テックラウンジVol.102「作るだけじゃない開発者の『知る視点』」(12月10日開催)
広報担当 山野井2025年12月10日(水)、社内ナレッジ共有イベント「テックラウンジVol.102」が開催されました。このイベントは、技術だけでなく、ディレクション・デザイン・チーム運営など幅広いテーマを扱い、部署や職種を超えた学び合いの文化を育むことを目的としています。今回は開発者からUXリサーチャーにジョブチェンジしたSさんが登壇し、開発者に求められる「知る視点」をテーマに、ユーザー視点の重要性と、開発中に生まれる小さな違和感を品質向上へとつなげる考え方を紹介しました。

テックラウンジの様子
「知る視点」が求められる背景
最初に「知る視点」とは、技術的な要件だけでなく、誰が・どのような状況で・どのように使うのかを理解しようとする姿勢だと説明しました。Sさんは開発者時代に「操作が複雑になりそう」「利用者にとって負荷が大きくならないか」などと感じたことがあると言います。こうした違和感や懸念を、ユーザー課題の「初期サイン」として捉えることが、品質向上やプロジェクトの安定運用につながると語りました。
「知る視点」を構成する2つの力
Sさんは、「知る視点」は単なるユーザー理解にとどまらず、原因の探求を行う「深掘りする力」と、知ろうと行動する「気づく力」の2つで構成されていると説明しました。後者の「気づく力」は、実装や設計に向き合う現場の開発者だからこそ発揮される場面が多いといいます。そして、技術的な実現性や要件の充足といった開発者側の「作る視点」と「知る視点」を兼ね備えることで、より品質の高い成果物につながると主張しました。
違和感に気づくための3ステップ
- 1.想定ユーザーを30秒で書き出す
- 対象があいまいなまま制作する状態を防ぐことで、判断の軸がぶれなくなる。
- 2.自分で1分間の操作フローを体験する
- 技術では見えない使いづらさや操作のつまずきに気づける。
- 3.違和感リストを作る
- 直感レベルの小さな課題が可視化され、手戻りの原因が早期に抑えられる。
まとめ
今回のテックラウンジでは、「作る」だけでなく「知る」ことの大切さに焦点を当て、開発者ならではの視点でユーザー理解を深めるヒントが共有されました。開発中に生まれる小さな違和感を見逃さず、行動につなげる姿勢が品質向上につながるというメッセージは、日々の開発業務を振り返るきっかけになったのではないでしょうか。
次回のテックラウンジもお楽しみに!