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CSRとSIGMA計画

2003年11月14日

代表取締役
髙橋 仁

CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)という言葉を最近良く聞きます。目的とするところは、インターネットに代表される21世紀の情報社会における新たな無形資産の創造です。さらに次のステップとして、英国で生まれた「SIGMA計画」が存在しています。これは、CSRの取り組みによって得られた無形資産を活用し、価値の最大化、機会の最大化、信頼の増大を図ることを目的とするものです。今回はこの新しい動きと、Webサイトの役割に関して考えてみたいと思います。

CSR

CSRは、日本においては1956年経済同友会が「経営者の社会的責任の自覚と実践」を決議しており、全く新しい考え方というわけではありません。近年これが世界的に注目されるきっかけとなったことに、ISO理事会がCSRに関する国際標準を検討することを決意したことがあります。

これらの動きは、グローバル市場からの要求だったと考えられます。例えば、日本では証券会社の損失補てん、自動車メーカーのリコール隠し、食品メーカーの不正表示・・・、アメリカではエンロン、ワールドコムの不正決算・・・。これらに端を発し、企業の信頼性回復の方策として、企業の社会的責任の確保が重要視されはじめたのです。

時代背景的としては、通信・交通の発達で国境を越えたコミュニケーションが拡大し、信用と信頼が企業活動にとって中心的存在になってきたこと。市場の流動化や、企業と顧客の関係、企業と投資家の関係が可動的になり、さらにNGOの発言力が強くなってきたことなどが挙げられます。

CSRの公式な定義は今のところありませんが、概念的には、「社会、経済、環境」の3つを中心に置いています。また国や地域によって関心は様々であり、例えば米国であればコンプライアンス(倫理法令遵守)、ヨーロッパであれば労働問題が中心的テーマになっています。日本においては、中心テーマを模索している段階といえるでしょう。

さらに昨今、CSRを企業内で実行可能にするマネジメントフレームワークの提供を目的としたISO化の動きが活発化しています。

SIGMA計画

SIGMA(Sustainability - Integrated Guidelines for Management =サステナビリティ統合マネジメントガイドライン)は、持続的成長のための経済、社会、環境の関係性を研究するプロジェクトとして英国で生まれたもので、組織のメインストリームである方針、戦略、実行といった業務の手続きを、いかに効率よく実行し持続的成長を遂行していくか、に関してのガイドラインが公表されています。

これらの目的は、「価値の最大化」「機会の最大化」「信頼の増大」といわれており、CSRの次の世代のキーワードとも言われています。今後3〜5年にかけてこのキーワードの議論が活発化するものと思われます。

CSRとSIGMA計画

直感的な判断になりますが、CSRとSIGMA計画は非常に似ており、例えば、環境マネジメントいうマイナス側面の削減がCSRで、プラス側面の増大がシグマ計画、という認識を私はしています。(かなり冒険的な解釈ですので判断はみなさま各自でお願いします)。

CSRの概念図とSIGMA原則

CSR、SIGMA計画におけるWebサイトの役割

企業活動を持続的発展に導く条件として、グローバル市場はCSR(企業の社会的責任)の取り組みを要求しており、さらにそれらの活動を通して「SIGMA計画」でいうところの「価値の最大化」「機会の最大化」「信頼の増大」を図りなさいと示唆しているように思えます。

これら時代的潮流は、重苦しい鎖を企業がはめられるという解釈をすべきではなく、この活動自体がブランド価値、顧客の価値、社員の価値、知的資本の価値などと同じように「無形資産」として取り扱うべきだと考えます。
また、この無形資産の増大は、マルチステークホルダーへの情報提供とコミュニケーションによって達成されるものであり、この唯一最大のツールがインターネットやWebサイトであると断言します。

この世界の潮流を考えたとき、この業界で仕事ができることを誇りに思い、かつ社会的責務は非常に重いと捉えています。顧客企業様の持続的発展のために、私達全スタッフの研究は続きます。

参考:日科技研「新 世界標準ISOマネジメント」平林良人 矢野友三郎 著