日本電子専門学校でWebアクセシビリティの出張授業を行いました
広報担当 小暮当社は、社会貢献の取り組みの1つとして、Webアクセシビリティの出張授業を専門学校向けに無償提供を開始しました。
その1回目となる出張授業を日本電子専門学校で行いました。
本Blogでは、実施内容と参加くださった学生のみなさまの感想を中心にご紹介します。
実施内容について
当日は、Webデザイン科の1年生と2年生、約70名の学生のみなさまにご参加いただきました。講師は当社エグゼクティブ・フェローの木達が務め、「これからはじめるWebアクセシビリティ」と題した、2部構成の特別授業を行いました。
1部では、「Webアクセシビリティ入門編」として、Webアクセシビリティの基礎知識やア取り組むべき理由について解説しました。理解を深めていただくため、「Webアクセシビリティに対する見方は変化したか」「Web業界に進んだら、アクセシビリティにどう取り組みたいか」をテーマに、グループディスカッションも行いました。

2部では、「改正障害者差別解消法とWebアクセシビリティ」と題し、昨年4月に施行された改正障害者差別解消法の主な改正点とWebアクセシビリティにおいて配慮すべき点について解説しました。その後、「障害者差別解消法のような法律は必要か」「企業に対する合理的配慮/合理的調整の法的義務化に賛成か」といったテーマで、グループディスカッションを行いました。

3時間という長丁場でしたが最後まで熱心に耳を傾けてくださり、授業内容を的確に理解し、自分の考えに落とし込みながら議論が進められていた様子がとても印象的でした。
授業の様子は、日本電子専門学校様の記事でもご紹介いただいていますので、こちらもぜひご覧ください。
参加された学生のみなさまの感想
当日ご参加いただいた学生のみなさまから寄せられた感想の一部を、抜粋・編集のうえご紹介いたします。
Webアクセシビリティは、特別な人のための配慮ではなく、当たり前に考えるべきことだという価値観に変わりました。HTMLを基本に忠実に書くということが、アクセシビリティ対応につながるという点が強く印象に残りました。
Webデザイナーを志望しているので、「万人に伝わりやすいサイト」を心がけて制作をしていましたが、今回のアクセシビリティについての話を伺い、よりいっそうその気持ちが強くなりました。
障害者差別解消法についての内容が印象深かったです。授業を受けるまで、その存在を知らなかったのですが、障害者でも健常者でも同様のサービスを受けられる社会になるためには、とても重要な法律だと感じました。法律には難しいイメージを持ってしまいがちで避けていましたが、これからは知る努力をしていきたいです。
アクセシビリティという言葉をなくしたい、という考えに共感しました。誰もが当たり前に配慮できるようになれば、それが普通となり、特別なことではなくなります。Webの世界にとどまらず、よい社会の実現にもつながっていくと思います。
アクセシビリティ・オーバーレイについてあらためて考えるよい機会になりました。「よく見かけるから」という理由ではなく、その機能がどのような目的を持ち、誰のために存在するのかを深く理解した上で、今後の制作で効果的に活用していきたいと考えています。
アクセシビリティはデザイナーが考えるもの、何か特別に対応するものだ、という誤解をしていたことに気づきました。エンジニアとして働いていく上で、altを設定したり、正しいタグを使ったHTMLを書くことで、アクセシビリティの向上に努め、誰にとっても使いやすいサイトを作っていきたいです。
授業を受けて、自分の目標に変化が起こりました。今までは、自分が思ったかっこよいサイトを作りたいと考えていましたが、誰かのためにユーザーの視点から情報が分かりやすくて、日常生活の楽しさを感じられるサービスを作りたいと思っています。
今回の授業で、さまざまな方の現状や使いにくさを感じるポイント、法律など幅広い分野の知識がWebサイト制作には必要なことを知ることができました。わたし自身も視野を広げてたくさんの物事に興味関心を向けて、知識を増やしていこうと思います。
授業後は、サイトを制作する工程で、Webアクセシビリティを意識する機会がとても増えました。「目が見えない人がこのサイトを使って不便に感じないだろうか」など、いろいろな人の視点に立って考えることができるようになりました。これからもWebサイトを作る上での知識を増やし、誰にとっても使いやすいWebサイトを作れるように頑張りたいです。
最後に
開催にあたり、ご参加いただいた学生のみなさま、そして準備・運営にご尽力くださった先生方に、心より御礼申し上げます。
特に1年生のみなさまにとっては、入学間もない時期であり、内容をどこまで受け止めていただけるか不安もありました。しかし、寄せられた感想の一つ一つから、「まずは知っていただくこと」の大切さを、私たち自身があらためて実感する機会となりました。
この気づきを大切に、今後もこうした出張授業を通じて、Webアクセシビリティに対する理解を広げていければと考えています。ご関心のある教育機関のご担当者さまがいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。