AIトランスフォーメーション推進・浸透統括グループの取り組み
X-tech推進本部 副本部長加藤 健志年始に藤田が執筆したコラムにて「AI Transformationの推進」について触れられていました。そこから約3カ月間、少しずつではありますが取り組みを進めています。このコラムでは取り組み内容をいくつかご紹介します。
AIトランスフォーメーション推進・浸透統括グループの発足
まずは部門横断組織としてAIトランスフォーメーション推進・浸透統括グループ(以降、AX推進グループ)を発足させました。この組織はいわゆるAI Center of Excellence(CoE)のような、ハブとして存在する組織です。
AX推進グループは、私が所属するX-tech推進本部のメンバーを中心に構成されています。それぞれ担当部署を持ち、その部署と協働してAIの導入を推進しています。
単なるAIツールの導入で終わらせないために、AX推進グループ側のメンバーは担当部署のAI成熟度レベルを上げることに注力し、現場のメンバーは自分たちの生産性を上げることに注力する、というような分担をしています。
AI成熟度レベルの定義
組織の中には、普段からAIに触れている人、たまに触る人、ほとんど触っていない人、さまざまです。
普段からAIに触れている人であれば「こっちのツールは導入しないんですか?」「業務効率化だけでなく業務自体の見直しも必要では?」といった提案が自然に出てきます。
一方で、あまり触れていないメンバーからすれば活用イメージ自体が描きにくく「すごいのは分かるが実務にどう当てはめるのか分からない」という状態になりがちです。
このように成熟度が異なると、いろいろな前提がそろわず、話がかみ合いません。まずはレベルを定義して、自分たちがいまどのレベルにいるのかを理解し、着実にレベルを上げていくことが、組織としての成熟度を上げていくためには必要だろうと現時点では感じています。
ちなみに、当社では組織全体の成熟度レベルを以下のように定義しています。
| レベル | 定義 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 個人レベルのできる化 | 個人が自分の主要業務でAIを使っている |
| 2 | 部署レベルのできる化 | 部署内でエージェントを共有している |
| 3 | 自働化への移行 | AIが一部の業務を代行し始めている |
このレベル定義は書籍「AIエージェント 人類と協働する機械」に書かれていた内容を参考にしており、同書ではレベル5まで定義されています。
この組織全体の成熟度レベルをベースに、各職種の主要な業務ごとにもレベル定義をするようにしています。
AI活用ガイドライン、社内標準ツールの整備
当社では昨年末に社内向けにAI利用率アンケートを実施しました。
AIの利用率は95%と、ほとんどの社員がAIを利用していると回答していましたが、一方で「使っていいツールがわからない」「会社のルールがわからない」「セキュリティが心配」というコメントもありました。
ルールは分からないが便利だから使うという状態は、管理者が把握できないところでサービスを利用する、いわゆるシャドーITにつながります。「AIはセキュリティが怖いから禁止している」というのはもう通用せず、放置することのほうがリスクになってきています。
当社でもAIの利用は前提として、どう守っていくかという考え方にシフトし、現在の利用実態に合わせたガイドラインの見直し、Microsoft 365 CopilotやCursorなどのツールを社内標準ツールとして、ガードレールを整備しています。
利用するツールについてはさまざまな意見がありますが、特定のツールにこだわるというよりも、まずはツールを固定してガードレールの枠組みを作りつつ、状況にあわせて柔軟にツールを見直せる体制や体質を作っていければと考えています。
まずは現状評価から始めよう
Microsoftは企業の意思決定者500人を対象にAIエージェントに関する調査を公開しました。
この調査は、エージェントの導入が進んでいる企業と、そうでない企業の間にはどのような差異があるのかを調べるためのものです。調査の結果によれば、以下の5つのポイントが大きな差別化要因となる、と書かれています。
- AIエージェントの導入を事業成果(KPI)に直結させている
- 業務を可視化し、どこに導入するかを明確にしている
- データを基盤として整備し、品質と管理責任を明確にしている
- 業務手順だけでなく、人の役割や育成計画も見直している
- 責任者・監視・制約などの包括的なガバナンスを整備している
まずはAIツールを導入し、個人のAI成熟度を上げていきつつ、より高いレベルを目指すならば組織的な取り組みが必要になります。とはいえ何から始めればいいか分からないかもしれません。
MicrosoftはAI Readiness Assessmentも公開しています。これは組織のAIに関する準備状況を以下の7つの視点で評価するものです。
- ビジネス戦略
- 組織と文化
- AIに関する戦略と経験
- データ基盤
- ガバナンスとセキュリティ
- AIのためのインフラ
- モデルの管理
いくつかの設問に答えると、現状の評価に加えて、より成熟するために推奨される取り組みが確認できます。
もしこれからAI推進を本格的に進めていこうと考えている方、次の一手に悩まれている方がいれば、ぜひ試してみてください。
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