Firefox 102.0がリリース

エグゼクティブ・フェロー 木達

デスクトップ版Firefoxのバージョン102.0がリリースされました(リリースノート:Firefox 102.0, See All New Features, Updates and Fixes)。

今回のアップデートで個人的に気になったのが、updateというメディア特性への対応。これは、コンテンツを出力する対象が、どれぐらいの頻度で表示を更新できるかに応じて、スタイルを変更できるようにするものです。

値にはnone / slow / fastの3種類が用意されています。対象が一般的なPCやスマートフォンであれば表示上の更新頻度に制約なくCSSアニメーションを利用できるためfast、紙面であれば逆に更新は一切できないのでnone、一部の電子ブックリーダーのように頻繁な更新が行えず滑らかなアニメーション表示できないデバイスであればslowを選択することになります。当初、具体的なユースケースをイメージできなかったのですが、該当のBugzillaを見ますと

Authors can use that to style things differently on print vs ebook readers, even though both media are paginated. This kind of nuance was not possible to express just with @media print {...}

というくだりがあり、なるほど従来のメディア種別(print)だけでは難しかった区別が可能になるのですね。電子書籍やそれに類するコンテンツでの利用が強く意図されているように感じましたが、ハードウェアの進化は著しいので、slowの指定に現状どれだけニーズがあるのか興味が湧きました。

本バージョンには、ほかにも複数の機能追加、バグ修正、セキュリティ修正(全19件、うち重要度高:4件)が含まれています。開発者向けには、Firefox 102 for developers - Mozilla | MDNが参考になるでしょう。

次のメジャーバージョンアップ、Firefox 103のリリースは、Firefox Release Calendar - MozillaWikiによると2022年7月26日の予定のようです。