2008年12月19日 Webサイト構築の課題と心構え

第二WI部 ディレクター
田口 公章
(ITコーディネータ資格保有者)

さまざまな規模のプロジェクト

2008年も、大規模なリニューアル案件から運用案件まで、さまざまなタイプの案件に携わる機会がありました。リニューアル案件では半年以上の時間をかけて進めてゆくという大きな規模のものもありますし、運用では定期的、あるいはスポット的にコンテンツを企画し、次々と実行して効果を見ていくというタイプのものが主流です。いずれもお客様のビジネスに直結する大きな責任を負っていますが、それゆえの大きなやりがいにもつながったと感じています。

成長し、稼働しつづけるWebサイト

特にリニューアルプロジェクト関しては、どんなに経験を積んでも常に困難なものだと感じます。企業のWebサイトは日々更新や追加がなされていますので、特にリニューアル案件においては対象となるページ数は数千ページ以上、場合によっては万単位という膨大な数になります。また、基本設計に準じて制作されているページと、例外的な設計・デザインが採用されているページが混在していることがあって、一気に美しくリニューアルをかけられることはあまりありません。水面下ではリニューアルが進行していても、表向きにはWebサイトはお休みするわけにはいかないので、サイトは絶えず稼働しつづけることになります。サイト規模が大きくなればなるほど、リニューアルプロジェクトには欠かせない「更新停止期間」が設定しにくくなってしまう、という状況が起こります。これは運用案件においても同様で、小規模な定常更新もあればそれと並行してコーナーリニューアルのようなやや規模の大きな運用が同時に動くこともあり、やはり先に述べたのと似たような状況が起こります。このような状況下では、どのような手順、どのような分担で作業を実行してゆくのかという設計やとりまとめが大きな課題となってきます。

課題を乗り越える鍵

この困難な課題を乗り越えるためには、ステークホルダーの意思と能力をどうやって束ねるか?といったプロジェクトにはつきものの「永遠のテーマ」と、いかに制作の進捗や更新差分を管理してゆくか、どのように所定の品質を達成するか?という「作業計画と管理」、この2つの問題を解決する必要があります。企業のWebサイトにはどうしても多くの人がかかわることになりますが、かかわる人が増えれば増えるほどこの2つは難しくなります。個人的な経験でもありますが、たとえ同じ社内のスタッフに対してであっても、当該プロジェクトの「背景」「目的」「前提条件」そしてプロジェクトへの「想い」を浸透させるのは困難なものです。まして普段所属する組織の違う間柄の大勢の人間が、プロジェクト期間中だけひとつのゴールを目指して一糸乱れぬチームワークを発揮するというのは、どれだけ困難なことかは想像に難くありません。かかわる人が多くなればなるほど、どこか「他人事」で「誰かがなんとかするだろう」といった隙が生まれてしまうものなのです。この課題を乗り越えるためには、管理手法やツールをどれだけ工夫すればよいのでしょう?おそらく、高いモチベーションや緊張感、積極的に取り組む姿勢といった「人間系」の部分なくしては、どんな手法やツールも十分な効果を発揮できないのではないでしょうか。

「できる」イメージを持つこと

私たちは普段からISOやPMBOKなどをベースとしたプロジェクトマネジメント手法を用いていますが、手法に命を与え本当に効果を発揮させるには、結局はかかわる人の「気持ち」が重要なのだと思います。プロジェクトマネージャは、どんなに困難が予想されるプロジェクトにおいても必ず「できる」イメージを持ち、そのイメージをプロジェクトメンバーに語りかけ、チーム全体に浸透させなければなりません。できるイメージを持つためには、計画段階でメンバーの知恵を結集し、あらゆる可能性に対して具体的な準備をしておくことが必要です。衝突を恐れず率直に議論し、チーム全体で乗り越えること。これができたプロジェクトは成功します。精神論になってしまいますが、しかしこの気づきこそが、私が今年1年を通じて得た成果だと言えると思います。2009年も尊敬しあえるメンバーと出会い、よい経験を得られることに期待しています。

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