと同行し商談も行いました。しかし、成果はほとんど上がりませんでした。理由としては、景気低迷による経費削減やIT投資意欲の低下等が考えられます。また、一方で時代の流行の中で見落としていた、あるべき姿や本当の目的、実現したいことが不透明、不明確になっていたのだと思います。

その他にも、成果が上がらなかった理由はまだあります。それは、社内的な問題です。まず、電話でアポイントを取り、プレゼンテーション=プレゼンのニーズを捕まえても、受注ができない。やはり10年間営業機能が無かった分、「新規開拓って何?」「プレゼンってどうやるの?」当事者達の経験があまりにも少なかったのです。私もその一人でした。

提案書には付き物のコンテンツ案やNEWデザイン案等、営業スタッフだけではクリアできない重要な要望に対し、期日までに仕上げることが非常に厳しい状況でした。既に進行中の案件を優先させることは当たり前、その中で制作するのか?しないのか?分からない案件に時間を費やすことは相当な負荷でした。プレゼンの当日ギリギリまで準備、作業し、約束の1時間前に数百枚のカラー出力、慌てて電車に飛び乗る。こんなことも珍しくありませんでした。当然結果は見えています。これでは、気力、体力、睡眠時間を削って取り組んでも意味がありません。いつしか営業、バックエンドのスタッフ共に「とにかく受注したい!」「落選は悔しい!」等、さまざまな感情が芽生えました。それからは、継続的な改善あるのみです。既に社内浸透していたISO9001に感謝しています。共通言語化された業務プロセスのおかげで特に面倒な会話を繰り返す必要がなく、ただひたすらに受注の精度を高めることに集中しました。一見Web業界だから、社内に何か仕組みがあり、受注や失注の因果関係を調査し、精度を上げていったのでは?と思われますが、そんなことはありません。あるスタッフは関連の書籍を漁り、あるスタッフは徹底的に情報収集し、その情報を編集する、あるスタッフはとにかくがむしゃらに行動する。本当に泥臭い毎日でした。そして、いつしかこのサイクルが噛み合って来ます。フロアの中にポツポツと、当選の知らせを受けて興奮しているスタッフが見えるようになりました。また、日々書き残している業務日報にも感情むき出しのスタッフが出始めました。とにかく熱い毎日でした。以前の「待っていれば仕事が入って来る時代」から比べると、かなり厳しく、激しい競争の中で揉まれましたが、組織として、個人として、お金では買えない経験ができたと思っています。

心強い営業ツール

現在は、自社のWebサイトが営業ツールとして活躍してくれています。サイト内、上部に設置してある「お問い合わせ」ボタンから毎日コンスタントにお問い合わせをいただいています。Web標準準拠、セミナー告知、グローバルサイト、CSRサイト等、きめ細かく情報発信し、サイトが充実しているおかげです。日本全国、いや世界中からお問い合わせをいただいております。

この営業ツールとさまざまな失敗経験から成長した我々営業グループの前期売り上げ実績は、各人年間目標を上回る結果を出しました。社内でも営業の役割は大きくなり、営業機能がしっかり定着したんだなぁと日々感じています。しかし、ここからが本番!定着した瞬間、やっと次のステージへ進んで行けます。

必要とされる営業を目指して

今後は、「顧客接点をとにかくウェットに」、これだけで差別化になると確信しています。最近、顧客との雑談でよく聞くお話が、Web業界の営業はドライで柔軟性に欠けているとのことでした。これでは、顧客の奥底にある細かい内情やネックになっている情報が収集できません。また、その課題に着目しなければご契約もお取引もスタートするはずがありません。次に、多様化するニーズに対して、きちっと対応できるキャパシティです。M&A、事業の再編、新規事業参入と、変化の激しい時代だからこそ、Webサイトという即効性のあるメディアは外せません。営業が常にアンテナを張り、顧客の動向をチェックしなければ、まともに会話もできません。Webサイトがラジオを抜き、第5のメディアとして認められた今、我々の役割は非常に大きいと考えています。

最後に、Web2.0の存在です。まだまだ考え方や用語を理解し、Web2.0的なアイディアやビジネスモデルを模索している状況ですが、既に顧客の注目度は高まっています。我々も古い概念を捨て、新しい発想を持ち、顧客及び顧客のエンドユーザーとコミュニケーションを取っていかなければなりません。

まだまだ成長段階の営業グループですが、これからも止まること無く活動していきます。
引き続きミツエーリンクスの営業グループをどうぞよろしくお願いいたします。

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