2021年9月7日 「政府統一Webサイト」コロナ下の“新しい挑戦”

株式会社ミツエーリンクスTSD
プロダクトマネジメント部 プロダクトマネージャー
榛葉 裕幸

9月1日に発足したデジタル庁が主導する「政府統一Webサイト」構想。パンデミック禍で顧客接点としてWebサイトの重要性が増すなか、今後の企業Webを占う上でも注目の新しい取り組みが始まろうとしています。

デジタル庁の発表によると、先行していた調査事業が8月で終了し、9月からは実際に評価サイトを構築した実証事業を開始するといいます(政府統一Webサイトに関する調達の入札説明会を行いました)。

その実証事業で、私たちが注目したのは、デジタル庁が指定した評価サイト構築のための要素技術です。なぜならそれは、Webサイトの構築手法=技術パラダイムの転換を予感させるものだったからです。

キーワードは「クラウド」「ヘッドレスCMS」「Jamstack」。とりわけ「Jamstack」と呼ばれる、新しい技術パラダイムへのチャレンジに力点が置かれています。

Jamstackをごく簡単に説明すると、Webサイトをより速く安全に、そしてより簡単に拡張できるように設計されたアーキテクチャコンセプトとされます。

なぜ今、新しい技術パラダイムに挑戦するのでしょうか。

目指すは“TXの向上”

私なりに読み解くなら、Webの産業化にともなう「高度な専門分業化への対応」と、それゆえに求められる「トータル・エクスペリエンス(TX)の向上」という現代的な課題が挙げられます。

世界で初めてWebサイトが公開されたのは、今から30年前の1991年(Webサイト生誕30周年 その歴史と発展を振り返って)。当時のWebサイトは個人の手による素朴なものでしたが、GAFAMが席巻する今日、Webは様々なレイヤーで専門分化し複雑に分業する一大産業です。

企業Webも例外ではありません。クリエイティブ、ビジネス、ITのすべての要素が協働することで成り立ちます。デザイナーやプランナー、エンジニア、ビジネスユーザーなど、背景もスキルセットも異なるメンバーが相互に連携して運営されます。

しかし、これは異文化コミュニケーションです。文化的背景の異なるメンバーが誤解やストレスなく連携することは決して容易なことではありません。心理的安全性の担保、ITツールによるサポートは必要不可欠です。

次に、もとより顧客体験(CX)の向上はあらゆる企業にとってビジネス課題です。Webが顧客行動の起点となるなか、「コア ウェブ バイタル」のようにWebサイトのUX指標向上は企業Webの重要ミッションといっていいでしょう。

しかし、高度に専門分業する現代において、CXのみ個別に改善する発想は通用しません。それを裏方で支える従業員体験(EX)や開発者体験(DX)を含めた、すべてのエクスペリエンスをトータルで向上しなければ、持続的な優位性は生まれないといいます(ガートナー2021年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド)。

すなわち、Jamstackの本質的な価値は、高速・安全・スケーラブルなWeb体験を持続的に提供するために、それを支えるデザイナーやエンジニア、ビジネスユーザーが頑張らなくても大丈夫のデザイン=トータル・エクスペリエンスの向上とみています。

TXを爆上げする“新サービス”

実は、Jamstackのアイデアを実践する新しいクラウドサービスが登場しています。「Jamstackプラットフォーム」と総称され、大手クラウドベンダーも参入する、非常にホットな分野となっています。

なかでも私たちが注目するのは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するAWS Amplifyです。

AWS Amplifyは、モダンなWeb開発を支援するツール群で構成されますが、200を超える他のAWSサービス群との親和性も高く、すでにAWSユーザーである企業には魅力です。

とはいえ、Jamstackプラットフォームベースの開発は急速な進化の只中にあり、私たちもユーザー企業として日々実践を通じた経験学習のサイクルを回しています。先日も社内エンジニア向けに勉強会を開催しました。

発表者の古川は、「TXを爆上げするアマゾンのすごいウェブサービス」と連呼しておりましたが、その真価はいかに?

セミナー開催のお知らせ

百聞は一見にしかず。来る 9月17日(金)、オンラインセミナーを開催します。

いかにして「Jamstackプラットフォーム」は企業サイトの現実の課題を解決するのか、Jamstackのアイデアを企業Webへの適用の観点から、AWSクラウドを活用した当社的実践とともにご紹介します。

Web担当の皆さまの日頃の情報収集、最新情報のキャッチアップにお役立てください。ご参加をお待ちしています。