2006年9月22日 マネジメントシステムの統合とCSRサイト

取締役
山下 徹治

マネジメントシステム統合の背景

複数のマネジメントシステムの認証を取得し、それぞれが安定した運用段階に入ってくると、経営的な要求事項として、「もっと少ない人数で効率良く運用できないのか」という課題と、「財務的なメリットを出しなさい」という課題のどちらか(あるいは両方)を出されると思います。そのひとつの答えがマネジメントシステム統合と言えるかもしれません。弊社も7つのマネジメントシステムを運用していますが、同じような経営課題を突きつけられ、運用方法を大きく見直しました。7つのマネジメントシステムのうち、テーマが似通った分野のマネジメントシステムは責任者を兼務にして、効率化と少人化を図っています。

少ない人数でも改善活動を推進するために

人数を減らすというと口でいうのは簡単ですが、実際は、人数が減れば運用で手一杯になり、効率化や改善は二の次になりがちです。私たちは、そうならないための工夫のひとつとして、自社のCSRサイトを3ヵ月に1度更新するというノルマを自らに果たしています。各マネジメントシステムの責任者は、公開されたCSRサイトに3ヵ月に1度、必ず自分の担当するマネジメントシステムの改善項目を掲載しなければなりません。読者は、ミツエーリンクスの従業員、クライアント、審査員、他社のマネジメントシステム担当者、CSRを研究している学者・学生を想定しています。読者に対し、さすがに「3ヵ月で何も進んでいません」とは発表できませんから、責任者たちはかなりプレッシャーを感じながら何かしら改善の実績を作ろうとします。公開の1週間前に原稿を締め切りますが、その原稿を責任者全員でレビューし、赤入れをし合います。これがまた良い刺激となっています。

プロジェクトマネジメントの重要性

統合マネジメントシステムの構築もそうですが、社内ではいろいろな取り組みがプロジェクト的に行われています。私たちの部門を例にとると、情報システムの立ち上げといったものもあれば、事業上コアとなるプロセスの大幅な見直しや、クライアントからのクレームに端を発した是正処置などがそれにあたります。

これらのプロジェクトは状況の変化にともない、スケジュールが変更になったり、スコープが変わったりします。当初の計画どおりにパーフェクトに進んでいくプロジェクトなどほとんどありません。ゆとりのない人数でいくつものプロジェクトをまわしていこうとすると、こうした状況変化に対して弱くなる傾向が出てきます。複数のプロジェクトを同じメンバーで実行する機会が増えるため、勝手な優先順位付けが行われてしまうのです。しまいにはプロジェクトが放置されたり、本来の目的から外れた方向に進んだりすることが増えてしまいました。そこで、私たちは、プロジェクトを可視化するためにプロジェクト管理表を壁に張り出すことにしました。そして、毎週金曜日に10分〜20分程度、その表の前に全員で集まり、「振り返りミーティング」を実施しています。ここで、各自がプロジェクトの進捗を報告し、順調か順調ではないのかを報告しあいます。その場で、プロジェクトの計画を変えるのかを決めるとともに、計画を変えるのであれば、その影響範囲をきちんとケアします。課員全員が誰がどのプロジェクトに携わっているのか、その進捗はどうなっているのかを把握できているので、調整が非常に早くスムーズになるというメリットがあります。

マネジメントシステム統合の成否を分けるもの

マネジメントシステムを統合するという作業は、それほど簡単なものではありません。しかし、少ないリソースで達成しなければならないという制約条件がついている場合がほとんどです。そのような条件のなかで、統合を成功させるカギは、規格要求事項の正しい知識よりも、プロジェクトの推進力をどうやって維持するかではないかと我々は考えています。

そのやり方のひとつとしてCSRサイトの活用やプロジェクトマネジメントの手法(最近よく耳にする見える化)は比較的普遍性があり、参考になるのではないかと思い今回紹介させていただきました。

なお、今回のコラムの詳しい内容は、月刊アイソス2006年11月号(10/10発売)に掲載されます。