視覚障害者にとってのNDLOCR-Liteの使いどころ
アクセシビリティ・エンジニア 大塚国立国会図書館(NDL:National Diet Library)の運営するNDLラボが、NDLOCR-Liteを公開しました。OCRとはOptical Character Recognitionの略語で、光学的な手段で文字を認識し、テキストデータに変換する技術を指します。NDLOCR-Liteを利用すると、画像ファイルから文字情報を抽出し、テキストやJSON、PDFファイルに書き出すことができます。
視覚障害者にとってOCRは、画像や画像化されたPDFなど、そのままの状態では読み取れない情報へアクセスするための重要な技術ですが、特にWindowsのスクリーンリーダー環境で利用できるソフトは限られています。私が知る限り、高知システム開発によって開発されたMyRead7など、わずかな選択肢に限られているのが現状です。
NDLOCR-Liteは、視覚障害者向けに開発されたものではありませんが、スクリーンリーダーと組み合わせて利用できれば、OCRソフトの貴重な選択肢の1つになりそうです。
Windows版をNVDAと組み合わせて利用したところ、画像ファイルを読み込んでのOCR実行や、出力先や出力形式の変更といった基本機能が、問題なく利用できました。一例として、当サイトのトップページのスクリーンショットを認識させてみました。以下に、実際に使用したスクリーンショットを示します。

トップページのスクリーンショット
ページ上部のグローバルナビゲーションにある文字は、以下のようにかなり正確に認識しました。
サービス実績紹介ナレッジセミナーニュース会社情報採用情報
一方、「Column」や「Blog」のセクションについては、日付と対応する記事がずれてしまったり、正しく認識されない文字も見られました。
2026年3月24日アクセシピリティBlog
担当者が変わっても品質が落ちないWeb運用ヘオペレーションセンターの設計思想
Well-Known URIsに基づくアクセシビリティの問題点の報告
ただ、こうした状況は、ページの構造や画像のキャプチャー方法によっても大きく変わってくると考えられます。
多くの機能が問題なく利用できた一方、画像内や画面内から認識個所を指定してOCRを行うにはマウスでの範囲指定が必要で、スクリーンリーダーからアクセスできませんでした。
NDLOCR-Liteは、スクリーンリーダー環境で利用できる貴重なOCRソフトと言えます。今後は特に、画面内の範囲を指定して認識する機能について、ウィンドウ単位で指定できるようになるなど、スクリーンリーダー環境でも扱いやすくなることが期待されます。