Firefox 57.0とスクリーン・リーダーの読み上げについて

アクセシビリティ・エンジニア 辻

11月7日にMozillaのMarco Zehe氏が公開した記事、Firefox 57 from an NVDA user's perspectiveでは、来る11月14日にリリース予定のFirefox 57.0を利用する際にスクリーン・リーダーNVDAのユーザーが受ける可能性のある影響について述べられています。

また、Jonathan Mosen氏が公開した記事、Important information for users of Mozilla Firefoxでも、スクリーン・リーダーJAWSのユーザーが新バージョンのFirefoxを使用する際に受ける影響について書かれています。

どちらの記事でもFirefox 57.0をスクリーン・リーダーとの組み合わせで使用する場合、閲覧するページによっては読み込みに時間がかかってしまうことが紹介されており、問題が解決するまでの間はFirefoxの延長サポート版の使用を進めています。

Marco氏の記事の中では、NVDAとFirefox 57.0との組み合わせでページの読み上げに時間がかかる例として、WikipediaのWorld War Iのページが紹介されていました。

一スクリーン・リーダーの利用者として、現在の最新版であるFirefox 56.02と、新しいFirefox 57.0では上記のWikipediaのページが読み上げられるまでにどれくらいの違いがあるのかが気になりましたので、Firefox Developer Edition - Mozillaをダウンロードして試してみました。

記事で述べられていたとおり、「World War I」というリンクを開いてからページの内容が読み上げられるまでには差があることがわかりました。

せっかくですので、NVDAの読み上げ音声で違いをご紹介したいと思います。

幸いなことに、スクリーン・リーダーを使用しているFirefoxの利用者がこの影響を受ける期間はそれほど長くはないようで、各スクリーン・リーダー開発者とMozillaが連携して問題解決に取り組んでいることが紹介されていました。

複数のFirefoxをインストールして使い分けるという方法もあるようですので、必要に応じて使いやすいバージョンを使用しながら、今後のリリースに期待したいと思います。