深みのある編集記事が、再び注目されている!
内容が充実していて、企業の人間らしさが伝わり、AI検索にも強い。2026年の今、企業に求められる、共感を生むコミュニケーションとは、どのようなものでしょうか? いくつかのポイントを紹介します。
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2026年4月16日に公開された記事「Rich editorial is back!」の日本語訳です)
Bowen Craggsの編集責任者であるCaterina Sorenti氏が、スイスに本社を置く世界有数の天然資源・鉱山開発企業Glencoreのシニア・コーポレート・アフェアーズ・マネージャーであるMax Karpf氏、イギリスの保険大手Avivaの対外デジタルコミュニケーション責任者であるPaul Burgess氏、同社の写真・編集責任者であるSam Woods氏に話を聞きました。テーマは、内容が充実していて、読み手を引き込み、企業の人間らしさが伝わるストーリーを、企業はどのように企画・制作しているか、です。
彼らが目指すのは、企業の中心にいる「人」に焦点を当てたコンテンツを制作しながら、大規模言語モデル(LLM)にも重要な情報を提供することです。

Glencoreの動画シリーズ「At the Core」は、同社で働く人々を紹介しています
1. 自社のメッセージを明確かつ透明性をもって発信する。AIもそれを読む時代だから
AIボットは、今や企業が新たに考慮すべき、非常に影響力のあるステークホルダーです。自社が保有するチャネルで自らのストーリーを発信しなければ、AI検索ボットや回答エンジンは、別の情報源から情報を取得します。しかも、その情報が必ずしも正確であるとは限りません。
AvivaのPaul Burgess氏は、次のように述べています。「これからの時代に成功するのは、コンテンツがAIに単にインデックスされるだけではなく、引用されるほどの高い質を備えている組織です」。
これは、従来のSEOからの大きな転換を意味しています。今後は、企業が重要なテーマについて、明確で質の高いコンテンツを発信することが、企業の評判を形づくる上で、これまで以上に大きな意味を持つようになるでしょう。
また、透明性についても、これまで以上に重視する必要があります。AIは公開されている幅広い情報を収集するため、企業はデリケートな問題やセンシティブなテーマについても、率直かつ正面から向き合わなければなりません。
重要な情報をWebサイトの奥深くに埋もれさせたり、企業の評判に関わる重要なテーマについて明確な立場を示さなかったりすることは、もはや通用しません。企業が発信しなくても、AIが何らかの情報を見つけ、ユーザーに提示するからです。
GlencoreのMax Karpf氏は、「構造的な透明性をコミュニケーションプロセスに組み込むこと。これを基本方針とすべきです」と強調しています。優れた編集コンテンツを制作するには、まず自社が抱える課題を認め、不足している点を受け止めた上で、改善に向けた取り組みやその進捗を、具体的な根拠とともに示すことが重要です。
Even if no-one is reading it, something is reading it
「たとえ誰も読んでいなくても、何か(AI)が読んでいます」
Sam Woods氏(Aviva)
2. 人を中心に据えた、偽りのないストーリーで信頼を築く
AIが瞬時に情報を要約するようになり、多くの企業がWebサイトへのアクセス数の減少を報告しています。それでも、企業Webサイトの重要性は変わりません。
質の高い編集記事を掲載することで、企業Webサイトは、AIの要約だけでは得られない価値を持った、ユーザーが訪れる理由となる情報発信拠点になります。人間らしさやありのままの姿を大切にする編集記事のアプローチは、求職者・投資家・従業員・メディア関係者など、重要なステークホルダーから高く評価されます。
Caterina Sorenti氏は次のように説明しています。「いま訪問者が求めているのは、問いに対する答えだけではありません。自分が向き合っているのはどのような企業なのか、理解することで安心したいと考えています」。
人を中心に据え、企業のありのままの姿を伝えるコミュニケーションは、AIが生成する短い要約では実現できない方法で、企業への信頼を築きます。
ベストプラクティス:本記事の冒頭で紹介しているGlencoreの動画シリーズ「At the Core」は、企業の中心で働く人々に焦点を当て、その一人ひとりのストーリーを伝えています。
3. 人にもLLMにも価値を届ける、高品質な長尺動画に投資する
ドキュメンタリー形式の長尺動画は、企業が発信する情報の深さ・専門性・信頼性を、LLM(大規模言語モデル)に伝える重要なコンテンツです。
AvivaのPaul Burgess氏は、次のように述べています。「コンテンツに深みや文脈、専門性があるほど、AIの回答に取り上げられる可能性は高まります」
動画には、LLMへ情報を提供する役割だけではなく、人間らしさや個性、感情を伝えるという、ほかの形式では代替しにくい特長もあります。
AvivaのSam Woods氏は、次のように話しています。「動画は、テキストだけでは伝えられないストーリーを訴求するのに適しています。人間らしさを伝えられることから、動画は人を中心としたストーリーを語る最良の方法と言えるでしょう」
しかし、企業が制作する長尺動画は視聴されないという考え方が、長い間、一般的な前提とされてきました。
このことに対して、Max Karpf氏は次のように述べています。「長尺動画がうまくいかないという考えを、私は信じたくありませんでした。単に、これまでの企業動画の多くが、それほど面白くなかっただけだと思います」
I think when you show real places, real conversations and real experts, it builds credibility, and it builds it fast. It's not about polish, but clarity, trust and depth
「実際の場所や会話、本物の専門家を取り上げることで、信頼性を築くことができます。しかも、その信頼はすぐに生まれます。重要なのは、表面的に磨き上げることではなく、分かりやすさ、信頼、そして内容の深さです」
Paul Burgess氏(Aviva)
長尺動画は、短いコンテンツに再編集して活用することもできます。また、LinkedInで発信を広げたり、従業員を紹介するコンテンツとして利用したりすることも可能です。
ベストプラクティス: Avivaの長文記事は、情報の深さを重視した、質の高い編集コンテンツの好例です。

AvivaがNewsroomに掲載している長文記事