アクセシビリティセミナー2014、終了

エグゼクティブ・フェロー 木達

去る10月8日、幕張メッセ 国際会議場3階 301A会議室にて、アクセシビリティセミナー2014が催されました。ウェブアクセシビリティ基盤委員会のサイトには、開催報告のページがまだ公開されていませんが、2つのセッションそれぞれのスライドは、既に公開されています。

植木氏の講演「Webアクセシビリティ - 海外の気になる動きと日本国内の最新動向」においては、Webアクセシビリティに対する海外と日本との温度差が浮き彫りになったように思います。海外では公的機関はもとより、一般企業に対しても段階的に義務化を進めていますが、日本においては公的機関に対応が求められてはいるものの、法律によって義務づけられているわけではありません。こうした取り組みの差が、将来的に日本の国際競争力を下げてしまわないか、個人的には強く憂慮しています。

当社アクセシビリティ・スペシャリストの中村の講演「Webアクセシビリティの標準規格「JIS X 8341-3:2010」準拠のための試験方法(最新版)」では、JIS規格を用いコンテンツのアクセシビリティを確保する前提において、方針の策定と試験結果の表示の2点にフォーカスして解説がなされました。明示が必須の項目とそうではない項目の整理や、誤解を招きやすいポイントの解説は、既に一定のJIS対応を進めていらっしゃる方であれば特に、分かりやすかったのではないでしょうか。なかでもJIS対応の「対象外」と、箇条8.1.3にあります「第三者によるコンテンツにおける例外」の違いは、日本語的に混同しやすい点であり、注意が必要かと思います。