ECCコンピュータ専門学校で、Webアクセシビリティの出張授業を行いました
エグゼクティブエディター 上原ミツエーリンクスは社会貢献活動の一環として、日本全国の専門学校向けにWebアクセシビリティの出張授業を無償で提供しています。今回の学校法人山口学園 ECCコンピュータ専門学校(以下、ECCコンピュータ専門学校)が6校目となります。
実施内容について
当日は、Webデザインコースの1年生~3年生、29名の学生のみなさまに向けて、特別授業「これからはじめるWebアクセシビリティ」を、当社エグゼクティブ・フェローの木達が実施しました。前半・後半でそれぞれ講義60分とグループディスカッション30分という構成で授業をおこないました。
前半のテーマは、「Webアクセシビリティ入門」。Webアクセシビリティとは何かといったの基礎知識や、取り組むべき理由などについてわかりやすく解説しました。その後、授業を聞いた学生のみなさまが、「アクセシビリティは障害者や高齢者のためだけのものと考えていたか」「将来Web業界に進んだら、アクセシビリティにどう取り組みたいか」などの議題について、グループ内で話し合いました。

木達の講演の様子
後半のテーマは、「改正障害者差別解消法とWebアクセシビリティ」。もとの障害者差別解消法と改正法による変化、Webページを簡単にアクセシブルにできるソリューションの是非などについて解説しました。その後、「障害者差別解消法のような法律は必要か」「オーバーレイのようなソリューションは必要か」などの議題について、グループ内でディスカッションしました。

学生のみなさまがディスカッションした内容を発表している様子
授業の様子は、ECCコンピュータ専門学校の記事でもご紹介いただいていますので、こちらもぜひご覧ください。
参加された学生のみなさまの感想
当日参加された学生のみなさまから寄せられたコメントを、一部抜粋・編集して紹介します。
これまで意識していなかったアクセシビリティについて、深く学ぶことができました。授業や制作でWebサイトやアプリを開発する中で、無意識のうちにアクセシビリティに配慮できていた部分があったことに驚きました。今後は意識的にアクセシビリティを考慮し、誰もが快適に利用できるサービスづくりを継続的に心がけていきたいと感じました。
「アクセシビリティを意識する」と聞くとすごく難しそうですが、今日からは見出しにはしっかり見出しタグを使うことや、アウトラインを意識したhtml作りや、imgタグのalt属性は、サボらずにしっかり記入しようと思えました。そういった小さな積み重ねが、アクセシビリティにおいても大切なんだなと感じました。
自分にとって新しい学びを得られ、理解を深めることができて、在学中にこのセミナーが開催されたことは、とてもありがたいことだと感じました。今回のセミナーを通して、アクセシビリティのことをより深く理解できました。同時に、多様な人の基本的人権の尊重や社会参加をより良くするという点で、Webの仕事を日々頑張ることで自分も関わっていける、ということに改めてうれしさが実感できました。
最初は、オーバーレイはいいことばかりのツールだと思いました。しかし、最後にオーバーレイは通信の妨げになることや、プライバシーを侵害しているということを聞いて、Webサイトを作る人間の一人一人が、オーバーレイを使用しなくてもさまざまな人が見やすい、配慮されたサイトを作ることが必要だなと感じました。
ディスカッションの時間が足りないほど、興味深い分野であり楽しかったです。貴社が無償でセミナーを始めたことを最初に聞いたときから、アクセシビリティに対する強い思いを感じていました! 個人的にも調べたり勉強したりして、継続して意識して、いつかはWebアクセシビリティを当たり前にしていきたいです。
ECCコンピュータ専門学校 瀧本先生のコメント
私自身、2006年頃にこの学校に着任して以来、Web標準やアクセシビリティに強く関心を持ち、できる限り授業でも話してきました。XHTMLからHTML5、HTML Living Standardへと移り変わる中で、現在は法改正も進み、アクセシビリティは業界全体が本格的に取り組むべきテーマになっています。そうした状況について、現場で働く企業の方から話していただくことは、学生にとって大きな価値になると感じました。
授業の中でも、キーボード操作への配慮や音声操作の可能性、ユニバーサルカラーといった要素には触れてきました。ただ、限られた期間のカリキュラムの中で、基礎から制作まで教えるとなると、一つのテーマを深く教えるのはなかなか難しいのが実情です。だからこそ、今回のような専門的な内容を、現場の視点で伝えていただける機会は貴重だと感じています。
今回の授業で学生に期待しているのは、木達様の話をきっかけに、何かを制作するときにふと「そういえばあの時こんな話があったな...」と思い返してくれることです。そして、誰かに言われたからではなく、自分で気づき、自分で考え、自分で変えていける人になってほしい。アクセシビリティを「特別なこと」ではなく、「当たり前」として扱えるようになる、その第一歩になればと思っています。
最後に
当社では今後もこの出張授業を通じて、学生のみなさまがWebアクセシビリティについて学ぶ機会を提供していきたいと考えています。ご関心のある教育機関のご担当者がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。