WCAG 2.1草案へのコメント

アクセシビリティ・エンジニア 畠山

先日の記事「WCAG 2.1の今後」の通り、WCAG 2.1草案へのレビューコメントを必要としているという報告を受け、WCAG 2.1草案へのコメントを検討しました。当社からは下記4つの達成基準に対してコメントしています。

※上記はWCAG 2.1草案は2017年9月12日時点のものです。
※達成基準の番号は今後変更される可能性があります。
※Success Criterionは以下よりSCといたします。

当社のコメント一覧はこちらからご確認いただけます。詳細については各コメントをご参照ください。

SC 2.2.6 Accessible Authenticationについては、現状Webサイトがこの達成基準を満たすことは難しいと考えられるため、草案では適合レベルAだったものをレベルAAあるいはAAAにあげてほしいというコメントをしています。

SC 2.4.12 Accessible Nameの内容からは達成基準1.1.1 非テキストコンテンツに適合しているテキストではないラベル(例:画像ラベルなど)がこの達成基準に適合できるかどうかが明確ではない点についてコメントしています。こちらについてはAccessibility Guidelines Working GroupのメンバーであるDavid MacDonaldさんから達成基準の内容に対する補足のコメントをいただいており、他のissueでも本達成基準に対する議論がなされているようです。

SC 2.5.1 Pointer Gesturesに対するコメントでは"pointer gesture"という言葉の定義が読み手によって異なることが想定されるため、WCAG 2.1草案で新たに提案されたSC 3.2.6 Accidental Activationで用いられているsingle-pointer activationという用語を使用することを提案しています。

SC 3.2.7 Change of Contentの達成基準では"control"という文言を用いていますが、コンテンツの変化はページ上のコントロール以外にもデバイスを傾けるなどの動作でも起こり得るため、異なる文言の使用を提案するコメントを登録しました。こちらについてはDavid MacDonaldさんから"triggering mechanism"という文言を用いる案を提示いただいています。

今後WCAG 2.1草案がどのように変わっていくのか、引き続き見守っていきたいと思います。