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B2Bマーケティング(2)−Webサイトと営業スタッフの役割関係−

2004年9月24日

取締役副社長兼COO
小野 裕之

最近、企業のWebサイト構築・運用において、新しいノウハウや技術を取り入れるケースが増えてきております。マトリックスWeb構築サービス(マトリックス構造サイト構築+SEO(検索エンジン)対策)、アクセシビリティ対応サイト構築サービス(WebコンテンツJIS準拠サービスWCAG準拠サービス)、Web標準準拠サービス、ビジネス向けBlog構築サービス等、当社もいち早く顧客要求に対応した形で新サービスの開発を行ってまいりましたが、サービス提供とあわせて、これらのWeb構築における最新トレンドや新技術・ノウハウ等をお客様により理解していただくことを目的に定期セミナーの開催を始めております。

7・8月は、潜在顧客の集客を最大化するためのWebサイト構築手法「マトリックスWeb構築セミナー」を開催させていただきましたが、既存の顧客企業はもとより初めてのお客様にも多数セミナーにご参加いただき、おかげさまで過去4回のセミナーは毎回満席となる盛況ぶりでした。セミナーに参加された方の意識も高く毎回多数のご質問をいただき、熱意と関心の高さを感じることできました。また、セミナー終了後のアンケート結果も概ね満足とのご評価をいただくことができて、当社も関係者一同ホッとしている次第です。

さて、冒頭から近況報告になってしまいましたが、今回のコラムのテーマは今年2月に書いた「B2Bマーケティング」の続編という位置づけで、B2B(対企業向け)の企業活動における「Webサイト」と「営業スタッフ等による有人対応」の役割関係について触れてみたいと思います。

前回のコラム「B2Bマーケティング」でも触れましたが、B2BにおけるWebサイト活用で、取引自体を重視する企業は3割程度であり、多くの企業は見込み顧客が取引の意志決定をするために十分な情報を提供することや、取引後のフォローアップに活用することがWebサイトの重要な役割だと考えております。さて、ここでは下記の2点についてさらに考えていきたいと思います。

一般的に、Webに掲載される企業の商品・サービス情報は、供給者の立場から機能訴求をするものが多いかと思います。しかしながら、顧客企業の課題はさまざまですし、自社側から見た視点で説明されたものでなければ、いくら供給者側が他社よりも機能が優れていると言ったところで納得できるケースは少ないはずです。したがって、まず(1)「機能」を利用シーン等の「用途」に変換した情報が不可欠です。すでに導入実績があるのであれば、(2)利用事例の情報も効果的です。その他一般的には顧客の視点からいろいろな質問が出てきますので、(3)Q&A形式の情報も必要でしょう。しかもこの情報は更新性が高いので、それを考慮した機能の実装も必要かと思います。また新規取引の場合においては、商品サービスの機能優位性や利用シーンを理解してもらっただけでは取引に至らないケースも多々あります。最終的には、商品・サービスの背景にある企業の取り組み姿勢等の(4)安心感や信頼感を提供できるような情報も必要になるでしょう。また最終的に顧客企業は費用対効果を必ず意識しますので、可能な限り(5)価格に関する情報も提供していくことが望まれます。

これらの付加情報は、B2C(対個人向け)の商品・サービスの場合は比較的充実しているケースも多いと思います。相手の数が多く有人対応ではコストが見合わないためだと思いますが、B2Bにおいては営業スタッフ等の有人対応が前提になっているためか、ついついそちらに頼りすぎてWebサイトの情報が不足してしまっているケースをよく見受けます。上記のようなケースは想像以上に営業効率を低下させていたり、新しいビジネスの機会を損失している可能性が高いような気がします。

我々は、顧客企業のWeb担当の方から「Webサイトからの問い合わせしてきた案件情報を営業スタッフに提供しても、後回しにされてしまい十分なフォローがしてもらえない」といった悩みを聞くことがよくあります。営業スタッフ側としては、既存顧客のフォローもある中でいきなり新規のニーズも不明な情報を提供されても、限られた時間の中での対応なのでどうしても優先順位が下がってしまうという言い分ですが、これはWebサイトと営業スタッフの連携がうまくできていないケースです。また、逆にWebサイトでしっかりと商品・サービスの情報提供している企業の例では、Webサイトを見ての新規問い合わせが、そのまま一度の訪問で受注に結びつくケースも多いそうです。営業スタッフとしても顧客企業が事前に十分な情報をWebサイトで入手しているため、取引の意思決定をするために足りない情報を補足するのも容易になっているはずです。

さて、では一方で有人対応の役割はどうあるべきでしょうか? もう一度ひとつめの「取引の意思決定をするために必要な情報」を考えてみてください。これらの情報の中には顧客企業とのコミュニケーションを通して得られている情報が多く含まれていることに気がつくと思います。つまり、これらの情報は本来営業スタッフが収集してくるべきものなのです。営業スタッフに対して個別の案件のクロージングだけが役割だと認識している企業が多いかと思いますが、顧客企業に一番近いところにいる営業スタッフは、一番顧客企業のことを知っています。そこで自社の商品・サービスに関してどのように顧客企業に伝えていけば最も効果的なのか常日頃真剣に考えており、オリジナルな提案書・企画書を準備しているケースが多いと思います。この情報をもっとWebサイトに活用することをお勧めします。Webサイトを立ち上げたあと追加更新する情報がないと悩んでいるのであれば、是非この手の情報をうまく活用することを検討してみてはどうでしょうか?営業スタッフの位置づけを、顧客企業からの情報収集と知識化した情報のWebサイトへの反映と位置づけることで、対象顧客全体に対して効果的な情報提供、営業活動が行われることは言うまでもありません。顧客企業とのコミュニケーションは、Webサイトを公開した時点から始まっております。最終的に有人対応が必要な場合でもこれはまったく変わりません。

一昔前は、B2B企業のWebサイトでの情報提供と、現場の営業スタッフの活動は、ほとんど別なものとして動いておりました。しかし最近では、新規取引の候補企業を検討する際には企業のWebサイトを調べるのが普通になっておりますし、逆に情報発信側も営業活動にWebサイトを活用しようという企業も少しずつ増えております。B2B(対企業)の企業活動においては、これらを別々なものとして捉えずに、両者の位置づけをもう一度整理してみてはいかがでしょうか?Webサイトで情報発信して新規顧客との接点を見出す。そこでの課題を営業スタッフが収集し、再度Webサイトに情報として掲載する。このWebサイトと営業スタッフの相互のスパイラル的な活用が、これからのB2B企業におけるビジネスの主流になっていくように思えます。

冒頭セミナー活動に関するコメントをさせていただきましたが、当社においても新サービスをWebサイトで情報発信していく活動において、その後の有人対応をどうしていくかという問題は、顧客企業と同様に非常に重要なテーマです。当社はWebサイトによる情報提供とセミナー(有人対応)を効果的に活用し、顧客企業へのサービスの理解促進と同時に顧客企業の本当の必要な情報・サービスをいち早く知り、改善対応していくスピードを速めていっております。また当社では今月の14日より新コーナー「ビジネスサポート情報」をオープンしました。営業スタッフが顧客企業からいただいたご質問や問い合わせに迅速に対応していくために、積極的にWebサイトを活用して情報発信していく予定です。顧客企業との直接コミュニケーションから得られる情報には、たくさんのビジネスのヒントが含まれています。顧客企業の皆様も、この顧客の声を継続的に聞き続けて改善対応していくために、もっとWebサイトを活用してみてはいかがでしょうか?