WCAG 2にまつわる動向3題
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)比較的最近のWCAG 2に関係する3つの話題をAccessibility Guidelines Working Groupのメーリングリストや議事録から拾ってみました。
1つ目は、WCAG 2.2の編集的なエラッタ(正誤表)が発行される見込みというものです。8月17日の投稿で合意形成がなされたことが書かれています。
実際のエラッタの内容については、GitHubのSummer 2026 errata for WCAG 2.1 / 2.2というプルリクエストで確認が可能です。 エラッタの数としては全部で6つあり、そのうち日本語のレベルで変更が入りそうなものは次の2つでしょうか(もちろん編集的な修正になります)。
- Conform phrasing in exception of 1.4.13 #4741
- Amend process definition to remove registration example #3538
2つ目は、達成基準 2.4.11/2.4.12の「Focus Not Obscured」(隠されないフォーカス)を「Focused Component Not Obscured」に改名しようという提案です。(7月13日の投稿)
実際のGitHubでの議論はRename Focus Not Obscured SCs to Focused Component Not Obscured #5183で行われています。個人的には変えるとなると日本語としてどう訳すものか...と考えてしまうところですが、さておき、この変更が取り入れられるのであれば、WCAG 2.3が発行されることになるのかもしれません。
3つ目は、WCAG 2のエラッタと更新に関するオンライン会議での議論です。(6月30日の議事録)
この会議では、2つの決議が採択されました。翻訳してみるとこんな感じでしょうか。
- WCAG 2タスクフォースは、W3C ProcessのCorrection Classes(参考日本語訳)に定義されたClass 1およびClass 2のエラッタの作業をWCAG 2.1および2.2に対して継続する。また、この決議はClass 3~5の変更に関する作業を妨げるものではなく、それらは別途議論する。
- タスクフォースは、次期Charter(憲章)期間での検討材料を準備するため、Class 3以上の「提案された変更」について作業を継続する。これらの変更は、Charter期間中またはその後に追加レビューを受ける。また、WCAG 2.3を策定すべきかどうかを判断するための材料として活用する。
ということで、WCAG 2.3があり得ることが示唆されています。WCAG 3との兼ね合いでワーキンググループがどこまでWCAG 2に注力するのかという懸念がありますが、ワーキンググループがWCAG 2.3を視野に入れてメンテナンスするのかどうか、今後も注視していきたいと思います。