イベントレポート:「Web担当者Forumミーティング2025秋」に登壇しました
エグゼクティブエディター 上原2025年11月7日、Web担当者Forum(株式会社インプレス)主催の「Web担当者Forum ミーティング2025 秋」が、東京港区の赤坂インターシティコンファレンスで開催されました。当社からは代表取締役(CTO)の藤田拓が、「企業Web戦略の転換点 ─ AIで実現する新たな効率化と集客」というテーマで講演しました。
Web担当者Forum ミーティング2025 秋とは?
このイベントは、Web担当者Forumによる無料セミナーで、毎回幅広いテーマで数多くのセッションが設けられ、大手企業のWeb担当者や業界の専門家が登壇します。最新の知識と実務に役立つノウハウを得られることから、企業のWebサイト運営やデジタルマーケティングに関わる方々にとって、著名なイベントの1つとなっています。
よりAIフレンドリーなWebサイトの構築が必須に
当社・藤田が講演したテーマは、前述の通り「企業Web戦略の転換点 ─ AIで実現する新たな効率化と集客」です。
まず、1990年代後半にWebブラウザーの進化と拡大で、誰でも手軽にインターネットを使用可能になったことを引き合いに出し、今AIによってもたらされる変化の波は、それを超えるかもしれないと話しました。実際に、ChatGPT登場以降のAI開発競争では、特許数が急増。AI活用も広く浸透し、文章生成やコーディング、画像・動画編集、データ分析など多くの領域で生産性向上が見込まれています。
一方で、AIに関する懸念点として3つの例を挙げました。
1.コスト・環境負荷
AIの稼働には大量の電力が必要となり、AIサーバーを設置するデータセンターでは、電力消費量が2026年には2022年の約2倍に増加するという推計も。エネルギーコストで比較すると、AI検索は従来のGoogle検索の60~70倍という話もある
2.著作権・法的リスク
AIが学習段階で著作権を侵害してしまう可能性のほか、AIが著作権に触れるコンテンツを生成する恐れがある。しかも、利用者が元の著作物を知らなくても、AIが学習していれば依拠性が推認される可能性があるという
3.セキュリティ
AIへの指示を悪用して、開発者が意図しない動作を実行させる「プロンプトインジェクション」が発生。学習データやサプライチェーンに細工して攻撃するケースも増加している

藤田の講演の様子
次に、多くのWeb担当者が関心を寄せている「AI Overviews」についても言及。検索結果として表示された画面だけで、検索ニーズが完結する「ゼロクリック」が全体の約80%に達したことを紹介しました。そして、ユーザーの検索行動がキーワードの列記から会話のような自然文へと変化したことに触れ、会話文での検索の回答が誤っていると不快に思う人が増えることから、今後は信頼性の高い権威ある情報が一層重要になると話しました。
また、Webサイトを構築する側の視点として、コンテンツの管理機能と表示機能を分離したヘッドレスCMSを取り上げ、コンテンツを構造化したデータとして管理するため、AIや検索エンジンが読み取りやすい、という特長を紹介しました。
最後に藤田は、今後のWebサイトは人間にとって使いやすいことに加えて、AIが情報源として参照しやすい「AIフレンドリー」な設計が必須になると結論づけました。さらに、AIが生成したコンテンツが増えていく中で、AI特有の不自然さを払拭するには、デザインによるイメージ訴求や、得られる知識や体験の価値を設計するような、人の力が欠かせないと強調。そうしたWebサイト構築を目指すお客様を、ミツエーリンクスはサポートしていきますと述べ、講演を締めくくりました。
なお、Web担当者Forumの公式サイトでも、本講演についての記事が掲載されています。ぜひ、こちらも併せてご覧ください。
AI時代、Webサイトの「AIフレンドリー」設計は必須!未来を左右する「信頼性」の構築法

藤田の講演の様子
「Web担当者Forum ミーティング2025 秋」は、2日間で約50講演を実施するという大規模イベントでしたが、中でもAIに関するテーマの講演が多かったように思います。藤田の講演にも非常に多くの参加者が詰めかけ、会場の後方では立ち見をされている参加者の方々が、数多くいらっしゃいました。
なお、この講演内容をより詳しく解説するオンラインセミナーを、2026年2月に当社で開催する予定です。セミナーの詳細がサイトで公開されましたら、こちらの記事でもお知らせします。ぜひご参加ください。