WCAG 2.2日本語訳の大幅更新
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)WAICのニュースリリースにあるとおり、WCAG 2.2日本語訳が更新されました。
特筆すべきは、JIS X 8341-3改正を見据えて、ガイドラインを含む達成基準の名称と本文の内容について、日本語訳を大幅に見直したことです。見直しの際には、予定している改正JISとの内容の違いがなるべく小さくなるよう、JISの規格票の様式を定めたJIS Z 8301を可能な範囲で反映させるようにしています。
変更前のWCAG 2.2の日本語訳と変更後のものを見比べてみますと、代表的なガイドラインの名称の変更については、
- 1.2. 時間依存メディア → 時間ベースのメディア
- 2.1 キーボード操作可能 → キーボードアクセス可能
などが挙げられます。また、代表的な達成基準の名称の変更については、
- 1.3.3 感覚的な特徴 → 感覚による特性
- 1.4.1 色の使用 → 色の用途
- 2.2.1 タイミング調整可能 → 期限調節可能
- 2.4.1 ブロックスキップ → ブロックのバイパス
- 2.4.4 リンクの目的 (コンテキスト内) → リンクの目的 (文脈内)
- 2.4.5 複数の手段 → 複数の経路
- 3.3.2 ラベル又は説明 → ラベル又は指示
などが挙げられます。見慣れた達成基準の名称に多数の変更が入っているあたりは、慣れが必要そうです。
見直し作業自体は、JIS改正の準備を行っているWG6内のサブグループで2023年末から行っていたもので、およそ2年半でここまで漕ぎつけることができました。振り返ってみると、2年かかっていたという事実に衝撃を覚えていますが、サブグループでの議論はときには1つの達成基準の名前で1時間行ったりするなど、活発な議論を行った記憶が蘇ってきます。
本文の内容の変更については、枚挙にいとまがないのでここでは取り上げません。変更の内容について詳細を知りたいという方は、GitHubのリリースに列挙されていますので、そちらを当たっていただければと思います。
是非、新しいWCAG 2.2日本語訳をご覧ください。