W3C TPAC 2025参加報告
エグゼクティブ・フェロー木達 一仁開催地を毎年変えて催されるW3Cの年次会議、TPAC(Technical Plenary and Advisory Committee)が、今年は11月10日から14日にかけて神戸でハイブリッド開催されました(W3C TPAC 2025)。
TPACは2015年に札幌で、2019年には福岡で開催されたことがありますが、久しぶりの日本での開催ということで、私はSustainable Web Interest Groupに参加していることもあり、現地でのリアル参加を決めました。
ちなみに、当社の過去のTPACへの参加報告は、以下でお読みいただけます。
- TPAC 2019参加報告
- TPAC 2015参加報告
- TPAC 2014参加報告
- Test the Web Forward Shenzhen & TPAC 2013参加報告
- TPAC 2009参加報告
- TPAC 2008参加報告
今回、私はSustainable Web Interest Groupの会議と、自分の専門分野の1つであるアクセシビリティ関連のものを中心に、会期中の3日間にわたり以下の各セッションに出席しました。
- 11月12日
11月13日のSustainable Web Interest Groupの会議では、策定中のWeb Sustainability Guidelines(WSG)に関連して、評価方法やAIについてなど、多岐にわたる話題が扱われました。英語ですが議事録は公開されており、どなたでもご覧になれます。お互い、オンラインでは顔を合わせていてもオフラインで会うのは初めての方々が多く、貴重な機会であったと思います。
目下WSGはドラフト(草案)の状態にあり、W3C内で水平レビュー(複数の技術的観点からレビューを行うプロセス)が実施中です。それと並行するかたちで、Accessibility GuidelinesとWeb Performanceの両ワーキンググループと意見交換ができた点も、Sustainable Web Interest Groupにとってありがたい機会でした。
アクセシビリティに関するセッションのなかでは、11月12日に参加した、Accessibility at the Edge Community Groupによるものが興味深く感じました。TPAC直前に公開された、Accessibility Capabilities: Post-Source Code and Contentというレポートの紹介と、それにまつわる義論がなされました。
同レポートにおいてはエッジテクノロジー、すなわちユーザーにとってより身近で、より直接的に操作可能な技術により、もとのソースにあるアクセシビリティ上の課題を克服することの可能性が、幅広く論じられています。
私は以前から、Webブラウザはユーザーのブラウジング体験をもっと支援できる、コンテンツのアクセシビリティを向上させる余地があると考えてきましたので(コラム「ユーザー視点で期待するWebブラウザの進化」参照)、同レポートを端緒として何か良い動きを生み出せないかと、考え始めています。
以上、簡単ではありますが、今年のTPACへの参加報告でした。WSGの策定状況や、WSGの一部を当社制作物の品質基準として採用していく動きについては、引き続きコラムやWeb品質Blogで発信していければと思います。
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