2021年2月19日 レディメイドとオーダーメイド

取締役(CTO)
木達 一仁

月日が経つのは早いもので、今年も会社説明会の時期が近づいてきました。当社は通年採用を行っており、学年や卒業年度を問わずいつでもエントリーを受け付けていますが、会社説明会は3月に集中して行うことが多く、2021年も同様のスケジュールで開催します。

コロナ禍のため、あいにく会社説明会は昨年と同じく、オンライン形式とせざるを得ません。卒業を翌年に控えた学生の皆さんと直接お話しできないのは残念ですが、初めてづくしで試行錯誤した昨年と異なり、蓄積してきたオンライン形式の知見を踏まえ、準備万端で臨めるのが救いでしょうか。

数年前、本社を会場にオフライン形式で会社説明会を催していた頃の昔話です。ある学生の方から、質疑応答の時間にWeb業界、特に当社のように受託で構築や運用を請け負っている企業の未来について、質問をいただきました。細かな言い回しは忘れてしまいましたが、鋭い質問だなと感じた記憶があります。

今や、便利なサービスやツールが充実し、Webの専門知識を持たずとも、Webサイトを構築・運用することは十分可能になりました。そうした背景が一因にあってか、企業においてWebサイトの内製化が一層進んでいる印象もあります。ともすると、受託中心のWeb制作会社の事業継続性は、学生の皆さんには危うく映るかもしれません。

質問された方に私がお答えした内容を端的に表現するなら、レディメイドとオーダーメイドのニーズは異なる、ということです。スーツがまさにそうですが、既製の大量生産品=レディメイドで世の中にあるすべてのニーズを満たすことは難しく、好みのサイズやデザイン、布地の特注品=オーダーメイドを求める人々は、一定数いらっしゃいます。

私は、Webサイトも同じと考えています。確かに、見栄えのするWebサイトを制作することの敷居は、以前と比べ遥かに低くなりました。無料で利用できる便利なフレームワーク、ライブラリも多数あります。従い、レディメイドなWebサイトで必要十分なケースは、少なくないでしょう。しかし、一定以上のカスタマイズや品質を求めようとすれば、専門的な知識・経験が不可欠となるはずです。

レディメイドなWebサイトは、見た目には遜色がなくとも、アクセシビリティや表示パフォーマンスなど、ぱっと見で良し悪しを判別しにくい品質で劣っているかもしれません。あるいは、更新に必要な手続きが組織や体制と馴染まないかもしれません。そうした状況には間違いなく、オーダーメイドなWebサイトのニーズがあり、Webの豊富な知見を備え最新情報にも通じた制作会社の出番、というわけです。

もちろん、ニーズが違っているというだけで、将来が安泰とは思いません。近年では、AI技術のコーディングへの応用といったニュースも目にします。オーダーメイドならではの情緒的・機能的価値を妥当な金額で提供し続けるべく、知識や技術を絶えずアップデートしなければ早晩、レディメイドなWebサイトを提供するサービスなりツールとの競争に敗れるでしょう。

当社が技術や品質にこだわり続けるのは、まさにそういった理由からでもあります。

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