コンテンツ計画を創造し、測定し、成功する
コンテンツ計画を事前に立てるのは難しいものです。特に、現代のような不安定で変化が速い世界ではなおさらです。
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」2025年2月18日に公開された記事「Create, measure and win with editorial planning」の日本語訳です)

イギリスのエンジニアリング大手Petrofacのポッドキャスト「Energy Talks」は、現代的な企業の知見を発信するポッドキャストの好例です。
先日、私たちはクライアントの皆さまと、企業Webサイトをはじめとしたデジタルチャネルのコンテンツ計画について、ざっくばらんに話し合いました。彼らは、閲覧者に響くコンテンツの特性、効果的な情報収集の方法、そして成果をどのように測定しているかなど、貴重な見解を共有してくれました。
ここでは、コンテンツ戦略を再考するのに役立つ、6つの重要なポイントをご紹介します。
1. 60:40のバランス
「コンテンツの60%を事前に計画し、40%を柔軟に対応するための余地として残しましょう」
しっかりとしたコンテンツ戦略は、構造から始めることが重要ですが、同じくらい柔軟性も重要です。年初にコンテンツの60%を計画します。同時に、目標に合わせて主要なテーマや伝えたいストーリーを洗い出しておきましょう。これがコンテンツ・カレンダーの原型となります。では、残りの40%は?それは、調整のための余地です。突然ニュースが届き、予期せぬ危機が起こるかもしれません。優れたコンテンツ戦略は、そうした事態にリアルタイムで対応できる「遊び」を持たせているものです。大まかな計画を立てつつ、どんな話題を主導していくかを予測しながらも、常に臨機応変に対応できる柔軟性を持ちましょう。
2. 企業っぽさよりも本物らしさ
「飾らずに、ありのままでいきましょう」
閲覧者、特に若い世代は、いかにも「会社が作った」と感じられるコンテンツを嫌います。硬い表現や専門用語を多用し、完璧すぎるほど磨き上げた記事は、人間味がなく、現実味がないと思われてしまいます。そうではなく、飾らない本音こそが人の心をつかむのです。共感を呼び、人を引きつける最高のストーリーは、人間味にあふれています。そうするための簡単な方法は? 寄稿者に、こう尋ねてみましょう。「このテーマについて、友だちに伝えるなら、どうやって話しますか?」。会社というフィルターを外して、個人的な体験に基づく、リアルな表現を大切にしましょう。
3. 社員の言葉で語るストーリー
「個人的な視点と、現場で起きているイノベーションが、最高のストーリーを生みます」
人を引きつけるストーリーは、会社の中で生まれます。そして、社員一人一人の真実味がある言葉や個人的な視点は、閲覧者の共感を呼びます。例えば、国際女性デーにさまざまな部署で活躍する女性たちを紹介したり、世界対がんデーに社員の個人的な経験を共有したりすることで、リアルな声とストーリーが閲覧者の心に響き、会社に人間味を与えます。
しかし、従業員を巻き込むことは、簡単ではありません。参加へのハードルを下げ、気軽に手を挙げられる仕組みを作りましょう。例えば、素晴らしいストーリーを見つけるために非公式のチャットを開催したり、親しみやすい写真コンテストを開催したり、長文の代わりに簡単な質疑応答を使用したりするのです。参加へのプロセスが簡単で、インタラクティブであればあるほど、社員は積極的に情報を共有してくれるようになり、そのコンテンツは本物らしくなります。
4. 量より質を重視する
「長文の記事を細かく切り分けて、SNS用の、20以上のコンテンツにしよう!」
「閲覧者に響くコンテンツを」と、企業はやみくもに記事を量産する必要はありません。それよりも、閲覧者を引きつける、高品質でストーリー性のあるコンテンツの作成に集中することのほうが重要です。600字の記事であろうと、5分間の動画であろうと、大切なのは「価値」を届けることです。
高品質でストーリー性のあるコンテンツを作成したら、それを複数のSNS投稿に活用しましょう!印象的な言葉を引用したり、要点を短くまとめたり、説得力のある統計データで注目を集めたり。長いコンテンツを、ちょっとした気づき(インサイト)のように短く加工することで、継続的なコンテンツ作成の苦労なしで、閲覧者へのリーチを最大化できます。このやり方なら、せっかく作ったコンテンツを最大限に活かせます。
5. 新しいフォーマットを取り入れる
企業サイトは、昔からある「Stories」のカテゴリーから、飛び出すべき時が来ました!
閲覧者は、YouTubeショートのような、短くてインパクトのあるコンテンツを好む傾向が強くなっています。また、ポッドキャストは、企業がソートリーダーシップを示す手段として、人気が高まっています。込み入ったテーマであっても、より個人的かつ魅力的に深く掘り下げて伝えられることが利点です。新たにポッドキャストを始めるのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、新しい発想でチャレンジできるエキサイティングな機会ととらえてみてください。コンテンツのフォーマットを多様化することで、情報発信がマンネリ化せず、閲覧者が希望する場所や形で、情報を適切に届けられるようになります。
6.本当に重要なことを測定する
「目標から逆算して考えよう」
コンテンツの効果測定において、単純に数字を追うだけでは意味がありません。ビジネスにとって本当に価値のあることを計測することが大切です。アクセス数やエンゲージメントなどの定量的な指標だけではなく、メディア露出など定性的な成果も把握できる仕組みを導入しましょう。そして、常に「目標から逆算して」考えて、「何を達成したいのか」という部分と、測定方法がひもづいているか確認してください。ユーザーのエンゲージメント、つまり記事が読まれた時間や、動画の視聴時間などを追うことは、特に重要です。たとえ再生数や閲覧数が少なくても、狙った相手に深く刺さっているコンテンツであれば、それは価値があるといえます。覚えておいてほしいのは、「広く浅く」よりも「狭く深く」ターゲットへリーチすることが、常に成果につながる、ということです。