スクリーンリーダーでの英語の読み上げ
アクセシビリティ・エンジニア 大塚多くのスクリーンリーダーには、テキストの言語に応じて音声エンジンを自動で切り替える機能が搭載されています。ただし、設定によっては有効になっておらず、外国語のテキストが日本語の音声エンジンで読み上げられてしまう場合があります。
外国語の中でも、英語は日本語のWebサイトや文書にも頻繁に登場します。今回は、そんな英語を例に、主要なスクリーンリーダーでの音声エンジンの自動切り替えの設定方法と、実際に使ううえでの考え方について紹介します。
NVDAでは、設定の「音声」カテゴリーにある「サポートされている場合自動的に言語を切り替える」をチェックすると、テキストの言語に応じて音声エンジンが切り替わります。なお、切り替え先となる英語の音声エンジンがWindowsにインストールされている必要がありますが、音声エンジンをWindows OneCoreにしている場合、通常は英語の音声エンジンも利用できます。
PC-Talkerでは、英語音声エンジンが標準で搭載されており、設定の「英語音声の設定」で「なめらか読みに英語音声を使用する」をチェックすると、英文や英単語が英語音声で読み上げられます。
iOSのVoiceOverでは、設定 > アクセシビリティ > VoiceOver > 発話サポートから「言語を検出」をオンにすることで、言語に応じて音声エンジンを切り替えられます。切り替え先の言語は、同画面の「ローターの声を追加」から追加しておく必要があり、日本語と英語の両方がある状態にする必要があります。なお、ローターの「言語」から、メインで読み上げる言語を切り替えることもできます。
TalkBackでは、設定 > ユーザー補助 > TalkBack > 設定 > テキスト読み上げの設定 > 設定 > 言語の検出 から、「オフ」「弱」「強」のいずれかを選択でき、「オフ」以外にすることで言語に応じて音声が切り替わります。切り替え先の言語は、「テキスト読み上げの設定」の「言語」から追加しておく必要があります。また、読み上げコントロールの「音声の言語」から、メインで読み上げる言語を切り替えることもできます。
音声エンジンの自動切り替えは、テキストの文字種や、テキストに含まれる言語情報などに基づいて行われます。Webページの場合、参照されるのはHTMLのlang属性です。そのため、設定を有効にしていても、コンテンツ側で言語が指定されていなければ切り替わりません。
なお、私自身は状況によって音声エンジンを使い分けています。ソースコードを確認する際は、記号や英数字の読み上げになじみのある日本語の音声エンジンを使い、長文の英文を読む際は、自然な発音で聞き取りやすい英語の音声エンジンを使っています。自動切り替えは便利な機能ですが、読み上げる内容によっては、あえて切り替えずに読んだ方が理解しやすい場合もあります。
音声エンジンの自動切り替えは、外国語のテキストをスムーズに理解するうえで重要な機能です。ただし、特にWebページ内のテキストについては、ユーザー側の設定だけで完結するものではありません。コンテンツ側で言語が適切に指定されていることも、正しく音声を切り替えるための重要な要素となります。