WCAG 2.2のドラフトが更新されました

アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)

W3Cからアナウンスされているように、2021年5月13日付けのWCAG 2.2 Working Draft(作業草案)が更新されました。(前回の記事もあわせて参照ください)

前回からの大きな変更点としては、WCAG 2.2で追加されたほぼ半数の達成基準(Success Criterion; SC)の名称が変更されている点です。名称が変更された達成基準は次のとおりです(「→」の前後は変更前と変更後になります)。

  • SC 2.4.13 Fixed Reference Points→Page Break Navigation
  • SC 2.5.7 Dragging→Dragging Movements
  • SC 2.5.8 Pointer Target Spacing→Target Size (Minimum)
  • SC 3.2.6 Findable Help→Consistent Help
  • SC 3.2.7 Hidden Controls→Visible Controls

また、SC 2.5.8の名称変更とともに、SC 2.5.5 Target SizeがTarget Size (Enhanced) に変更されています。SC 2.5.5がEnhancedであり、SC 2.5.8がMinimumとなっているのはWCAG 2.1から既存の番号を変更しないため、一見奇妙ですが番号順と逆転していることになります。

各達成基準の内容ですが、差分を取ってみたところ、WCAG 2.2で追加された9つの達成基準すべてに大幅な変更が入っていることを確認しています。まだ変更後の内容の詳細を読み込めていませんが、実質的に別物と思ったほうがよいのかもしれないというのが個人的な感触です。

このドラフトについては6月11日までレビューコメントを受け付けているとのことですので、何か気づいたことがあればGitHub w3c/wcagにコメントを送ってみてはいかがでしょうか。